「暫定球」に「動かせる障害物」競技ゴルフに挑戦する人が必ず覚えておきたいルールまとめ
スコア「90」を切ったら必ず覚えておきたいルール/ティーイングエリア、ジェネラルエリア編
80台がコンスタントに出るようになると、「そろそろ競技に出てみようかな」なんてことを考える人もいるようです。そんな人たちが、最初に考えるのが、「ルールを覚えなきゃ」ということ。確かに競技会ともなると、「ルールは全く分かりません」ではすみませんよね。そこで今回から2回に分けて、90を切ったら必ず覚えておきたいルールをご紹介。これだけは抑えておきましょうね。
OBやロストの可能性があるときは必ず暫定球を
コンスタントに80台でラウンドする人なら、ある程度、ルールの知識もあると思いますが、場面によっては、「これで良かったかな?」と思うこともあるはず。プライベートゴルフなら、「間違えちゃった」ですみますが、競技ゴルフになるとそうはいきません。ペナルティが科されるだけならまだしも、最悪の場合は競技失格になることもあるからです。だから、「そろそろ競技にも出てみようかな」と考えるなら、ルールの勉強は必須です。
とはいえ、全てのルールを完璧に覚える必要はありません。普通にプレーしていて、頻度に出てくるルールやその措置法だけをしっかり覚えておけば、困ることはないからです。
そこで今回から2回に分けて、「競技に出た場合」を想定して、“覚えておきたい”ルールのいくつかを、エリア別に紹介します。
「ティーイングエリア」
ティーイングエリアで気をつけなければいけないのは、ショットがOBエリアに入った、または入った可能性があるときです。普段は、「前進4打ね」と言いながら前に歩き出すこともあると思いますが、競技では前進4打はありません。OBの可能性がある場合は、必ず「暫定球を打ちます」と同伴競技者に伝えて暫定球を打ちましょう。このとき、1球目と区別できるように、ボールの番号を伝えることも忘れずに。
もし1球目がOBの場合は、2回目に打ったボールは3打目になります。もちろん、1球目がセーフであればペナルティなしにそのボールでプレーが続けられます。
なお、暫定球を宣言せずにボールを打った場合は、最初のボールが見つかっても、そのボールではプレーできなくなるので注意しましょう。
また、ロストボールになる可能性があるときも、同じように暫定球を打ちましょう。
ルール上は、元の位置(ティーイングエリア)に戻って打ち直しすることも出来るのですが、プレー遅延を避けるためにも、必ず暫定球を打っておいてください。
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「動かせる障害物」か「動かせない障害物」かで措置が変わってくる
「ジェネラルエリア」
ジェネラルエリアで迷うのは、ボールが打てない、または打ちづらいとき、その障害物が「動かせない障害物」か「動かせる障害物」かという点です。
動かせる障害物に含まれるのは、カート道路、舗装道路、排水溝のふた、側溝、スプリンクラー、立木の支柱、橋、コースを仕切る金網や柵で、これらがプレーに影響する場合は、無罰で救済が受けられます。
救済を受ける場合は、まずニヤレストポイント(障害がなくなり、かつ元のボール位置から最も近い場所)を決めて、その地点からホールに近づかないように1クラブレングス以内にドロップします。
一方、「動かせる障害物」は、バンカーレーキ、距離表示杭、赤杭、黄杭、青杭などです。これらがプレーの妨げになるときは、無罰で取り除くことができます。杭は引っこ抜いて、元に戻せばいいのです
なお、バンカーレーキなどにくっついて止まっている場合は、無罰でボールを拾い上げ、障害物を取り除いたあと、球があった場所にドロップすることができます。
ちなみに杭の中でもOB杭(白杭)だけは動かせる障害にはならず、抜いたり動かしたりすることができません。抜くと2打罰になるのでご注意を。
そのほか、ジェネラルエリアでボールが地面に食い込んでしまった場合は、無罰で救済措置が受けられます。この場合は、ボールを拾い上げて、そのボールがあった地点から1クラブレングス以内にドロップできます。なおこのとき、ボールについた泥を拭くことができます。
次回は、「バンカー」「ペナルティエリア」「グリーン」での“覚えておきたいルール”を紹介します。
真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。
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