得意な距離を残して勝負するのがレイアップ。ボギーでもいいやの消極的な考えじゃ乗らない寄らない入らない
今野一哉の『ゴルフあるある』解決ディスカッション【9】
安全策を選んだはずなのに、乗らない寄らない入らない。今回は、レイアップしたのにパーが取れず、ボギーすら危うい！ というあるある。蝶ネクタイを付けたプロコーチ・今野一哉にレイアップについて改めて教えてもらおう。
レイアップは攻撃的な選択肢だと捉えるべき
ゴルフサプリ 今回のゴルフあるあるのテーマは、2打目を刻んだのに3打目でチョロ、微妙な距離が残って結局乗らず寄らず、といった安全策を選んだのにまったく意味がなかった！ という、あるあるです。これよくあるんですよね、本当に。
今野 セーフティに行ったつもりが、全然セーフティじゃなかった。よく見る光景ですね。
ゴルフサプリ 先日も500ヤードのパー5で２打目がピンまで280ヤード残っていて、170ヤード先にクリークが横切っていたんで当たりの怪しいスプーンで越えようとせずに160ヤード打ってクリーク手前に運んだんです。
今野 2打目はうまく行ったんですね。
ゴルフサプリ はい。それで、残り距離が120ヤードだったんですけど、そこから打ち上げだったので130ヤードは打たないと乗らない。グリーン手前右サイドはバンカー、左サイドは左に急傾斜していて、外したらボールが落ちていってしまう状況だったんです。
今野 そこで、もう1度刻んだんですか？
ゴルフサプリ いえ、130ヤードなら乗るかもって考えて8番アイアンで３打目を打ったら、当たりが薄くてバンカーにつかまりました。で、そこから乗らず、寄らずで、結局ダボ叩きました。
今野 3打目で選択ミスしてしまったわけですね。普段、130ヤードをグリーンに乗せられる確率はどのくらいですか？
ゴルフサプリ 5回に1回乗れば、というくらいですね……。
今野 であれば、3打目でレイアップするべきだったかもしれませんね。130ヤード残った時点で、3オン2パットを忘れて、ボギー寄りのパーを狙って4オン1パット、悪くても4オン2パットのパー寄りのボギーという選択肢です。
ゴルフサプリ 考えが足りなかったということですね。
今野 シングルプレーヤーやプロのレイアップに対する考え方は、バーディの確率を3打目で上げるためのもので、パーやボギーでいいや、とはならないんです。リスクのある選択肢を取らずに、パー寄りのバーディを取りに行く。それがレイアップの考え方です。
ゴルフサプリ なるほど。レイアップは消極的な選択肢ではなく、どちらかといえば攻撃的な選択肢と捉えるべきなんですね。
得意な距離と番手を把握してレイアップの準備をしておこう
今野 僕の場合、確実にスコアを良くする方法を考えた時、寄せワン率の高いグリーン周り30ヤード以内のエリアと、フルスイングでバーディチャンスを作りやすい80～100ヤードのエリアを残そうと考えます。
ゴルフサプリ 確実に乗せられる、寄せられる距離を残すということですね。
今野 はい。それから、僕の場合は40〜70ヤードはスコアにならない、ビトゥイーンの距離だと感じていて成功率が低く、優位性のないレイアップになります。
ゴルフサプリ 30ヤード以内は寄せワンを狙えるけど、40ヤード以上になると寄せワン率は減り、3パットの可能性が高くなるということですか。
今野 はい。僕にとって、40～70ヤードは3パットで終わってしまう距離なんです。そこにスコアの溝があり、そこから2パットの確率がぐんと上がり始めるのは100～110ヤードぐらいです。中途半端な距離は練習で作り込みがされていないので、プレッシャーもあって確率が落ちるわけです。
ゴルフサプリ たしかに中途半端な距離は、プレッシャーありますね。
今野 2打目で、どちらを狙うか明確にして、確率の高いポジションを考えるべきです。ピンポイントにポイントを決めてレイアップすることでミスを減らすことができます。
ゴルフサプリ セカンドショットの思考を一段階上げて、 ３打目で自信を持てる距離なり番手が打てるようにするのがレイアップということですね。
今野 120ヤード地点に良いフェアウェイがあれば、そこを２打目のゴールとして、ゆるみのない打ち方をします。それで、 ３打目で得意な距離が残ればパーが取れる、と思える。そういうプランの立て方が重要です。もう一段、踏み込んで考えれば、技術がスコアに噛み合う組み立て方ができるようになりますよ。
ゴルフサプリ 分析、考えが足りないということですね。
今野 最近の練習場はトップトレーサーやトラックマンレンジがあり、計測器を使って自分にとって成功確率の高い番手を探すことができます。5球続けてグリーンに乗せられるのは何ヤードの何番アイアンかを把握しておくこと。それが、レイアップ用の準備になるんです。
ゴルフサプリ 自分にとって優位性のある距離、番手を把握することが大事なんですね。
今野一哉（こんの・かずや）
JGTOツアープレーヤー。18GOLFプロデュース / キッズゴルフ代表。アマチュアゴルファーの指導やジュニアゴルファーの育成に力を注ぎながら、各ゴルフメディアで活躍中。蝶ネクタイスタイルはゴルファーへ「サービスし、尽くす」と言う意味を表す。
前半スコアが良かったのに後半はダメになる！ は当たり前。ゴルフには平均の法則が働いている？
今回のゴルフあるあるは、前半のスコアは良かったのに後半はダメ。なぜ前半のようなプレーが後半にもできないのか？ 蝶ネク...
待ちチョロはどうしたら防げる？ 打つまでの待ち時間はハッピータイムだと考えてみて！
混雑しているゴルフ場では、前の組が詰まっていて打つまでの待ち時間が長くなってしまうことがある。ようやく前が進み、満を...
ミスショットの後の打ち直しはどうしてナイスショットになるの？ そもそも1球目から良い当たりにするにはどうすればいい？
ゴルファーなら聞いたことのある定説や風説を取り上げ、「なるほど」とゴルファーが納得できる答えを蝶ネクタイを締めたプロ...
