魔法のクラブはない! 飛ぶクラブとは能力を最大限に発揮できるクラブのこと!【ダグ三瓶】
【アマチュアにとって飛ばせるクラブはコレだ!②】
まずはヘッドの重さをチェック
では、ようやく本題の飛ばすためには!を目指してみましょう。
ここで、前述したスピードのお話をしていきましょう。
やはり、スピードを出すためには、軽さが重要です。
重たいな~と思うものはどんなに頑張っても、自分の出せる最大のスピードには到達しません。
例えば、クラブをさかさまに持って(ヘッド側を持って)振ると、びゅーんと、今までの何倍もスピードが出ることが実感できると思います。(実際には1.5倍くらい)
つまりは、それくらいのスピードまでは、ご自身で出すことが可能ということをまずは認識して下さい。
実は、これがヒントになっていて、先が軽ければ軽いほど、スピードを出すことができるとご理解いただけると嬉しいです。
「軽い=総重量を軽く」が目的になってしまい、シャフトを軽くする方が多いのですが、それだと、どんどん先の重いクラブになってしまいます。
なので、まずは、ヘッド重量を下げることをやってみましょう!
では、どのあたりまでヘッド重量は下げても良いものなのか?
スピードだけで行けば、0に近ければ近いほど良いでしょう。
それでは、ボールに当たりませんし、当たったとしても、いわゆる当たり負けということになってしまいがちです。
あくまでも計算でしかありませんが、前回のヘッド重量、ヘッドスピードなどの計算式に入れて見ると、
Vb:ボール初速
Vh:ヘッドスピード
Mb:ボール重量
Mh:ヘッド重量
e:反発係数
Vb=(1+e)×(Mh/(Mh+Mb))×Vh
普段のヘッドスピードが40m/sの方が、もしヘッドの軽量化によってヘッドスピードを2m/s(5%)上げることができたとすると、ボール初速も同様に5%近く上昇します。
ヘッド重量を入れて見ると、ヘッド重量が200gから160gになったとしたら、ボール初速は約マイナス4.5%となります。
つまり、すでに相殺していることがわかるでしょうか?
もし、1m/sヘッドスピードが上がれば、180gにしても大丈夫です。
ここは、ボールスピードを上げたい場合の計算をしなければなりませんので、相殺以上の効果を狙いたいところ。
そうなると、現実的なのは、ヘッド重量185g~190gの軽量化で、ヘッドスピードを1m/s以上上げることを目指すのが良いのではないでしょうか?

振りやすいクラブは当てやすいクラブ
そして次に大事なのが、打点のコントロールです。
しっかりとフェースの初速が最大になるところに当てなければなりません。いわゆる芯を食うというやつですね。
つまり、ヘッドがコントロールされて当てたいところに当たるようにするというものです。
これは、ヘッドの大きさや、シャフト、クラブ長などのいわゆるクラブのスペックが重要になってきます。
みなさん、当たらないのは自分の技術のせいと考えがちですが、そんな方は、実は当たらないクラブを使っている場合が多いと考えています。
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スイングにマッチしていないシャフト特性、重量、長さが影響して、当たらないクラブになっている、もしくは当てるようになるには練習が必要、というものです。
この練習しなくては当たらないクラブが、まさしく、関根勤さんがおっしゃっていた「クラブに忖度しないといけない」ということなんです。
自分が動きたいように動いて、それで当たるクラブなんてあるの?と思われると思うのですが、それがフィッティングが必要である一番の理由になります。
つまり、きちんとクラブを自分の振りやすいようにフィッティングをすることによって、自分が思ったように振れるクラブ、でかつ、当たりやすいクラブになります。
振りやすい!となると、当てやすいになり、当てやすい!になると、もっと振っていくことができ、ヘッドスピードを上げることもできますし、芯に当たっているので自身の最大の距離が出しやすい、ということにつながっていきます。
長さももちろん重要です。
長い方が飛ぶのが常識ですが、それはきちんと当たってから始めて実現する現象です。
また、長い方が芯に当てにくくなってしまい、芯に当てようとして、逆にヘッドスピードも出ない方が多いです。
ご自身の限界の長さ=振りやすい長さとなり、その場合、長さの効果よりもヘッドスピードを上げることも可能になります。
ということで、ここまでを簡単にまとめますと、
飛ぶクラブ=ヘッド重量をなるべく軽くし、かつ自身の一番振りやすい長さ、振りやすいシャフト(重量、キックポイントなどなど)になっているもの
となります。
その上で、各社がしのぎを削っている、ヘッドの性能差を比べてみてはいかがでしょうか?
ご自身が一番スピードを出せて、かつ芯に当たるクラブスペックにすることで、初めてヘッドの性能差で飛距離差が生まれます。
ご参考まで!
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。

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