スコアメイクの上で、ドライバーの重要性は高い!とはいえ、全体で言えば、優先順位は高くないかもしれません。だからといって、飛ばなくてもいいということではなく、やはり飛距離による優位性を求めていくことは重要です。

ただ、やみくもに振って飛ばすことや、一発の飛びを求めることではなく、スコアのための飛距離を追求するのは、いろんな意味で大切だと考えています。

ということで、当方の考える、本当に必要な距離を発揮するためのドライバーを考えてみましょう。

飛びの3要素、覚えてる?

まずは、ボールを飛ばすために必要な飛びの3要素というのを思い出してみましょう。
これはボール側のお話で、打った後のボールの飛び出しの初期条件ということになります。

① ボールスピード
② 打ち出し角
③ バックスピン

ですね!
これを最適化することとで、最大の距離が得られるということになります。

それでは、それぞれを最適化するためのクラブの条件を考えてみましょう!
①のボールスピード(ボール初速)を上げるためには、以下の式が成り立ちます。

Vb:ボール初速
Vh:ヘッドスピード
Mb:ボール重量
Mh:ヘッド重量とすると、
e:反発係数
Vb=(1+e)×(Mh/(Mh+Mb))×Vh

つまり、Vb:ボールスピードを上げるためには、次の順に影響力が大きいです

①ヘッドスピード
②ヘッド重量、反発係数

ヘッドスピードは、例えば、1%上がれば、ボールスピードも1%近く上がります。
ですが、ヘッド重量や、反発係数は1%上がっても、その半分以下の影響しかありません。

たとえば、ヘッド重量は1%アップした時を上記の式に入れて計算をすると、0.2%の上昇がみられました。
ドライバーのヘッドは200g前後が多いので1%というと2gくらいの変化です。2gというと、スイングウェイトは1ポイント変わりますので、結構、振り感は変わりますね。
飛ばすために、スイングウェイトを重くして、振り重くなったとしても、ボール初速に与える影響は微々たるものということがわかります。

続いて、反発係数も見てみましょう~

Vb:ボール初速
Vh:ヘッドスピード
Mb:ボール重量
Mh:ヘッド重量とすると、
e:反発係数
Vb=(1+e)×(Mh/(Mh+Mb))×Vh

上記の式の中の「e」のところがどのくらい変わったらどのくらいボール初速が上がるのか?
これも同様に計算してみましょう!
1%反発係数が上がると、0.5%くらい上昇することがわかります。
これは、ヘッド重量より期待が持てますし、振り感はそこまで変わらないと仮定すると、反発係数を求めることは良いことかもしれません。


ですが待ってください!
反発係数にはルールがあります。
そして、各社このルールギリギリの値になるように、しのぎを削って狙ってきています。
つまり、現段階でルールギリギリの反発係数を、さらに1%以上上げるというのは至難の業ということがわかります。
ちなみにですが、パーシモン時代から反発係数の変化で期待されるボール初速のアップ度がどのくらいかというと、大体2%くらいと考えられています。

ですので、一発の飛びを狙うとしても、ヘッド重量や、反発係数の変化だけでは、劇的に飛ぶクラブにならないということがわかります。

そして、ここからがさらに重要で、上記しましたヘッド重量の影響や、反発係数の影響も打点の影響の大きさにはかなわないということなのです!

つまり、真芯(と言っても色々とあるのですが、、、)でとらえたうえで、その差がようやく、0.2などの数値になるということになります。

となると、最近では、10Kというようになった、慣性モーメントが大きい方が良いのでは? ということになってきますね!

もちろん、それも大事なことなのですが、打点はどのくらいズレても大丈夫かどうか?ということも認識していただいた方が良いでしょう。

10㎜くらい芯を外すと、ざっくりですが、ボール初速は0.6%くらい落ちます。
5㎜だと、0.15%くらいになる計算でしょうか?

ということは、初速を安定させるためには打点を5㎜半径くらいの中に入れておきたいと理解していただければ嬉しいです。
10Kだからと言っても、打点が15㎜も20㎜もずれてしまうと、初速は劇的に下がってしまいます。

ドライバーだけ打ち方を変えてもスコアにはならない……

そして、もう一つ申しあげておかないといけないのが、飛びの三原則の②③の要素、打ち出し角とバックスピンです。
この値を、ボール初速に対して最適化すると飛ぶ! ということは皆さんご理解いただけていると思います。
ですが、そもそも、その最適な数値というのは、どういうことから導き出された数値であるかご存じですか?

最初から数値が良いから飛んだ? ということではなく、飛んだショットを測定していき、理想の数値というのを導き出したということなんです。

そして、その飛んだショットはどんなショットだったのか?
はい。簡単に言うとナイスショットだったということになります。
禅問答みたいですみません。

ですが、きちんととらえられたボールは、ほぼ理想の打ち出し角とバックスピンになっているということになると考えていただければ、気が楽になるでしょうか?
もちろん、それよりも飛ぶ球筋というのも存在します。
例えば、理想の打ち出し角とバックスピンは12度の2500回転と言われていますが、16度の1500回転の方が飛ぶ方が多いです。

ですが、これは以前にも書かせていただきましたように、この16度の1500回転を目指そうとすると、かなりアッパー軌道にならないと難しいということがわかります。

となると、一発の飛びは出るかもしれませんが、スコアメイクのためのショットであったか? というとそこは言い切れなくなります。
例えば、そのアッパーブローで打ったスイングは、他のアイアンやFW、強いてはウェッジなどでは打たない打ち方となります。
そうなると、当方がこちらで書かせていただいているように、つながりという面では、スイングのつながり、が悪くなると考えていただけると嬉しいです。

なので、まずは、その理想の12度の2500回転が、出やすいスイングが理想と考えて欲しいです。
道具論なのに、スイング論?ということになってしまいますが、ここからが道具論になります。

つまり、普通に振って=極端なアッパーとか、ダウンブローなどにならずに、通常のティアップで、ややアッパーくらいの軌道になるようなスイングをしたとすると、その時のダイナミックロフトやスピンロフトによって、その結果が12度の2500回転になるようにクラブを選んでほしいというのがまずあります。

ヘッドスピード40m/sならドライバーの最適ロフトは何度

そして、その上で、飛距離アップを目指すということをテーマにしていきたいです。
今回は前提で話が終わってしまいましたが、次回は、この大前提を用いたうえで、どうしたら初速が上がるのか?に焦点を当てていきたいと思います。




ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。