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「ミスした際、うまく対処できずドツボにはまる」「同伴ゴルファーの助言を聞いたらボロボロに」そんな時、どうする?
スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.12
コースを上手に攻略し、スコアをうまくまとめるには、「ゴルフはミスのゲーム」ということを前提として考えよう。いいショットを打つだけが練習ではない。そこをちゃんと理解すれば、様々な状況対応力が身につき、コースマネジメントの能力がアップする。
【マネジメント編】「リカバリー能力」を上げることが上手なマネジメントに直結します
遊び感覚の練習がリカバリー能力のアップにつながる
ショット能力の高いAさんとBさんの2人のゴルファーがいるとしましょう。Aさんは70台のスコアを出せるレベルですが、Bさんは90の壁をなかなか破れないでいます。AさんとBさんの違いは何だと思いますか?
答えは「リカバリー能力」です。ショット能力がどんなに高い人でもミスをします。ミスをしたときにうまく対応できるかどうか。その差がスコアの差となって表れます。
コースマネジメントが上手な人は、リカバリー能力も備わっていることを理解してくださいね。リカバリーでミスしないためには、リカバリーショットの技術を磨くことが大切ですが、難しい練習なんて必要ありません。林からの脱出を想定して7番アイアンで50ヤードくらい低くコロがすとか、8番アイアンのフェースを開いてうんと高い球を打つなど、遊び心で色々な球を打つ練習をするといいですよ。
トーナメントプロたちは練習するとき、思いつきで色々な球をよく打ちます。いかに練習場で遊び感覚の練習ができるか。これが技術力のアップにつながりますし、コースプレーでも色々な状況に対応する力がつきます。
「こんな球を打ってみよう」
というイメージして打つ練習で、自分の技術のバリエーションがどんどん広がります。林からの脱出にしても木と木の間からフェアウェイにポンと出すだけではなく、次のショットで得意の100ヤードを残したいからフェアウェイのあの辺まで運んでおきたいという場面など、「あのとき練習した、こんな感じのショットが役立ちそうだな」という具合に応用できるようになりますよ。
伊能恵子
(いのう・けいこ)
千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。
【メンタル編】Q.「プレー中に助言されるとボロボロになってしまいます」
他人のアドバイスを試すならラウンドを終えてからにしよう
ラウンド中にミスが続けて出たときなど、同伴のゴルファーが親切にアドバイスしてくれることがよくありますよね。競技会ではルール違反ですが、プライベートゴルフでは暗黙の了解となっているのが一般的といえます。
上手なゴルファーからのアドバイスは有り難いことですが、言われたとおりにして好転する場合もあるとはいえ、今までできていたこともできなくなって、かえってスイングがボロボロになってしまうパターンがほとんどといっていいでしょう。
頭に入れておいて頂きたいのは、ラウンド中にスイングを良くしようとしても簡単にはできないということ。スイングの修正はラウンド後にやるべきことですから、「有り難うございます。ホールアウトしてから試してみます」と伝えれば、相手もいやな思いをしなくて済むでしょう。
アドバイスする側とすれば、自分の成功体験を相手に語っているようなもので、それが他人にも合うとは限らないのです。それでも言われたことが気になって仕方ない場合は、ちょっと思考を変えてみるといいと思います。
ご飯を食べる前に「頂きます」というのが当たり前と考える人もいれば、そうではないと思う人もいます。価値観が人それぞれ異なるように、スイングの着眼点も人それぞれ違うのです。
上手なゴルファーでもバックスイングを自分で気にする人は、他人のバックスイングにもすぐに目がいきます。
他人がミスしたときは、バックスイングを指摘したくなるのです。当の本人が自分に言い聞かせているようなものです。
それが悪いということではなくて、誰かにアドバイスされたら、「この人はスイングのここの部分を特に気にしているのだな」と思えば、あまり気にならなくなります。
それよりもミスが続いたときは、スイングの形より自分のリズムを思い出すことを優先しましょう。
A. 「本人が自分に言い聞かせているのだなと割り切りましょう」
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。
松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
イラスト/庄司 猛 北村公司
GOLF TODAY本誌 No.572 98~99ページより