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「マスターズ」で初優勝のマキロイ 悲願のグランドスラム達成ができた理由とは

2025/04/14 ゴルフサプリ編集部

ついにマキロイが悲願のキャリアグランドスラムを達成。(写真は2025年マスターズ 撮影/Getty Images)

メジャーの今シーズン初戦「マスターズ」最終日(13日=日本時間14日、アメリカ・ジョージア州、オーガスタナショナルGC)は首位で出たローリー・マキロイが正規の18ホールでひとつ落としたものの、通算11アンダーで並んだジャスティン・ローズとのプレーオフを制して初優勝。4つのメジャー全てに勝つ「キャリアグランドスラム」を達成した。王手をかけてから11年での悲願達成は、人間力の成長にゴルフの神様がようやくご褒美を与えてくれた結果かもいしれない。

ダブルボギー4回で優勝は史上初 

2打差の首位でスタートしたマキロイは、1番パー4でいきなり3パットのダブルボギー。3打目がクリークに落ちた13番パー5もダブルボギー。初日の2回を含めて、4日間トータル4つのダブルボギーを叩いて優勝したのは史上初めてです。
18番パー4も決めれば優勝、の2メートルほどのパットが左に切れてボギーとしたことでプレーオフへ。
最後は1メートルのバーディパットを決めて決着。思わずグリーンに突っ伏す姿が悲願達成に11年を要した苦労を物語っていました。

王手から実に11年

マキロイは2011年の「全米オープン」でメジャー初制覇。
翌年「全米プロ」に勝ち、2014年の「全英オープン」優勝でグランドスラムに王手をかけました。
14年には「全米プロ」で2勝目を挙げた当時の勢いからすれば、すぐにでも達成できそうな雰囲気でした。
それが「マスターズ」に勝つのにセルヒオ・ガルシアの19回に次ぐ17回もの期間を要したのは何が原因だったのでしょう。

「人間力」に問題があった?10年前

王手をかけてから最初の「マスターズ」(2015年)は4位でした。
この約1ヶ月前。ドラールで開催された「キャデラック選手権」2日目の8番ホールで“事件”を起こします。
残り226ヤードの2打目を池に入れたマキロイは怒りのあまり使った3番アイアンを池に放り込んだのです。

ラウンド後の会見では「60〜70ヤードは飛んだかな。他のクラブだったら放り投げてないけど、3番アイアンはその後のホールでもう使わないから、やった」と悪びれずに?話していました。

この悪童ぶりでは“ゴルフの神様”は味方してくれなかったのかもしれません。

今年、1か月前に見せた「紳士的振る舞い」

一方、先月の「プレーヤーズ選手権」では月曜日に行われたプレーオフで人間的な成長を感じさせるシーンがありました。

16〜18番ホールの合計スコアで争うフォーマット。相手のJ・J・スポーンは池ポチャした17番でトリプルボギーを叩き、マキロイの3打リードとなりました。
18番パー4では、スポーンの長いパーパットは3メートルほどにしか寄らず。
マキロイは5メートルのパーパットが1メートルオーバーし、これを一度マークします。
ともにボギーパット残し、とはいえ3打差ですから、事実上勝負はついています。
通常ならスポーンがまずパットを打ち、マキロイのウイニングパットだけを残す、というのがある意味で儀式です。
この場面もそう思われましたが、マキロイはあっさりボールを置き直して、ウイニングパットを先に打って決めました。

正規のラウンドではなくプレーオフなので、スポーンは負けが確定した後はホールアウトする必要はありません。
3メートルのパットはそれなりに神経を使いますが、負けが確実な状況でそれをやらせるのは酷というものです。
それよりもさっさと自分がホールアウトした方がいい、という紳士的振る舞いでした。

ラウンド中はキャディの負担を減らす

マキロイはラウンド中にエネルギー補給のためにプロテインを飲むようにしており、この日も水筒を自ら持っているシーンが結構ありました。
水筒の容量が仮に1リットルだと、水分だけで約1キロ。アイアン2本分を超えます。
さらにしっかりした水筒はそれなりの重さがありますから、キャディバッグに入れるとそれだけ重量を増します。
オーガスタナショナルGCはテレビ中継や配信ではわかりにくいアップダウンがかなりあります。
日本でいう「丘陵コース」を超えるレベルのコースで月曜日の練習ラウンドからバッグを担ぐキャディとしては、それなりに重い水筒を自分で持ってくれるのはかなりありがたいことです。

王手をかけて初の「マスターズ」から10年かかっての快挙にマキロイは「呪いが解けた気分」と打ち明けました。
25歳から35歳というと、マキロイでなくても人間的に成長する時期でしょうか。
それを見ていたゴルフの神様が、「もう勝たせてあげてもいいか」と思ってくれてのグランドスラム達成かもしれません。

(文/森伊知郎)

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