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マクグリービーが大会記録で優勝するために最も大事だったこととは?【ダンロップフェニックス】

2024/11/17 ゴルフサプリ編集部

大会最多アンダー記録で優勝のマクグリービー。付け入る隙がないプレーのポイントは「Room」だった。(写真は2024年ダンロップフェニックス/大会提供)

日本男子ツアー「ダンロップフェニックス」は69で回ったマックス・マクグリービーが通算22アンダーの大会最多アンダー記録で優勝した。72ホールで叩いたボギーはわずかひとつで、これまでの最少記録だった「3」を更新。完璧ともいえるプレーでは、意外にもフェアウェイキープより重要視したことがあった。

タイガー・ウッズらの記録を更新したマクグリービー

過去50回を数える大会の歴史で、優勝者の72ホール最少ボギー記録は尾崎将司(1995年)、タイガー・ウッズ(2004年)と池田勇太(2010年)の3人が持つ「3」でした。
今大会4打差の2位だった松山英樹が「4日間でボギーひとつで回られたら、厳しいですよね」と脱帽したマクグリービーの記録はこれを大幅に更新,と言っていいでしょう。

2017年のプロ転向以来スリクソンのギアを使い続ける縁で出場した今大会。初体験のフェニックス・カントリークラブ対策としてどのようなことをしたのか聞いてしました。

重要視したのは「フェアウェイキープ」ではなく…

最終日はティショットで3番ウッドを多用していただけに「まずは確実にフェアウェイをキープして、グリーンに乗せるように」とのコメントを予想していたところ、「フェアウェイキープより大事だったのは」と返ってきました。

続いた言葉は「林に入れないようにした」でした。

フェニックスCCの松林は地面が硬いため、入れると転がって奥深くまで行ってしまうことがあります。そうなると脱出が困難になり、ボギーでは収まらなくなる可能性も出てきます。
それよりも「グリーンはソフトだった」との印象で、ラフからでもある程度は止められるとの判断がありました。

実際、4日間のフェアウェイキープ率は61%で14位と、そこまで高くはありません。
ティショットの時点で「フェアウェイキープ」と考えるのと、「グリーンを狙えるラフまでならOK」とではホールの広さが随分と違ってきます。もちろんラフやグリーンの状態によって違ってきますが、この考えでティショットのプレッシャーを軽減させるのは、アマチュアにとって参考になるといえるでしょう。

「どちらのサイドに、よりRoomがあるのか」

72ホールでボギーがひとつですから、ラフからでも確実にグリーンに乗せていたのかと思いきや、4日間通算のパーオン率は78%。つまりパーオンできなかったことが16回ありました。

これは練習ラウンドでコースをチェックする際に「どちらのサイドに、より『Room』があるのかと考えた」ことでしっかりリカバリーできたと説明します。

Room、は直訳すれば「部屋」ですが、この場合は「より安全な、外してもボギーにならない場所」という意味になります。

単に広く空いている場所(space)ではなく、「Room」がどこなのかをしっかり把握する。ちょっとした違いかもしれませんが、ボギーを打たないためのマネジメントとして、これも参考にできるでしょう。

「Room」がどこなのかをしっかり把握するマネジメントはアマチュアにも大いに参考になる。(写真は2024年ダンロップフェニックス 写真/大会提供)

「ワクワクしている」来季のPGAツアー スピース、ケプカ、JTのような“出世”はなるか

マクグリービーは今シーズン、PGAの下部にあたるコーン・フェリー・ツアーのランキング2位になったことで来年は2シーズンぶりにPGAツアーに復帰。それに向けての意気込みを「ワクワクしている」と言いました。
「ダンロップフェニックス」の歴史を振り返ると、2014年のジョーダン・スピース。16年のブルックス・ケプカとジャスティン・トーマスの3人が初出場の翌年にメジャーを制覇しています。
これに続く“出世”をするかが見ものです。

※「ダンロップフェニックス」初出場での成績と翌年のメジャー優勝
2014年 ジョーダン・スピース(3位)→2015年「マスターズ」&「全米オープン」
2016年 ブルックス・ケプカ(優勝)→2017年「全米オープン」
2016年 ジャスティン・トーマス(4位)→2017年「全米プロ」

(取材・文/森伊知郎)

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