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フェアウェイ右サイドがОBのホール、ОBから逃げたいとティーイングエリアの左端で構えてない?
スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.13
スコアをまとめる能力が備わっているゴルファーはリスクを避けつつ、フェアウェイの幅を広く使うツボを得ている。
また感情のコントロールがうまいゴルファーは、プレー中にく口角を上げている。こうしたことも80台でラウンドする力をつける要素だ。
【マネジメント編】OBなどのリスクを避けるためにフェアウェイの幅を広く使おう
目標に対して体を正しく向けるアライメントも大事
90切りを達成するには、ティショットのミスをできるだけ少なく抑えることが第一条件です。OBや池などのハザードを避けたい場合は、フェアウエイの幅を広く使う作戦を立てましょう。たとえばフェアウェイ右サイドがОBのホール。そんなとき、あなたはどこで構えますか?
ОBから逃げたい心理のせいかティーイングエリアの左端で構える人がとても多いのですが、この場合はティーイングエリアの右端寄りで構え、フェアウェイの左サイドを向くのが正解。右のОBが視界に入りにくくなってプレッシャーを感じなくてすみますし、フェアウェイの幅も広く使えます。持ち球がスライス系の人は球が右に曲がってもOBまで行きませんから安心です。
ところがマネジメントでは間違いはなかったはずなのに、結果はミスショット。これもよくあることですよね。そんなときはスイングに原因を探ろうとしますが、実はほとんどがアライメントの間違いが原因です。
アライメントは「方向取り」のことで、マネジメントと深く関わっています。「あそこに打つ」と心で決めたら、体もその方向に向けましょう。
右OBのホールでいえば、フェアウェイ左サイドのラフの近くに目標を絞り、そこに対してスクエアに構えることです。
練習場でいつもマットの向きのとおりに構えて打っている人は、コースに出ると体の向きを間違えがち。スクエアに構えたときは目標が案外広く見えて、体が左を向いているように感じます。そこでつい体を右に向けてしまうのですが、「ちょっとオープンに立つ感じ=スクエア」といえます。ときにはマットの向きと違う方向に目標を定めてスクエアに構えるアライメントの練習もしてくださいね。
伊能恵子
(いのう・けいこ)
千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。
【メンタル編】Q.「感情のコントロールがうまくできません。どうすればいい?」
口角を上げるだけで心と体のバランスが整いやすい
なかなか調子が上がらなかったり、ミスショットが続けて出たりすると、ついイライラしてしまいがち。ダボを叩いた後はムッツリと黙り込んで、プレーが投げやりになってしまう人は上級者にも案外多く見られます。そうなると同伴のゴルファーたちも気分を害して、気まずいままで一日のプレーを終えてしまうことになります。イライラしてしまう人も周囲の人もしかめっ面を浮かべて、互いによりつこうとしなくなるのは残念ですし、とても寂しいことだと思います。
感情のコントロールまで気が向かないわけですが、そんなときはつとめて「笑顔」を浮かべるようにしてはどうでしょうか。2019年は渋野日向子選手が大ブレークし、「シブコフィーバー」が社会現象となりました。「スマイルシンデレラ」こと渋野選手の笑顔は多くの人たちを惹きつけてくれたものです。
笑顔の魔力は計り知れないほどで、口角を上げているだけでも気持ちの上でリラックスでき、心と体のバランスが整いやすくなります。かつて米国女子ツアーで大活躍したアニカ・ソレンスタムも口角を上げたままでプレーしていました。筋肉がほぐれますからアドレスやスイングに良い影響を与えてくれます。
それに渋野選手のようにニコニコしていると自分もそうですし、周囲も明るくなります。ミスしても「こんなこともあるよね」と笑い飛ばすくらいのほうが気持ちの上でポジティブになれますし、プレーを早く立て直すこともできます。メンタルが強くないと難しいと思うかもしれませんが、笑顔を浮かべていると心の状態も変わってきます。
いいスコアを出せても「あの人とはもう回りたくない」と思われるよりは、100や90が切れなくたって「また一緒に回りたいな」と思われるほうがゴルファーとして幸せでしょう。笑顔はゴルフを心底楽しむためのツールでもあるのです。
A. 「渋野日向子選手のように他人と笑顔で接しましょう」
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。
松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。
イラスト/庄司 猛 北村公司
GOLF TODAY本誌 No.573 98~99ページより