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ピンはグリーンの左端、でもグリーンのすぐ左に池やバンカー…ピンを狙うべきか否か?

スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.14

2023/08/12 ゴルフサプリ編集部

何でもかんでもピンに向かって真っすぐ打とうとするゴルファーは、スコアをロスしやすい。「ゴルフはミスのゲーム」ということを念頭に置いてプレーすることが大切だ。とくに調子がなかなか上がらない日は、保険をかけるような安全確実なプレーに徹しよう。

【マネジメント編】「ピンを狙わない」思考がスコアをまとめるコツです

ピンよりもグリーン周りの状況をよく見よう

ピンを直接攻めると危険な場面ではピンを無理に狙わない。

トーナメントプロたちはギャラリーの皆さんが「うわっ、すごい!」と歓喜するようなファインショットをよく打ちますよね。でも実をいうとプロたちは難しいことはあまりしませんし、皆さんが思っている以上に思考がシンプルなんです。

コースマネジメントも同じです。たとえばピンがグリーンの左端のほうに立っていて、グリーンのすぐ左が池とかアゴの深いバンカーや崖だとしたら、皆さんはどう攻めますか?

ピンが見えるのだからピンに向かって真っすぐ打つ、と答えた人は大叩きの可能性大ですね。ピンを狙うのはプレッシャーが大きいですし、グリーンの左に外してしまったら大ピンチとなるのはわかるでしょう。池やバンカーなどにつかまらなかったとしても、ピンが手前側のアプローチが残ります。グリーンの面が使えなくなるため、ピンに寄せるのがとっても難しい。

優勝争いを展開していて最終ホールでバーディが欲しいといった場面ではリスクを負ってでも攻めていくことはありますが、こうした状況ではプロたちはミスした場合の計算も入れてグリーンの真ん中か、ピンと反対側のグリーン右半分を狙って打ちます。仮にグリーンの右に外しても次のアプローチでグリーンの面が広く使えますし、低くコロがせますから比較的やさしく打てます。こうした考え方が確率の高い攻略法やリカバリー能力の向上につながるんですよ。

グリーンを狙うショットでピンしか見ないと「ここを狙おう」と目標を狭いエリアに限定してしまいがち。グリーン周りの状況をよく見た上で、「グリーンのこの辺でOK」と、良い意味でアバウトに考えてみてください。緊張から解放されてショットの成功率がアップしますよ。

キャディをしていないときはリンパマッサージの資格を生かしてトレーナー業もしています。

伊能恵子
(いのう・けいこ)

千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。

【メンタル編】Q.「好・不調の波が激しいです。対処法を教えてください」

普段から感情が昂ぶりやすい人はとくに注意しよう

好・不調の波が激しい人は他人の言葉に対しても過剰に反応してしまいがち。上手に人づき合いするように、心をできるだけ平静に保ってプレーすることを心がけよう。

調子がすごくいい日もあれば、まったく調子が上がらない日もよくあるというゴルファーは、一日のラウンドの中でも最高のショットが打てたり、突然大叩きしたりする傾向が割合多く見られます。

好・不調の波が激しいというのは、自分の実力以上のことをやろうとするからでしょう。そこそこのスコアで回ればいいのに、「勝てばいい成績、負けたらボロボロ」みたいにつねに勝負を挑むようなプレーばかりしていませんか?

うまく逃げて通れば、スコアには大きな差は出ないはずです。同伴のゴルファーに対しても同じことがいえるわけで、フィーリングが合う人と一緒なら楽しくプレーできても、合わない人だと会話も生まれませんし、一日が重苦しくなりますよね。

でも、上手な処世術を身につけている人でしたら、人づき合いがうまくいくもの。誰かに何かを言われても、その一言で傷ついたり、すぐに腹を立てたりするのではなく、その言葉をうまくかわしていけばいい。相手の言葉に反論とか反抗しようと思うと感情が昂ぶってきます。好・不調の波が大きい人は概してそうした面があります。何があっても、うまく対応したいのはゴルフも同様です。立ち向かうこともあるかもしれないけど、逃げ道もつくっておくという思考を持ちましょう。

また調子のいいときは何をやってもうまくいきますから、その波に乗っていくのがいいと思います。ところが皆さん、逆をやろうとするのです。せっかくバーディチャンスにつけているのに3パットしないように慎重に打ったり、ドライバーが絶好調なのにフェアウェイが狭いホールで突然スプーンを持ったり。逆に調子がよくないときは、イチかバチかの無謀なプレーに走ってしまいがちです。

調子がよければ保険をかけるようなプレーをしなくて構いませんし、調子が悪いときはミスになりやすいので慎重に攻めるべきです。

A. 「人と上手に接するような気持ちでプレーしましょう」

北野正之
(きたの・まさゆき)

1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。
松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。

イラスト/庄司 猛 北村公司

GOLF TODAY本誌 No.574 114~115ページより


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