知っているとカッコいいかも。スマートゴルファーなら身に付けておきたい“バンカーでの正しい作法”
ゴルフのルール&マナー

皆さんが苦手としているバンカーショット。上手くなるためには時間がかかるかもしれませんが、その前に、“バンカーでの正しい作法”だけでも身に付けておきませんか? ミスショットをしても怒られることはありませんが、間違った作法を見かけた途端、機嫌が悪くなる人もいるのです。今回は、最低限覚えておきたいバンカーでの作法をお教えしましょう。
バンカーは土手が低くて、ボールが近いところから入るのが基本の“き”
バンカーにボールが入ると、「どうやって脱出するか」ということばかりに気を取られるものですが、ナイスショットを打つことよりも大事なのが、バンカーでの作法を守ること。少なくとも、「バンカーへの入り方」「砂のならし方」「バンカーレーキの置き方」はしっかり身に付けておきたいところです。
バンカーに入るときの注意点
バンカーに入る際に気を付けなければいけないのは、「土手が低いところから入る」ことです。その理由は、土手が高いところは急斜面になっているので、ケガをする危険性があるからです。また、高いところから入るとバンカーの縁が崩れてしまう恐れがあります。“バンカーを守る”という観点からも低いところから入りましょう。
また、「打つ方向(グリーン方向)から入らない」というのも鉄則です。もし万が一、バンカーショットを失敗した場合、自らの足跡にボールが入り込んでしまう場合があるからです。
さらにもう1つ、ボールの近くから入るというのも基本です。遠いところから入ると、その分、足跡で砂を荒らすことになるからです。
基本的には、まず土手の低いところを見つけ、その中から最もボールに近いところを選んで入るようにしましょう。
なお、縦に長いバンカーでミスをして、同じバンカー内の数メートル先にボールが残ってしまった場合は、状況にもよりますが、ボールの位置までバンカー内を歩くのではなく、一度バンカーをならしてから外に出て、ボールの近くの土手が低いところから入り直すようにした方がいいでしょう。
バンカーのならし方
バンカーから脱出したあとは後続のプレーヤーのために、バンカーレーキ(以下レーキ)を使って元の状態に戻すわけですが、その「ならし方」にも作法があります。
まず、ならす場所ですが、ボールが転がった跡、打ったときにできた穴、スタンスをとったときの足跡などをきれいにならしましょう。もしスタンスをとるときに穴を深く掘ってしまった場合は、レーキを使う前に、足で砂を寄せ集め、穴を埋めておくことをオススメします。
ならす方向に関しては、フェアウェイバンカーならそのホールと平行に、ガードバンカーの場合は、ピンに向かってならすのが基本です。
次にレーキの使い方です。最初にギザギザの部分を使って、バンカー全体をならし、そのあと平らな面を使って凸凹や盛り上がったところを平らにしましょう。このとき、「押して引く」のがならし方のコツ。押したときに凹凸を崩し、引くことによって向こうに溜まった砂を戻すようにしましょう。
最後に、レーキで自分の足跡を消しながら、バンカーに入った場所に向かって後ろ向きに歩きましょう。この作業を軽減するためにも、「入ったところから出る」「バンカー内ではできるだけ足跡が広がらないようにする」ことを意識しましょう。
レーキの置き方
バンカーの近くには必ずバンカーをならすためのレーキが置いてあります。その置き方には2通りあって、一般的なのはバンカーに並行するように置いてある「外置き」。もう1つは、頭の部分のみ縁と平行にバンカーの中に入っていて、柄の部分は外に飛び出している「内置き」です。どちらを採用するかはコースによって異なるので、バンカーの近くに行ったら置き方を確認し、使い終わったらその通りに戻しましょう。なお外置きの場合は、頭の方をグリーンに向けることを忘れずに。
また、バンカーショットをする際は、レーキを持ってバンカー内に入りましょう。ゴルファーの中には、バンカーショットをしてからあたふたとレーキを取りに行く人がいますが、それだと時間がかかるし、足跡の数も増えてしまいます。ただし、レーキをバンカー内に置くときは、そっと置くように。レーキの先で砂をいじったりすると、砂の状態を確認したとみなされて2罰打が科されるのでご注意を。
以上は、あくまでもマナー&エチケットです。ルールとして決められているわけではないので、やらなかったからといってペナルティーが科されるわけではありません。とはいえ、やらなければ“ゴルファー失格”の烙印を押されることもあります。あとからやってくるプレーヤーのことも考えて、きちんとできるようにしておきましょう。
真鍋雅彦
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。

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