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目澤秀憲が解説!東京オリンピック注目ゴルファーのドライバースイング連続写真(1/2)

13カ国18人の代表候補スイングを目澤秀憲が解説!次の金メダリストはこの中に!?

2020/04/28 ゴルフサプリ編集部

2016年リオオリンピック 金メダリスト ジャスティン・ローズ

日程は延期ながら開催は決定した東京オリンピック。前回大会のリオオリンピックからゴルフ競技が復活し、世界各国から国を代表するプロフェッショナルが一堂に会する一大イベント。その代表候補の選手の中から注目度の高い選手をピックアップし、連続写真でスイングの見所を解説。オリンピック先取りでこの夏を1番に楽しもう!

●TOKYO2020オリンピックまでじっくり研究!
連続写真で見る金メダルスイング(1/2)
連続写真で見る金メダルスイング(2/2)

目澤秀憲
めざわ・ひでのり
1991年生まれ。日大ゴルフ部で活躍後米国に留学しTPILevel2のライセンスを取得。16年には日本に数名しかいないLevel3を取得した。

各国から国を代表するプロゴルファーが集結するオリンピック。ゴルフファンには必見だ。
男子の出場人数は60名。オリンピックランキング15以内に同国の選手が複数いる場合は1カ国につきその中から上位4名までがオリンピックに出場できる。
  • 日本の芝は彼が1番理解していると思うので金メダル。マキロイとラームはゴルフゲームの総合力が群を抜いているので期待大ですね。

  • 自国開催での松山への期待。ローズとリーシュマンは序盤こそ調子は良くないがリオ五輪金メダリストの意地を見せて欲しい。

ローリー・マキロイのドライバースイング連続写真

ローリー・マキロイ
1989年生まれ。2007年プロ転向。175㎝/75㎏。米国通算18勝。内メジャー4勝

ヘッドと体の引っ張り合いが遠心力を最大にする

引っ張り合うことでミスの許容範囲が狭まる

まず注目したいのは、バックスイングで体とヘッドが引っ張り合うように遠くにあること。バックスイングでこの形を作れたら、あとはターゲットに向けて体を戻していくだけ。体とヘッドの距離が近いと、スナップを効かせようとしたり、タメを作ろうとしてミスが多くなってしまいます。彼ほどのパワーの持ち主だと、どれだけミスを減らせるかがポイント。より遠心力を使えるハンマー投げをしているようなスイングですね。

❶体とヘッドが引っ張り合うだけではなく、右股関節にしっかりと体重を乗せることによって、体が右にスエーするのを防ぐ。
❷筋力があるのはもちろんだが、アマチュアでも両腕をしっかり伸ばして上げることで遠心力が使いやすくなる。
❸体を回し続けるスイングだからこそ、溜まっていたパワーをフォローで大きく解放することができる。

ジョン・ラームのドライバースイング連続写真

ジョン・ラーム
1994年生まれ。2016年プロ転向。188㎝/101kg。米国通算3勝。その他6勝。

シンプルなクラブの使い方はトップでの手首の形にあり

体の回転でインパクトするだけ

彼のスイングは、基本的には背中の関節(肩甲骨)が硬い人向けのスイングです。しかし彼の場合はそれを逆手に取ったスイングになっています。ハーフウェイバックからトップに向かう時点で手首の形をインパクトの形にすることによって、トップで無理に上げないスイングができ、体の回転を使うだけのシンプルなスイングができます。もちろんパワーがあり背も高いラームだからこそできるスイングですね。

❶ハーフウェイバックからトップへかけて、左手首を内側に曲げることにより、他にムダな動きをさせないスイング。
❷インパクトまでは、体の回転に手元、クラブがついて行くようなスイング。右お尻のポケットが回転していることから、体の回転を重視したダウンスイング。
❸勢いよく回転した体を左の股関節がストッパーになることで、クラブが前へと走り大きなフォローができる。

ルイ・ウーストハイゼンのドライバースイング連続写真

ルイ・ウーストハイゼン
1982年生まれ。2003年プロ転向。178㎝/72㎏。米国通算1勝(内メジャー1勝)その他8勝

腕をターンさせることで体に負担のないスイング

腕を上手く使い、体を突っ張らせない

右手をウィークに握ることでフェースを上に向かって使い、高い球を打つことよりも低い球を打つことに特化したグリップ。風の強い欧州ツアーで活躍してきた選手ならではですね。あとはトップではヒジを曲げることで体を大きく回さなくても良いスイング。ダウンスイングでも体を左にスライドさせることで体の回転を極力使わずにクラブを解放させています。長くツアーで戦えているのは体に負担をかけていないことに特化したスイングだからと言えますね。

❶バックスイングは体の回転とともにクラブを上げていくが、トップでは体を大きく捻らずにヒジを曲げることによって大きなトップを作っている。
❷ダウンスイングで頭を右にズラすことにより、ヘッドもインサイドから下ろしやすくなる+体を回転させずともヘッドは大きなフォローを描く。
❸フォローからフィニッシュにかけては、ヘッドの動きに体の回転が後からついていく。無理に体を先行させて使わないことが特徴。

