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オデッセイ・パターが17年連続ツアー使用率No.1であり続ける理由(2/2)

ホワイト・ホットに隠されていた曲がらない秘密

2019/11/14 ゴルフサプリ編集部

世界中で『オデッセイ』が爆発的な人気を獲得するきっかけとなった2000年の『ホワイト・ホット』。独特なソフトな打感が多くのゴルファーから高く評価されたが、実はその利点はやわらかい打感だけではなかった。

オデッセイが No.1パターで あり続ける理由。
(1/2):~17年連続ツアー使用率No.1の絶対王者~
(2/2):ホワイト・ホットに隠されていた曲がらない秘密

ソフトな打感だけではない!ホワイト・ホットに隠されていた曲がらない秘密

マイクロヒンジとホワイト・ホットを融合した最強フェース

前作の『マイクロヒンジ』ではフェース面のヒンジ部分(爪型)が303ステンレスだったが、『ホワイト・ホットマイクロヒンジ』では17-4ステンレスにして強度を上げたことでさらにスムーズな順回転を実現。また、1つ1つのヒンジを約3倍にして、ヒンジ間のスペースを広げて補助素材を入れることで『ホワイト・ホット』の打感を融合した。

プロゴルフの世界には「パットイズマネー」という言葉があるくらい、ツアープロにとってパターは最も重要なクラブでもある。発売から約20年が経っても『ホワイト・ホット』を求める現役選手は多いのだが、その理由はやわらかい打感だけではない。日本のキャロウェイゴルフで商品開発のディレクターを務める寺門広樹に話を聞くと、
「実は金属系のフェースでは、ボールとの摩擦係数が小さいので、特にミスヒットした際にはインパクトの瞬間に滑る現象がありました。しかし、ボールと同じ素材を使った『ホワイト・ホット』ではその摩擦係数が大きくなることで、ミスヒットしたときでも方向性のズレが少なく、距離のロスも少なくなる効果があったのです」

この『ホワイト・ホット』以降も『オデッセイ』ではインパクトの瞬間に注目したテクノロジーを追求してきた。06年の『XG』ではフェース面上にテクスチャーを入れて、10年の『メタルX』からは楕円状のテクスチャーが入ったプレートをつけた。その効果についてオースティは、

「これらのテクスチャーは、すべて早く順回転にするためのテクノロジーです。パッティングには2つの時間(フェーズ)があります。それはインパクト直後にスキッドという横滑りをする時間と、その後の順回転で転がる時間です。順回転をはじめるとボールはスムーズに転がりますが、スキッド期間は芝の影響で跳ねたり、スピードも不安定になります。それを限界まで抑えるために開発したのが

『マイクロヒンジ』です。これはフェース面上に爪のような突起物をつけることで、スキッドの時間を限界まで短くして、より早くボールが順回転になるテクノロジーなのです」

実は今年の『ストロークラボ』は『ホワイト・ホット』の打感と『マイクロヒンジ』を融合した現時点でオデッセイ史上最強のフェースになっている。日本の男女ツアーではトータルの使用率が17年連続で№1になっているが、今年の使用率は約60%近い驚異的な数字を記録。『オデッセイ』は№1ブランドとなっても、テクノロジーで目に見える進化を続けている。だからこそ、№1であり続けることができるのだろう。

約20年、進化を続けている樹脂インサート

2000/WHITE HOT

2000年に誕生した『ホワイト・ホット』が画期的だったのは、ボールのカバーと同じウレタン系の素材で作られたこと。このフェースインサートの効果で、『オデッセイ』は世界中で大ヒット。

2003/DFX

『ホワイト・ホット』に比べて、少し硬く設計した『DFX』は打球音が少し大きめで打感がしっかり系。同じウレタン系でも『ホワイト・ホット』とは違う『ストロノミック』と呼ばれる素材を使用。

2004/WHITE STEEL

世界中のツアーで『オデッセイ』愛用プロが急増し、その中で「もっと硬いフェースを」というリクエストに答えて、フェース中央にスチール素材を入れた『ホワイト・スチール』。

2006/WHITE HOT XG

当時は4層、5層構造のボールなどが発売されてボールの中間層が硬くなっていった時代。そのボールに合わせて『XG』では2層構造にして、ボールの硬さを吸収しつつ、ソフトな打感を追求。

2006/WHITE HOT XG TOUR

前年の『XG』より硬めに設計した『XGツアー』。実はこの『XGツアー』では、その後にもつながるフェース面にテクスチャーを入れて、ボールの転がりを良くするテクノロジーを導入している。

2009/WHITE ICE(TOUR PROTOTYPE)

2層構造になっていて、内層部分にはエラストマー、外層部分にウレタンブレンドの素材を使用。弾性率の高いエラストマーの効果で転がりが良く、外層のウレタンでソフトな打感を実現。

2012 /Metal X

表側にアルミ素材、裏側にウレタン素材を使った『メタルXインサート』。特にアルミ部分の表面を楕円型のテクスチャー構造にすることでインパクト直後のスリップを抑える効果があった。

2013/WHITE HOT

白と黒のコントラストをつけた『ヴァーサシリーズ』に採用されたインサート。最新ボールに合わせながら、初代『ホワイト・ホット』に近い打感が好評。フェースが黒いバージョンもあった。

2014/FUSION RX

ウレタン素材の上に、網目状のステンレスプレートを装着した『フュージョンRX』。スピンやボールの打ち出し角を安定させる効果があっただけでなく、澄んだ打球音も印象的だった。

2015/WHITE HOT RX

『ホワイト・ホット』よりもソフトな打感にした『ホワイト・ホットRX』は、内側にソフトなウレタン、外側にしっかり感のウレタンの2層構造。『メタルX』で採用された楕円型テクスチャーを継承。

2017/MICRO HINGE

新開発されたマイクロヒンジは、フェース面上にステンレスプレートで爪型のヒンジがある。その効果によってインパクト後にすぐに順回転に移行できるようになり、芝目の影響を最小限に抑えた。

2018/WHITE HOT MICRO HINGE

最新モデルの『ストロークラボ』や18年に発売された『EXO』に採用された『ホワイト・ホットマイクロヒンジ』は、マイクロヒンジのテクノロジーにホワイト・ホットの打感を融合した。

世界中のツアーでストロークラボ愛用者が急増!

米国ツアー、日本ツアーでは契約外の選手でも『ストロークラボ』を愛用する選手が増えている。

フィル・ミケルソン Phil Mickelson

長年、愛用している『ヴァーサ』のヘッドに、昨年11月頃からシャフトだけ『ストロークラボ』にしたミケルソン。そのコンビで今年の「マスターズ」にも挑んでいた。

上田桃子 Ueda Momoko

なかなかクラブを変えない上田桃子だが、シャフトを『ストロークラボ』にした「Tポイント×ENEOS」で今季初優勝を挙げると、「ヨネックスレディス」でも優勝を飾った。

ザンダー・ シャウフェレ Xander Schauffele

米国ツアーでも多くの選手が『ストロークラボ』を愛用しており、「マスターズ」で2位、「全米オープン」でも3位と活躍したザンダー・シャウフェレも『ストロークラボ』を愛用している。


オデッセイが No.1パターで あり続ける理由。(2/2)


GOLF TODAY本誌 No.566 108〜109ページより

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