ELYTE X ドライバーは芯が広くなったどころじゃない! 最新AIフェースは“1発の飛びも隠れてる”全面スイートスポット!
『ELYTE X ドライバー』をロマン派ゴルフ作家が検証する!

キャロウェイは『ELYTEシリーズ』を2025年2月7日発売。ドライバーは、『ELYTE ドライバー』、『ELYTE X ドライバー』、『ELYTE LS ドライバー』、『ELYTE MAX FASY ドライバー』の4種類。今回は『ELYTE X ドライバー』を取り上げる。
モデルチェンジではなく新しい扉を開けるからEYTEなのだ!

『ELYTE X ドライバー』のコピーは“セカンドの景色を大きく変える、高精度の理想的ハイドロー”で、ドローバイアスが特徴であることがわかる。
テクノロジーで最初に注目するのは、「Ai 10x フェース」だ。微細な部分までAIフェースに反映できるようになり、弾道補正を発揮するコントロールポイントが今までの10倍に増えたという。その結果、飛距離もアップし、ボールコントロールも良くなるはずだ。
チタン製パーツを作ることが可能な3Dプリンターを導入し、90倍の早さでプロトタイプを製作できるようになったことにも注目したい。約75回の試作を繰り返して、余裕とも言える安心感ある見た目や空気抵抗の削減まで注意を払ったヘッド形状になったらしい。
「サーモフォージドカーボン」という航空宇宙分野で使用されている素材を採用して、前モデルよりも薄くて軽く、高い精度で設計通りに製造することが可能になったそうだ。重心配分の最適化、心地良い打球音が実現できたという。
『ELYTE X ドライバー』独自のテクノロジーとしては、ヘッド後方にドロー、ニュートラルというウェイトポートを設置したことである。約13グラムのウェイトの移動で、ドロー、大きいドローの打ち分けが可能で、別売りの18グラムのウェイトを使用すれば、上下左右の慣性モーメントの合計値が10K越えになる。
『ELYTE X ドライバー』は、単なるモデルチェンジにあらず。新しいブランドが相応しい新しいテクノロジーを採用しているドライバーなのだ。
本当にお題目通りに機能したら、大変なことになると思いながら、試打ラウンドに突入した。
試打した日は、気温-3℃〜7℃で、快晴、微風。
ボールは打ち慣れていてクラブだけの影響に集中出来る『TOUR B X』を使用した。

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ティショットが“上手く行きすぎる” 飛距離と安定性のELYTE X ドライバー!
『ELYTE X ドライバー』を使用してラウンドし、わかったことを挙げる。
打音打感/音量はちょうど良い、硬質系の響きが強めの音に鞭系が混じる。打ち応えは軽くやわらかい。手応えはやや鈍感で面白い。
弾道スピン/低めの高弾道。伸びがありとらえたボールが出る。普通に打つと軽いドロー。曲げに敏感でフェードも打てる。
飛距離/平均230ヤード。最長飛距離ホール240ヤード。ミスヒットしても距離落ちず。トップレベルに飛ぶ。

4種類ある『ELYTE ドライバー』の中で『ELYTE X ドライバー』を選んだのは、実際に打ってみた上で、最も進化していることがわかりやすいと思ったからだ。
まず、新しい「AI 10x フェース」の性能が強烈だ。今までのAIフェースも優れていたが、それは予告編に過ぎなかったと思わせた。
どこに当たっても、しっかりと飛び、当たり所が悪くて生まれる左右のブレがほとんど起きないのだ。約半世紀のゴルフ歴で、初めて打ったドライバーだと戸惑った。
芯が大きくなったという宣伝文句は、使い古されてきたが、『ELYTE X ドライバー』は、お待たせしました、コレがホンモノです、と教えてくた。机上の理論ではなく、現実に打てるのである。
得るものがある分、失うものがあるのが世の中の常であるが、いわゆる真芯を食った快感は『ELYTE X ドライバー』には基本的にはない。どこに当たったのかわからない鈍感さが目立つのである。しかし、それこそが、フェースの大部分が芯になっている、ということなのだ。
ドライバーの不調に悩む同伴者に『ELYTE X ドライバー』を打ってもらったが、不調が嘘のように狙い通りに飛んでいく良い球を連発していた。フェースを確認すると、フェースの端っこにボール跡があったりしていた。信じられない魔法を見ているような気分になった。

試打ラウンドの後半で、もう一つ、発見があった。
安定してオートマチックに飛ばすことが『ELYTE X ドライバー』の特徴だと思っていたが、真芯に当たった軽いドローボールに、一発の飛びが隠れているのだ。
安定している上に、一発の飛びも期待できるなんて、なんという贅沢なドライバーなのだと呆れてしまった。
最後になるが、『ELYTE X ドライバー』は、アドレスビューでは、いわゆる本格的で癖がない。打ち手のレベルが高くなるほど、安心して構えられることを評価すると思う。この部分に、『ELYTE X ドライバー』の余裕を感じさせる。
スライスをどうにかしたいという悩みがあるゴルファーには、『MAX FAST』がある。パワーヒッターには『LS』、しっかり振れるゴルファーには『ELYTE ドライバー』が待っている。
『ELYTE X ドライバー』は、パワーに自信がなく、色々とドライバーに助けてもらいたいという大多数のゴルファーのための1本になっている。
『ELYTE X ドライバー』は、現場でこそ性能の高さが証明できるので、練習もそこそこにコースに持ち込むのが正しい使用法である。打ったことがない新しい高性能ドライバーを堪能できるはずだ。
ただ一つだけ注意が必要なのは、調子が悪くともそれなりに飛んでしまうので、自分が上手くなったと過信しやすいことだ。余計なお世話まで気にしてしまうほど、『ELYTE X ドライバー』は特別だったのである。

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篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。