ボールのフィーリングがいきなり変わる難しさ

「3ツアーズ」のフォーマットは、各ツアーの選手が2人1組となり、午前と午後で同じ9ホールをプレー。各ハーフの順位によってポイントが付けられ、その合計点で勝利を争います。
前半のハーフは2人がそれぞれのボールをプレーして、いい方のスコアを採用する「フォーボール」。ひとりがアグレッシブに攻めたら、もう一人は安全に攻める、といったことをすることもあるものの、基本的には自分のプレーで完結します。
午後のハーフはひとつのボールを交互にプレーする「オルタネート方式」(フォーサム)。
ここで最も難しいのは2人が使うメーカーのボールを使うケースがあることです。
皆さんでもラウンドで使うボールを決めている方が、いきなり違うメーカーのボールを使うことを強いられたら、いつもとフィーリングが異なることに戸惑うはずです。
1打に生活のかかるプロはなおさら、繊細なフィーリングにこだわってボールを選んでいます。
なので、「ライダーカップ」や「プレジデンツカップ」など団体戦を戦う機会の多い欧米では、ペアを決める時にどのメーカー(時にはさらに詳細な銘柄も)のボールを使っているかが基準になることもあります。

JLPGAチームは桑木志帆と古江彩佳がブリヂストンスポーツのボールを使っていますが、桑木はタイトリストを使う佐久間朱莉と。古江はキャロウェイを使う河本結と組みました。最終組の竹田麗央と小岩井さくらは同じダンロップです。

それでも「オルタネート方式」の後半は3つのマッチ全てで1位となり、大逆転して対応力の高さは、さすがとしかいいようがありません。

超高速グリーンにも順応

「3ツアーズ」のグリーンは13フィート1/4という「超高速」の設定でした。
猛暑の影響で今年の女子ツアーはグリーンを速くすることができない大会が多く、最も暑さの厳しい時期には、スピードだけでいうと通常営業とあまり変わらない8フィート台になったこともありました。
2週間前の最終戦も9フィート1/3~1/4でした。
一方で男子は先週の「日本シリーズ」は12フィート1/2でした。
さらに女子は1週間試合がなかったにもかかわらず。不慣れな超高速グリーンに対応していました。

「行っちゃったら、行っちゃったで」

「オルタネート方式」の難しさは、ミスをすると次は自分でなくチームメートがトラブルショットを強いられること。そのため必要以上に委縮する選手もいます。
古江も2学年上の河本に遠慮が見られたのを「行っちゃったら、行っちゃったで。カバーするし、してもらうから。遠慮するのはやめてアグレッシブなゴルフを貫こう」と言って励ましました。
桑木と佐久間はこうした遠慮の必要のない同学年。
竹田と小祝はプライベートでも仲が良く、ボールのメーカーも同じ。
最後はグリーン奥からのアプローチを竹田がピタリと寄せ、小祝がウィニングパットを決めたのは、チームワークの良さとそれを発揮する絶妙な組み合わせでモノにした勝利を象徴するようなシーンでした。

(文/森伊知郎)