日本ツアー時代からパター巧者だった山下美夢有は、当時から1本のエースパターを長く使うタイプではなかった。シーズン中に何度もパターを変えながら優勝を重ねて年間女王になった。2度目の年間女王になった2024年も1年間で5本以上のパターを投入していた。
今年から本格参戦した米国ツアーでも、わずか半年で5本以上のパターを使っている。
振り返ってみると2月の開幕戦から4月まではオデッセイの『2Ball-TEN』。『2Ball-TEN』は昨年も使っていた馴染みのあるパター。序盤戦でもトップ10に入るなど成績を残していたが、5月1週の「みずほアメリカズオープン」からオデッセイの『Ai-ONE ♯7 DB』にスイッチした。フェースは市販品と違うブラック系のインサートにしていた。
6月の「全米女子オープン」ではまさかのレディスモデル『ストロークLAB ONEレディス』を投入。山下がブレードタイプを使うのは約4年ぶりのこと。さらに驚いたのは3週間後の「全米女子プロゴルフ選手権」。この試合では大手パターメーカーではなく、米国の地クラブメーカー『BURKE GOLF(バークゴルフ)』のパターを使った。モデルは『TM32 ブラックプロトタイプ』で、結果は今季メジャー最高となる6位。
PGAツアー優勝経験者が開発を担当する「BURKE GOLF」
『BURKE GOLF(バークゴルフ)』はPGAツアー2勝の実績があるキース・クリアウォーターが開発アドバイザーを務めている。パターは全て完全削り出し製法。自社工場で1本ずつ作られており、10万円以上するパターがほとんど。
このパターで結果が出たことによって、このままエースパターになるかと思われていたが、そうはならなかった。6月中にテーラーメイドの担当者に「スパイダー ツアーX」を依頼。それが届いたのが「ダウ選手権」の2日目だった。「ダウ選手権」の3日目から新パターを投入すると、翌週の「アムンディ エビアン選手権」でも14位、「スコットランド女子オープン」でも上り調子。その勢いのまま「AIG全英女子オープン」でメジャー制覇の快挙を達成した。
ちなみに山下が使っている「スパイダーツアーX」は、世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーが使っているのと同じLネック(クランクネック)。
「重い方がストロークしやすい。日本では秋が得意だった」
かつて山下は自分のパター選びについて次のように語っていた。
「パターは重いほうがストロークしやすいと思っているのですが、なかなかグリーンに合わなかったりもするので、色んなものを試していこうと思っています。(日本では)春先の試合ではどのパターを使っても距離感が合わないのですが(笑)、秋ごろになると徐々に距離感が合ってきます」
ウェールズで開催された「AIG全英女子オープン」。もしかして、日本の秋の芝に近かったのかも!?




