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尾関彩美悠、個性を生かすスイングのチェックポイントとは?

進化する技術「私流」トーナメントにおけるプロのコメントからテクニックを深掘り!VOL.25

2024/12/16 ゴルフサプリ編集部

今季は優勝こそないものの、トップテン入りが7回と安定した成績を残している尾関彩美悠。好調な理由は、アプローチとパットを中心としたショートゲームの確実性が昨年よりもアップしていることが大きい。ショットの正確性も昨年より上がっていることは間違いないが、まだまだ伸びしろがあるのも事実。尾関自身もそのことを理解しているようで、現在は、試行錯誤の真っ最中だ。ただ、調子がいいときは、トップとフィニッシュの位置が安定しているという。

GOLF TODAY本誌 No.629/118〜119ページより 写真/Getty Images

トップがピタッとはまる位置を確認。 フィニッシュまで 一気に振り抜くだけ

トップが決まればインパクトのタイミングも合う

今季の尾関彩美悠は序盤戦こそ予選落ちが重なったが、4月くらいから徐々に調子を上げてきた。その理由は、アドレスでのクラブフェースにあったという。

尾関彩美悠「私の場合、ずっとフェースを開いて構えるクセがありました。それが原因でボールを右に打ち出していましたが、思い切ってフェースを被せ気味に構えたら、狙ったところへ打ち出せるようになりました」。

元々、ドライバーショットの方向性は安定していたが、ウッドやアイアンでのセカンドショットになると、狙ったところに打ち切れない面があった。それが、フェースの向きを変えたことで、ピンを差すセカンドショットが増えたわけだ。しかし、再び不調の波が尾関を襲う。

尾関彩美悠「トップの位置が定まらず、その結果、インパクトのタイミングが合わなくなってきたのです」。

タイミングが遅ければフェースが開いた状態でボールをとらえ、タイミングが早ければフェースが閉じた状態でボールをとらえる。当然、ボールは右にも左にも曲がるようになった。
逆にいえば、調子がいいときはトップの位置がピタリとはまるという。それに伴い、インパクトのタイミングも合うので、フェースがスクエアな状態でボールをとらえられる。

尾関彩美悠「そういうときは、もうダウンスイングのこととか、インパクトのことは考えません。安心してフィニッシュまで振り切るだけです」

トップの位置が決まると、フィニッシュも安定してくるという。現在もトップの位置は試行錯誤中だが、安定してくれば、ツアー2勝目に大きく近づけるはずだ。

ドライバーのようなスイングが理想

(写真左)バックスイングでは上体を捻転し、トップでは右ヒジを曲げ、左腕を伸ばす。その分、トップの位置は高くなる。捻転した上体をネジじり戻すことでインパクトを迎える。(写真中央)トップの位置が安定したときは、インパクトのタイミングも合う

トップの位置が決まったときは、バックスイングでは上体も十分捻転されている。ダウンスイングではその上体をネジり戻すことでクラブが自然に下り、スクエアフェースでインパクトを迎える。トップでは右ヒジを曲げて左腕を伸ばし、フォローでは左ヒジを曲げて右腕を伸ばすアームローテーションも自然に行われ、スイングプレーンに沿ってクラブが動いている。

スイングの再現性を高めるには常に同じ位置にクラブを上げたい

尾関のトップを見ると、左腕を伸ばし、両手を高い位置まで上げているのが特徴的だ。クラブヘッドの移動する距離が長い分、ヘッドスピードは加速するが、インパクトのタイミングを合わせるのは難しい。トップの位置を安定させることで、インパクトのタイミングをとりやすくなる可能性が高いし、それがスイングの再現性を高めることにもつながる。

好調時はトップの位置とフィニッシュの位置だけを意識するという尾関。ウッドのコントロール性が上がったことで、長いパー4でもしっかりとグリーンをとらえる回数が増えた。その証拠として、26試合を終えた時点でパー4の平均スコアが3.9653で6位につけている。現在は好不調の波が交互に訪れているが、トップの位置さえ安定してくれば、好調の期間も長くなる。

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