岩田寛の“下半身リードの切り返しから生まれる“強いタメで飛ばす”ドライバースイング解説
先週末に行われた国内男子ツアー『カシオワールドオープン』は岩田寛選手が優勝。今シーズン2勝目。ツアー通算7勝目を挙げた岩田寛選手のドライバースイングを解説します。
飛距離アップしたいアマチュアは岩田寛の“タメ”に注目!
岩田寛選手のドライバースイング(下記連続写真)から見てとれる大きな特徴は、
①バックスイングは両肩とグリップでつくられる三角形を崩さず、またノーコック気味にワイドに上げていく。
②クラブがトップへ収まる直前に、下半身を先行させて切り返す。
③前述した①と②の動作によって強いタメが生まれ、そのタメをキープしたままインパクトを迎える。
このようになります。
岩田選手は比較的スマートな体型ですが、ドライビングディタンスは295.72、ランク18位(2024.11.25現在)と、飛距離にも長けた選手です。その要因のひとつが先に挙げた“タメ”といえ、「いまよりもっと飛ばしたい!」と、飛距離アップを望んでいるアマチュアゴルファーは、この部分を参考にしてほしいと思います。タメをつくるポイントはいくつかありますが、もっとも一般的かつ普遍的な方法として、下半身リードで切り返したら、手元を低く下ろしてくることです。手や腕、上体が先行して切り返すと、ほとんどの場合、キャスティングと呼ばれるタメが解ける動作になるため注意が必要です。
一般的にビジネスゾーンと呼ばれるP6からP8までの間、グリップがカラダの正面から外れない点も見逃せません。この動きは一流選手の共通点で、ツアー通算7勝をマークするトッププレーヤー・岩田選手にも当然当てはまります。岩田選手がどのような意識なのかは不明ですが、グリップをカラダの正面から外さずにスイングするには、腕を振る動作とカラダを回転させる動作のバランスを取る必要があります。アマチュアゴルファーにありがちな腕ばかり振るとかカラダばかり回すといった偏った動作では、岩田選手のようなスイングはできません。
ご存知の人もいるでしょうが、両わきにタオルを挟んで打つドリルを行ったり、両前腕の間にボールを挟んで打つドリルを行うなどして、腕とカラダの同調を身につけることで、スイングのバランスが高まってきます。飛距離も方向性もできるだけ安定させたいと考えるなら、岩田選手のスイングをぜひ参考にしてほしいと思います。
岩田寛
いわた・ひろし/1981年1月31日生まれ。宮城県出身。東北福祉大学出身。初優勝は2014年の「フジサンケイクラシック」。2024年は6月の「BMW 日本ツアー選手権」、11月の「カシオワールドオープン」で勝利し、ツアー通算勝利数を7つに伸ばした。
解説:宮川岳也(みやかわ たけや)
USGTFティーチングプロ。埼玉県の練習場とインドアスタジオでレッスンを行っている。
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