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クラブセッティングから見るマスターズ優勝予想!勝つのは誰?

【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】

2025/03/30 ゴルフサプリ編集部

いよいよマスターズまであと2週間!
今年は誰が活躍するでしょう?今年の松山選手は?タイガーは?
などなど、毎年、ゴルフの春の祭典は楽しみなことが多いですよね!

そんなマスターズの展望を、クラブの側から予想するというのをはじめて、実は10数年になります。
今年は、その予想を皆さんとも共有してみたいと考えています。

1.コースが求める技術

まずは、マスターズの行われるコースのオーガスタナショナルのコースのお話をしていきましょう。
当方も1年だけですが、仕事でコースを歩かせていただく機会がありました。
実際にコースを歩いてみたことで、オーガスタのすごさ、そして、選手がどういうところで苦労しているのか? をしっかりと見ることができたので、それを基に、このコースではどんなゴルフクラブが求められているのか? を自分なりに探求した結果を今回は書かせていただきたいと考えています。

オーガスタナショナルと言えば、アンジュレーションの強い、そしてガラスのグリーンと言われる超高速グリーンでしょう。
このグリーン上を制する者がマスターズを制していると言っても過言ではないでしょう。
もちろん、この条件では、パッティング巧者というのは必須項目です。
ですが、まずはパターのお話の前に、グリーンを捉えていくためのクラブのお話をさせていただきます。

グリーン上で結果を出す一番の良い方法をご存じですか?
それは、単純になるべく近くに乗せること、ということになります。
もしくはオーガスタの場合は、パッティングラインが読みやすい、打ちやすい場所に乗せるということになってきます。
そうなると、そこをピンポンとで狙っていけるショット力が求められます。
4畳半と言われるパッティングがしやすいスペースにボールを置いていくためには、相当の正確性が求められることが想像できると思います。

そうなると、単純に高さが出て止まるボールが打てればよいのか? ということになるのですが、それだけでは、オーガスタを、さらには4日間スコアをそろえていくことは難しいでしょう。

となると、その正確性はどこで出していくのか? ということになるのですが、これもシンプルに考えていただき、慣れているクラブが必要、ということになっていきます。

なーんだ? と思った方もいると思うのですが、ウェッジだけではなく、極端に言えばロングアイアンやFWでも、1ヤード単位での打ち分けができるようになるためには、かなりクラブを操らなくてはなりません。

かつ、それをギャラリーの多い、マスターズという状況で実現するには、クラブを手足のように使いこなすことが必要でしょう。

そうなるためには、簡単に言えば、そのクラブになじんでいることが必要になります。
昨日今日替えたクラブでは、たとえ才能に恵まれたプロでも難しいと考えていただければ嬉しいです。
プロの場合、契約等があり新製品が出ると替えなくてはならかったりしますので、なおさら大変です。

なので、マスターズ前に、せめて最低でも3か月はクラブを替えていたら難しいのではないか?と考えています。

そして、もう一つ。僕が再三述べてきている「つながり」の重要性を述べさせていただきます。
オーガスタでは、様々なクラブを駆使して、それこそバッグに入っているすべてのクラブを使い切って攻めていくことが求められます。
そのため、1本でも違和感のあるクラブだったり、慣れていないものが入っていたりしたら、途端に足を引っ張ることになるでしょう。

その上でいつも僕が注目するのが、選手の契約状況です。
これが過去10年の優勝者のクラブの契約状況です。

2015 ジョーダン・スピース (総合契約)
2016 ダニー・ウィレット(総合契約)
2017 セルヒオ・ガルシア(総合契約)
2018 パトリック・リード(フリー)
2019 タイガー・ウッズ (総合契約)
2020 ダスティン・ジョンソンン(総合契約)
2021 松山英樹 (総合契約)
2022 スコッティ・シェフラー(総合契約)
2023 ジョン・ラーム(総合契約)
2024 スコッティ・シェフラー(総合契約)

いかがでしょう?
PGA TOURの選手に総合契約の選手が多いという背景もありますが、2018年のパトリックリード以外は、すべて総合契約の選手ということになります。
かつ、細かくその内容を見ていくと、パター以外の13本クラブを同一メーカーという選手が多いのがわかると思います。

つまり、手足のように使える、つながりの良いクラブとなると、総合契約でかつバッグの中にかなりの本数で契約先のクラブが入っている選手が優勝していると言っても言い過ぎではないと考えています。
シェフラー選手は、ウェッジがテーラーメイドではないのがこの法則から外れますが、ボーケイウェッジはかなりの年数使っており、このセッティングで勝ち続けているという意味では、つながりの良いクラブを使い続けている、と判断したいと考えています。

2.ガラスのグリーンを制するために

続いて、パターの話に移ります。
先に結論をいってしまうと、実は、この流れが徐々に変わりつつあるかもしれないというところがあります。
昨年のシェフラー選手でその様相が変わったと言ってもいいでしょう。
それは、ブレード型パター有利というものです。
オーガスタのグリーンは、前述しましたように、アンジュレーションのきつい、超高速グリーンです。
そのグリーンを制するためには、やはり繊細なタッチが求められます。
そうなると、動きとして、やや鈍感になりがちのマレット型より、基本的には、細かい動きがしやすい操作性の高いブレード型が有利と考えています。

過去10年を振り返ってみても、2020年の秋に行われた、やや春よりもグリーンのスピードが遅かったと言われるマスターズを制したダスティン・ジョンソン選手と、マレットと言ってもやや小型のマレットを使っていた2023年のジョン・ラーム選手以外はほぼすべての優勝者がブレード型です。

唯一、マレット型で勝った!と言えるのは2017年のガルシア選手のみということになります。(あの年はショットがすごすぎましたが…)

2014年のババ・ワトソン選手もブレード型でしたので、2023年までの過去10年の振り返りでは、ブレード型が圧倒的に有利と言えていたのですが、、、

そういう意味で、昨年の同様のマスターズ予想をした際にシェフラー選手のマレット型パターがどうか? というところに着目していました。

さて、今年はどうでしょう?

優勝候補に挙げられるマキロイのパターはマレット。さて、今年はいかに。

3.2025年の予想

ということで、上記のことをまとめていくと、予想のポイントは
① 総合契約選手かどうか?
② 今年に入ってクラブを替えたか替えていないか?
③ パターはブレード型かマレット型か?
ということになります。

これに当てはまる選手は誰になるのか?
そんなことを考えながら、マスターズを観戦するのはいかがでしょうか?
また、マスターズ終了後に、同様の観点から振り返る投稿もさせていただければと思っています!

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。

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