こんなはずじゃなかった! 失敗しないドライバーの買い方。試打は必ず純正シャフトから!
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第64回

“吊るし”(既製品)としてお店で販売されているクラブの多くは、純正シャフトが挿さっている。カスタムシャフトばかりが注目されて忘れられがちな純正シャフトだけど、どういう意図で開発されているのか、カスタムシャフトとの違いは何なのか。カリスマフィッターの鹿又さんに聞いてみた。
ドライバーとアイアンで異なる純正(標準)シャフト事情
アイアンの純正シャフトって、カーボンシャフトは別として、スチールシャフトだと「NSプロ」シリーズや「モーダス³」シリーズだったり「ダイナミックゴールド」シリーズが入っていたり、アフターマーケット用と同じシャフトが入ってることが多いんです。モデル限定で、アフターマーケット用に出ているシャフトをベースに、例えば硬さや重さをアレンジしたモノを使う、というケースもありますが。とくにスチールシャフトの場合は、アフターマーケット用と同じモノが入ってることが多いので、今回は省略しましょう。
ドライバーの純正シャフトは違います。アフターマーケット用のモデルは“カスタムライン”には入っているけれど、“純正シャフト”としては採用されていません。あくまでも純正シャフトは純正シャフトとして作られています。また、アイアンのカーボンシャフトも、そのモデルの“純正シャフト”として作ってることが多いもの。アフターマーケットで売られているシャフトがそのまま入っているケースは少ないでしょう。

そのモデルのメインユーザーを想定して作られている
メーカーが純正シャフトを作るときに、ベースとして何を考えるかといえば、そのモデルの中心となるターゲットユーザーをちゃんと想定してくれているんです。そして、その中心のターゲットユーザーが飛距離や方向性や振りやすさというところで、満足度が高くなるように作ってくれている。それが純正シャフトです。
なので、ボクはよく「ドライバーを選ぶときに、まずは純正シャフトを打ってから“それよりどうするか?”と考えてください」と言っています。純正シャフトとカスタムシャフトがあって「純正シャフトがダメ」っていうことは、ボクはないと思ってるんです。ナゼなら、メーカーがそのモデルを発売するに当たって、テストを繰り返した中で開発しているので、大きくはズレてきません。
もっと言うなら、ピンというメーカーは、創業当時から何十年にわたりフィッティングに力を入れているから、純正シャフトのラインナップが一番多いんです。

カスタムシャフトを選ぶときの拠りどころになる
そのようにして作られた純正シャフトでは補えないことがゴルファー個々に出てくるし、求めることが変わってくるので、そのためにカスタムシャフトがラインナップされているんです。
例えば、純正シャフトよりもっと重たいシャフトのほうがパフォーマンスが上がる人であれば、カスタムシャフトに重たいモノが入っているので、そこから選べるし。キックポイントが違うモノを使いたかったり、そのほうが合うゴルファーならば、違うキックポイントのカスタムシャフトを選んだり。もう少しHSを上げたければ、HSを上げやすいカスタムシャフトがラインナップされていたり。そういうふうに、カスタムシャフトもパターンを変えて用意されてるはずなんです。
ヘッドのパフォーマンスを上げるためのシャフトなので、クラブを買い替えるときに、ボクは「純正シャフトを打って、そこから考えていく」という流れにしたほうが、そのクラブの良いところを引き出せると思っています。

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。
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