ブルックス・ケプカのドライバースイング連続写真

ブルックス・ケプカ
1990年生まれ。2012年プロ転向。185㎝/82㎏。通算日本2勝、米国通産7勝(内メジャー4勝)その他1勝

球へと伝えるパワーを両股関節が全力で受け止める

体の軸が全くズレないからミスもミスにならない

ブルックス・ケプカ選手もクラブと体が引っ張り合うようなバックスイング。この時に注意したいのが体を右にスライドしてしまうこと。引っ張り合う前に体の軸がズレてしまいます。そこで左ワキ腹をベント(曲げる)ことで、体の軸はそのままにバックスイングできます。そして、彼の場合は球に伝える全てのパワーを股関節で受け止めることによってパワーロスの要素が1つもない事がポイント。これが体の軸を生むことにもつながり、軸が常にあることで、大きなミスになりません。

❶肩関節が柔らかいからこそできる動きだが、腰のベルトは回転せずに肩を回すことによって、右股関節にパワーを溜めることができる。
❷インパクトにかけて、曲げていた両ヒザを縦に伸ばす。ヒザも左右に振るのではなく、タテの動きを使うことで軸ブレをなくす。
❸バックスイングだけではなく、フォローでも右ワキ腹をベント(曲げる)ことによって、体をスライドさせない。

ジャスティン・トーマスのドライバースイング連続写真

ジャスティン・トーマス
1993年生まれ。2013年プロ転向。178㎝/66㎏。米国通算12勝(内メジャー1勝)

ベルトの上下動をさせない地面反力代表選手

右腰が浮かないから、足を全力で使える

スイングの中で特徴的なのが足の使い方。地面の蹴り上げるパワーはPGAで1番。地面を蹴ることによって起こるのは、上半身も一緒に起き上がってしまうこと。それを防ぐためにはベルトを見ると良く分かりますが、右腰を全く上下させることなくインパクトまで腰を回転しています。上半身が起き上がらないことによってインパクトで体の丸さをキープしながら足を使うことができるのです。

❶手元が高い位置にあるハイトップ。ダウンスイングでスイングアークを大きく使えるので、アッパー軌道のスイングになりやすい。
❷右足がインパクトにかけて前に出るが、体の丸みをキープすることによって、フォローで振り切ることができる。

パトリック・リードのドライバースイング連続写真

パトリック・リード
1990年生まれ。2011年プロ転向。182㎝/90㎏。米国通算8勝(内メジャー1勝)

リストターンを使ってフェースの開閉でドローを打つ

ドローに特化したずっと変わらないスイング

左手のグリップをウィークに握ることによって、トップでフェースは大きく開きます。その開いたフェースをしっかりと右手を使って返していく。彼の中でリストターンはかなり重要なものだと思います。体を大きく動かさずにインパクトで頭を右に残す動きもリストターンと合わせて使うことによって、ドローボールを打ちたい気持ちが伝わってきますね。効率は良くないですが、最大飛距離を狙うよりも堅実にドローボールを打っていける。彼の意思の強さが現れたスイングです。

❶左手をウィークに握ることによって、トップでフェースはオープンになる。
❷体の回転もスライドも大きく使わずに、リストターンに注力したスイングでダウンスイングから右手を使ってフェースを返していく。
❸インパクトからフォローにかけて頭を右にズラすことで、よりフェースローテーションを使うことができる。

アダム・スコットのドライバースイング連続写真

アダム・スコット
1980年生まれ。2000年プロ転向。185㎝/75㎏。米国通算14勝(内メジャー1勝)その他12勝

右骨盤の上で体を回転、 腰への負担が少ないスイング

クラブと体をセットに動かす

アダム・スコット選手のスイングを本人に聞いたことがありますが、スイングの形などはあまり気にせずに、いかにリズムよくスイングできるかが大事だと言っていました。リズムよくスイングするには、体に大きな負担をかけないスイングをすることが大切になってきます。トップで、無理に右股関節で受け止めようとせずに、クラブと一緒に腰も回し続けることで腰への負担を減らせています。良い意味で体とクラブの引っ張り合いが無いと言えるでしょう。

❶少ないコッキングで体を回すことによって手首や肩への負担が少なくなる。
❷右ヒジを体に引きつけながらダウンスイングすることで、インサイドからヘッドを下ろすことができる。
❸クラブと一緒に腰も解放させることで体への負担が少なくなる。

マーク・リーシュマンのドライバースイング連続写真

マーク・リーシュマン
1983年生まれ。2005年プロ転向。188㎝/91㎏。米国通算5勝、その他1勝

左足一軸スイングで上下動を力に変えるスイング

ドロー打ちに特化した一軸スイング

今主流となっているスイング理論とは真逆のスイングですが、自分のゴルフスタイルを1番良く理解しているスイングでもあります。それが特に現れているのが、体重移動が極端に少ないこと。トップで左お尻に体重をかけて、インパクトでそのお尻を真上に引き上げる。この動きを使うことによってクラブは自然とインサイドから下りてきます。そして、フォローで右手を使ってヘッドを返すことで腰を回転させずともドロー回転のボールが打てるのです。

❶ニュートラルグリップに両肩が地面と平行であることから、バックスイングではヒジを曲げて体を右に倒す動きが出る。
❷左お尻を真上に引き上げる動作と同じタイミングでクラブがインサイドから下りてくる。
❸腰は左に流れるが、回転は全く無い状態。ここでヘッドを返すために右手をフルに使ってフェースローテーションをしている。

撮影トーナメント/ZOZOチャンピオンシップ
ソニーオープンインハワイ
ダンロップフェニックスゴルフトーナメント
ジェネシスオープン
アーノルドパーマーインビテーション

GOLF TODAY本誌 No.575 46〜57ページより


TOKYO2020オリンピックまでじっくり研究!連続写真で見る金メダルスイング(1/2)


(2/2)へ続く

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