タイトリストのドライバーに進化をもたらした大きな要因は新素材の採用

昨年8月にタイトリストから発売された「GT」シリーズが、高く評価されて人気を集めている。そして、「GT2」「GT3」「GT4」という3モデルに加えて、「GT1」が2月21日に発売されてラインアップに加わった。

―― 「GT1」が新発売されたことで、「GT」シリーズへの注目が再び高まっています。鹿又さんはタイトリストの新シリーズ、「GT」をどう評価されているのでしょうか。

鹿又 発売から半年が経過したところで、タイトリスト史上、最も高い評価を得ているドライバーだと受け止めています。遡って考えると「975D」以来ではないでしょうか。

―― 周囲からも『GTは飛ぶ』という声をよく聞きます。このような評価を受ける「GT」のヘッドのどういった点が特別なのでしょうか。

鹿又 これまでも言ってきたことですが、ドライバーの格段の進化は、素材の変化・進化が大きく関わっていると考えます。パーシモンからメタル、メタルからチタンになったとき、ドライバーは大きな進化を遂げたという歴史が、そのことを証明しています。ただ、新しい素材はなかなか出てくるものではありません。
こうしたことを踏まえて、ボクが一番注目したポイントは「素材の変化」です。「GT」シリーズが高く評価されるに至った要因の一端は、新素材新素材ポリマーの採用にあると思います。この新素材ポリマーは、「軽量」「高強度」「靱性」を兼ね備えていて、(ヘッドの素材として)とてもバランスの良い素材だと思いました。これが、クラウンに採用されていることによって、特別な効果を出すに至っています。

―― 新素材ポリマーを採用したクラウン(シームレス サーモフォーム クラウン)は、具体的にはどのような効果を出しているのでしょうか。

鹿又 ちょっと表現が難しいのですが、新素材ポリマーと他素材のクラウンを使ったヘッドを、同じヘッドスピード・インパクト条件で打ち比べた場合、新素材ポリマーを使ったヘッドのほうがキャリーが出る、という感じでしょうか。

ストレスを与えるほどの大きな慣性モーメントは必要ない

―― そのほかに「GT」シリーズの特色というのは、どんなところにあるのでしょうか。

鹿又 タイトリストは、ずっと「慣性モーメントが大きすぎることは良くない」ということを提唱してきたメーカーです。だから、唯一「10K」とか「MAX」といったモデルを作っていないメーカーなんです。プレーヤー目線のクラブ作りをずっとしているメーカーなので、プレーヤーにとって“ストレスがない慣性モーメント”で、『曲がりにくくて飛距離が出るヘッド』という作り方をしてきました。

ーー 確かに、慣性モーメントに対する考え方は、他社と一線を画す大きなポイントですね。

鹿又 そうして作られた「GT」シリーズが、特にトップ選手たちから支持されて、それが一般アマチュアにも伝播しました。いわば、ゴルフクラブが売れる時の“王道の図式”になったわけですね。

ーー 男子ツアーでの使用率はとても高いですよね。

鹿又 その理由というのが男子ツアープロが好む『ボールコントロールをしやすい』という強みだけでなく、『ボールコントロールがしやすくて、飛ぶ』という2つの強みを備えていることが評価されてのことだそうです。

―― 2月21日に「GT1」が発売されました。市場はどのように反応しそうですか。

鹿又 まず「GT2」「GT3」「GT4」に関して言えば「ある程度はフェースコントロールができる」と言う前提がないと、ヘッドの本来のパフォーマンスが発揮されないところがあったと思います。いわゆる軽量モデルに分類される「GT1」の登場によって、これまで「GT」シリーズに手を出さなかったゴルファーが手を伸ばすのではないでしょうか。また、すでに他メーカーの新作を購入したゴルファーの中にも、「GT1」を試そう・使ってみようという人が出てくると思います。「GT」シリーズに対する高い関心は、しばらく続くのではないでしょうか。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。