「インプレス ドライブスター タイプS」ヤマハの本気を感じる“8軸積層カーボンフェース”の威力を検証!
ヤマハの『INPRES DRIVESTAR TYPE/S』をロマン派ゴルフ作家が検証する!
ヤマハは『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』を2024年9月20日に発売。ドローバイアスがかかった『INPRES DRIVESTAR TYPE/D ドライバー』と同時発売である。ヤマハ『INPRES DRIVESTAR TYPE/S』をコースに持ち込んで、徹底的にレポートする。
後継機種ではなく、カーボンフェースのNPRES DRIVESTAR TYPE/S は別物だ!
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』のコピーは、“8軸カーボンフェース搭載 高初速+正統派形状つかまり過ぎをおさえて飛ばす”だ。
いきなり新テクノロジーの核心である「OCTA ANGLE CARBON FACE(オクタアングルカーボンフェース)」が出てくる。
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』のフェースは、三菱ケミカル株式会社とヤマハの共同開発で生まれた8軸積層カーボンフェースなのである。
今更、カーボンフェースと思った人も多いと思うが、カーボンの分野は日本のお家芸であり、国産のメーカーが本気を出したら今までのカーボンフェースはイントロに過ぎなかった、と言うことになるだろうという予測はあちこちで囁かれていた。
今までの4軸や6軸のカーボンフェースを超える8軸は、化学メーカーの高い技術力が可能にしたわけで、結果として、広範囲における強度が向上したことでフェースのどこに当たっても高初速になることが可能になったという。
カーボンクラウンとカーボンフェースで生まれた余剰重量を飛距離とやさしさに必要な重心設計に活かして、美しい形状を維持しながら高慣性モーメントで、打点ブレに強いドライバーに仕上げたという。このテクノロジーは「Counterweight System(カウンターウェイトシステム)」と命名された。
もちろん、音叉のロゴのヤマハのクラブらしく、独自の打音分析で打感と打音を極めて、感性に訴えかける心地良い打感に到達したとのこと。
『TYPE/S』の特徴として、つかまりすぎない端整な顔にもこだわっている。
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』の説明を聞いているだけで、自然と期待値は高まる。
『INPRES』シリーズは、一般のエンジョイゴルファーのためのブランドだから、余計にワクワクである。ヤマハの本気を体感したくなるゴルファーは多いはずだ。
試打した『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』は、10.5度のロフト、純正シャフトのSフレックス。
試打した日は、晴れのち曇りで、気温は24℃〜29℃、微風というコンディション。使用ボールは、使い慣れていてクラブの影響に集中できる『TOUR B X』にした。
2024年の最長飛距離を記録したINPRES DRIVESTAR TYPE/Sは凄い!
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。
打音打感/音量はちょうど良い、音質は濡れた鞭系と硬質系のミックスの高音。打ち応えは軽快。手応えは敏感、異次元に広い芯に戸惑う。
弾道/高弾道。ボールをとらえやすく軽いドローが得意。曲がりに鈍感、同じボールを打ち続けるための1本。
飛距離/平均240ヤード。最長265ヤード。2024年試打したドライバーで最長飛距離。
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』を使ってラウンドして、最初に感じたのは、特別なドライバーだということと、今までの『INPRES』ではない、ということだった。
引っ掛けにくくなっているところは本格的だが、普通に振ると全て軽いドローになる。フェードを打とうとすると、飛距離も少し落ちて、ボールが暴れる。右のすっぽ抜けが出ないのは助かるが、ちょっとビックリした。
軽いドロー専門ドライバーだと考えて打つようにしてからは、毎ホール、飛距離を伸ばして、最終ホールで最高の飛距離を記録した。
構えた感じは、まさに通好みでストレートに飛びそうに感じるので、実に不思議な気分を味わった。
ゲンコツのような無骨さがあり、本格的なドライバーとして構えやすいが、出る球は手応え以上に強いボールになるのだ。
ヘッドスピード40m/sのためにチューニングされたような快感をラウンド中に何度も味わった。
正直に告白すると、過去にヤマハのドライバーを自分のバッグに入れることを検討したことはなかったが、『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』は、初めて真剣に考えてしまった。
ドライバーとしての個性は好みではなく、特別感も邪魔なのだけれど、とにかく、黙っていろ、という感じで結果が出るのは、大きな魅力であり、使いたくなった。
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』はカーボンフェースが高性能で、ヘッドの構造や重量配分も理想的なのだと思う。
オートマチックに結果が出るドライバーが好きではない人もいるが、そのレベルの高さを知れば、こだわりなんて簡単に捨てられるはずだ。
フェースのどこで打っても芯感があり、結果も出るやさしさと、とんでもない飛距離性能は、無視するのはもったいないけれど、非常に残念ながら、パワーヒッターにはアンダースペックになってあまり良い結果が出ないと思われる。
『INPRES DRIVESTAR TYPE/S ドライバー』は、カーボンフェースのドライバーのレベル違いの完成形だ。
とにもかくにも、打ってみるべき1本である。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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