タイトリスト「T100」&「T150」アイアンをラウンド試打! 高さをキープしつつ半番手飛ぶようになってる!
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。少し前に発売になったタイトリストのTシリーズアイアン、実は僕は前作の「T150アイアン」を使っていたので、今作ではどこが進化したのか興味津々。デザイン的にはあまり変わっていない感じがするので、正直あまり変わってないんじゃないの? と思ったり。ってことで、デザインが似ている「T100アイアン」とともにコースで打ち比べてみました。
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
見た目はあまり変化がないけど、進化はどこで感じられる?
タイトリストの新しいTシリーズが発売になり、かなり売れ行きは好調のようです。特に「T250アイアン」が人気のようなのですが、確かにデザインは前作よりもかなりカッコよくなっているので、売れる理由はわかります。「T100アイアン」と「T150アイアン」もなかなかの売り上げらしいのですが、デザイン的には前作とかなり似ている。それでも新作ということは、どこかが進化しているということなのでしょう。一体どのくらい進化しているのかラウンドで使って検証してみました。
まず「T100アイアン」ですが機能的には前作よりも7番でロフトが1度立って33度となり、飛距離性能が少しアップしています。これはツアープレーヤーからの要望が大きかったそうです。
そしてヘッド内部の高比重タングステンの分割配置と、番手別に最適化されたプログレッシブ・デュアルキャビティ構造により、飛距離の安定性と弾道コントロールを両立しています。
3番~7番アイアンに採用されたバリアブルフェース設計(VFT)が、ミスヒット時のスピードと打ち出しを安定化。加えて、ミドル~ショートアイアンには新設計のシャープなスコアラインを採用し、ラフやウェットコンディションのフライヤーのリスクがある場面でも、安定したスピンコントロールを可能にしています。
また3番・4番アイアンには新マッスルチャネルを搭載し、重心を下げて打ち出しと最高到達点を高め、さらにボールスピードも向上していますが、これは僕たち一般アマチュアにはあまり関係ないかも(笑)。
構えてみると、少し小ぶりでトップブレードもいい感じにシャープ。難しすぎるような感覚はあまり受けませんね。流石にプロの使用率が高いだけあって、とても構えやすいです。
打ってみると、打感はソリッドで手応えがバッチリと手に伝わってくるいい打感。柔らかさも感じます。弾道はかなり高めで、グリーンではしっかりと止まってくれます。飛距離的にはそこまで飛ぶ感じではないですが、前作よりもロフトが1度立ったことで少し飛ぶようになっていると思います。
ヘッドの操作性はかなり高く、上級者であればかなり球筋の打ち分けもできるでしょう。しかしミスヒットに対する寛容性は見た目よりも少し高め。多少の打点のズレならば、飛距離の落ち込みや左右へのブレは少ないと思います。
前作の「T100」も打っていますが、進化している部分というのは大きくはないものの、少しずついろんな部分での進化が感じられました。ロフトが立って飛距離が伸びているのに、弾道の高さは変わらないし、ミスヒットへの強さも少しだけ上がっているような感じ。総じて安定感がアップしているような感じを受けました。
そして「T150アイアン」です。こちらは形状的には「T100アイアン」と同じような感じながら、ほんの少しだけ大きくなり安心感が増しています。またロフトは7番で32度と「T100アイアン」よりも1度立っています。
ヘッド内部の高比重タングステンの分割配置と、番手ごとに最適化されたデュアルキャビティ構造により理想的な重心設計と抜群の安定性を実現。常に安定したキャリーと正確な弾道コントロールを可能にしています。
「T100アイアン」同様、バリアブルフェース設計(VFT)がフェース全体で安定したボールスピードと打ち出しを維持し、さらにミドル〜ショートアイアンに搭載されたシャープな溝が、ラフや濡れたコンディションでも安定したスピンコントロールを実現しています。
そして「T100アイアン」と一番違う部分は、7番アイアンまで採用された改良型マッスルチャネルを搭載していること。ロングアイアンの重心を低くすることで、ボール初速の向上と高弾道を両立しています。
構えてみると、印象的には「T100アイアン」とほぼ同じ。少し大きいと言われても、僕みたいな鈍感なゴルファーだと並べてみてやっとわかるくらいの感じ。バックフェースのデザインもほぼ同じで、「T150」という刻印を見ないと見分けがつかない感じです。
打ってみると、こちらはマッスルチャネルのせいか少しだけ軟らかさが増しているように感じます。そしてほんの少しだけ弾き感があり初速が早く感じます。弾道的には「T100」とほぼ同じくらいの高弾道になりますね。ロフトが立っているぶん飛距離も出ますが、高さもしっかり出るというのは凄いな〜と思います。飛距離もロフトの数字よりも少し飛ぶような感覚を受けました。僕が使っていた前作の「T150アイアン」よりも半番手くらい飛ぶような感覚。
操作性はほぼ「T100アイアン」と変わらないような印象を受けましたが、こちらの方が少し直進性が強い感じがするので、曲げ幅は少なめになるかも。その分、ミスヒットへの強さは「T150アイアン」の方が上なんじゃないでしょうか。
前作と比べて進化していると感じた部分は、まず飛距離が少し伸びているということ。しかし「T100アイアン」の時と同様に、弾道の高さは変わらないので、しっかり飛んでグリーンでは止まる性能になっていると思います。また寛容性についても少しだけアップしているように感じました。やはり「T150アイアン」は中上級者にとってとても扱いやすく、安定感のあるアイアンに仕上がっていると思います。
今回2025年モデルの「T100アイアン」と「T150アイアン」をコースで打ち比べましたが、どちらも前作よりも少しずつでずが、しっかりと進化していると感じました。「T100アイアン」はある程度の技術とヘッドスピードがあるゴルファーが少し球筋を打ち分けたりして使うのには最高のアイアンだと思いました。打感もいいので僕も使ってみたい気にはなりますが、個人的にはもう少し飛距離が欲しいな〜という感じ。
そして「T150アイアン」は少しクラブが飛ばしてくれて、操作性もありながら優しさも少し欲しいというゴルファーにピッタリ。僕が使うならこっちですね。打感もソリッド感は少ないものの、軟らかさを感じるので、結構好みです。一般的なヘッドスピードのゴルファーはこちらの方が扱いやすいんじゃないでしょうか。
しかし両アイアンともに、流石にタイトリストのアイアンというだけあって、本当によくできていると思います。デザインもとてもかっこいいしね〜。
今回紹介した以外にも「T250アイアン」や「T350アイアン」なんかもとてもいいアイアンなので、ぜひ一度フィッティングに行って、自分に合うものを見つけてみてください。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。
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