オデッセイ・パターが17年連続ツアー使用率No.1であり続ける理由(1/2)
~17年連続ツアー使用率No.1の絶対王者~
世界中のツアーで長年にわたり使用率No.1を記録しているパター界の最強ブランドである『オデッセイ』。日本ツアーでは男女トータルの使用率が17年連続の1位を記録しているが、なぜ『オデッセイ』はNo.1であり続けることができるのか。
オデッセイが No.1パターで あり続ける理由。
(1/2):~17年連続ツアー使用率No.1の絶対王者~
(2/2):ホワイト・ホットに隠されていた曲がらない秘密
カーボンとスチールを融合したシャフトの開発は4年前から
『オデッセイ』の歴史は革新的なテクノロジーの歴史でもある。2000年に誕生したウレタン素材のインサートにはじまり、『2-BALL』や『#7』などのヘッド形状、そして今年はシャフトでも新しいオデッセイ革命を起こした。
異質に見える革新のシャフトが王道になる日。
過去4度の取材で、約20年にわたり『オデッセイ』の開発指揮を執ってきたオースティ・ローリンソンが必ず言っていたことがある。それは「パターにもテクノロジーをもたらしたい」という哲学だった。
オースティは元々、90年代に大ヒットした『ビッグバーサ』などのクラブを担当していた開発者である。98年から『オデッセイ』を担当することになり、パターの開発で追求し続けたのもやはり革新的なテクノロジーだった。
「私は常に他のデザイナーに言っていることがあります。それはパターの性能や見た目における慣習を打ち破ることに挑戦しないといけないということです。最初は『2‐BALL』も異質に見えたかも知れません。しかし、『オデッセイ』において不安材料のあるプロダクトを市場に出すことは決してありません。ゴルファーにとっては今までの常識にないパターでも、発売前に徹底的にテストを重ねてゴルファーのパッティングを向上させるパフォーマンスがあると確信しているからです」
最新の『ストロークラボ』においても、オースティは絶対的な確信を持っていた。
「カーボンとスチールを融合させた『ストロークラボ』のシャフトのアイデアは4年前から取り組んでいました。当時は約20グラム軽くした超軽量シャフトを作り、その余剰重量をヘッドとグリップに再配分しました。しかし、スチールシャフトを軽量化すると十分な硬さが得られずにシャフトの直径が大きくなってしまった。そこでカーボンシャフトを使うことを思いついたのです。カーボンであれば軽くても、硬さがあります。その結果『ストロークラボ』では従来シャフトより約45グラムも軽量化しながら、軽量スチールより硬くて安定したシャフトが完成したのです」余剰重量となる約45グラムは、グリップとヘッドに配分されたのだが、そのメリットについてオースティは、
「グリップとヘッドに重さを配分したことで、カウンターバランスに近い効果でよりストロークの再現性を高めることが可能になりました」
実は、このストロークの再現性を高める狙いについて、最近の大型マレットタイプにはある課題があったとも語る。
「最近の大型ヘッドはヘッドが重いです。さらに軽量グリップをつけると、クラブバランスが悪くなっていたのです。だから、グリップ側に重さを配分することが最初のポイントでした。また、ヘッドが重くなったことで、ゴルファーが打つとシャフトがやわらかく感じてしまうようになっていました。そのやわらかさを解消するためにはより振動数が大きいカーボンシャフトが必要だったのです」
カーボンとスチールを融合させたテクノロジーに目が行きがちだが、それが開発のスタートではない。『オデッセイ』の開発は常に『ストロークラボ』のようにゴルファー自身の再現性を高めることや、振り心地を良くするための課題からはじまっている。その結果、最新テクノロジーがゴルファーを助けてくれる。オースティに「なぜ、オデッセイは次々に斬新なパターを開発できるのか」と質問すると、
「それは異質なものに見えても、ゴルファーがそのユニークなパターでパッティングしなければいけない理由を軽視していないからです」
もしかするとゴルファー1人1人の悩みこそが、『オデッセイ』の新しいパターを生んでいるのかもしれない。だから、異質に見える新しいテクノロジーが、いつの間にか王道になっているのだ。
シャフトを軽く、ヘッドとグリップを重く
シャフトを約45グラムも軽量化し、グリップ側に約30グラム、ヘッド側を約15グラム重くしたことで、クラブ全体の慣性モーメントを大幅に高めた。
今年の『ストロークラボ』は日本では3代目のシリーズ。この名称はロボットテストなども行うオデッセイの開発部門から生まれたシリーズとして“ラボ”という名称がつけられた。
1998年から開発の指揮を執るミスター・オデッセイ
キャロウェイゴルフパター開発責任者
オースティ・ローリンソン
91年にキャロウェイゴルフに入社。98年から『オデッセイ』のデザイン責任者としてヘッドの開発に携わり、パターに関する数多くの特許も取得。約20年間にわたり開発責任者を続け、“ミスター・オデッセイ”とも呼ばれる存在。
GOLF TODAY本誌 No.566 105〜107ページより
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