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「前澤杯」Vの小西たかのりはドライバーと5Wのシャフトが同じで3Wは違う、なんで?

2025/04/29 ゴルフサプリ編集部

日本男子ツアー「前澤杯」はプロ14年目の小西たかのりが初優勝した。6652ヤード(パー70)と短いコースを攻略するためにはティショットで様々な番手を使い分ける必要があったが、キャディバッグをのぞいてみるとドライバーと5番ウッド(W)のシャフトは同じだったものの、その間の3Wは特性も異なる別モデルだった。これはいったいどんな意味があるのか?(写真/森伊知郎)

「VENTUS」のTRブルー→黒→TRブルー

優勝した選手のキャディバッグの中身をチェックさせてもらうのは楽しいもの。
それが初優勝となると、予備知識もないことが多いのでなおさらです。

「前澤杯」でも小西のバッグをチェックしましたが、スペックを確認していると思わず「??」となりました。

ウッドはドライバーが「GT2」(タイトリスト)。
3Wは「RMX VD」(ヤマハ)の2022年モデル。
そして5Wは「パラダイム Ai SMOKE トリプルダイヤモンド」(キャロウェイ)でした。

さらにシャフトをチャックすると、ドライバーと5Wは「VENTUS TRブルー」で、その間の3Wだけ「VENTUS BLACK」( いずれもフジクラ)となっていたのです。

カスタムやリシャフトが普通になってきたことでドライバーとFWのシャフトを揃える人も多いかと思いますが、ウッド3本の真ん中だけ違うモデルというのはどういうことなのでしょう?

フジクラのホームページによれば、「VENTUS BLACK」は「PGAツアーで使用率1位を獲得するために、より叩けてバックスピン、弾道を抑えた元調子」となっています。

「VENTUS TR ブルー」は「BLACKよりも手元、中間部の剛性を抑えて設計された中元調子」「程よいつかまり感があり、手元から中間はBLACKより動く」といった説明が記載されています。

フレックスはドライバーが6X、3Wと5Wが7X 。

外ブラと国産 ヘッドの特性に合わせたシャフトで

特性がかなり違いそうなシャフトを組み合わせ。しかも3本のウッドの“真ん中”を異なるモデルにするとフィーリングが混乱しそうですが、これはヘッドの特性に上手く合わせているのではないかと思われます。

ドライバーと5Wは外ブラですから、パワーのある欧米人が叩いても左に行かないようにしている特性。
3Wのヤマハは説明するまでもなく国産メーカーで、程よい捕まりを売りにしています。

「左に行くのが怖い」

小西は2022年モデルの「RMX VD」について「球が上がって飛んでくれる」と手放せない理由を話すと同時に、シャフトをドライバーと5Wに同じにしないのは「左に行くのが怖いので」と説明してくれました。
程よい捕まりが特性のヘッドとシャフトを組み合わせたら、プロのヘッドスピードとパワーだと左にとんでもない球が出てしまうかもしれません。

左へ強い球が飛んで行くミスはOBなどの致命傷になりやすいのでプロや上級者は嫌がります。
3Wは捕まるヘッドを使いながらも「しっかり振れるので気に入って使っています」(小西)シャフトを組み合わせることで左へのミスを“消す”ことができます。

今平周吾と通算17アンダーで並んで迎えた18番パー4は、左サイドに大きな池が広がりますが、この場面でも左を怖がることなく3Wを振り抜いてフェアウェイをキープ。しっかりパーセーブして初勝利につなげました。
最終日はフェアウェイキープ率をトータルドライビングがともに9位。おもににティショットで使った3本のウッドのセッティングが正しかったことを証明しています。

熱心なゴルファーほど、リシャフトやカスタム時には注意を!

ドライバーとFWのシャフトは統一した方がいい、と言われています。
リシャフトやカスタムオーダーにお金をかけられる熱心なゴルファーほど、この定説に従いながらも、ヘッド個々の特性を忘れてしまっているかもしれません。

昨今はドライバーとウッド合わせて3本を同時に揃えようとしても軽く20万円を超えるので、モデルやメーカーが新旧バラバラというのは珍しくないでしょう。
せめてシャフトは統一したら、「捕まる×捕まる」というようなスペックになっているかもしれません。
特定の番手だけミスが多かったり、フィーリングが違ったら、ヘッドの特性も含めてスペックを再確認した方がよさそうですね。

(取材・文/森伊知郎)

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