1. TOP メニュー
  2. スコアに効く
  3. コースマネージメント
  4. 大事なのは「いいスイングをしよう」ではなく「どんな球を打つか」のイメージ作り

大事なのは「いいスイングをしよう」ではなく「どんな球を打つか」のイメージ作り

スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.19

2023/10/21 ゴルフトゥデイ 編集部

多くのアマチュアはコースプレーで「いいスイングをしよう」とばかり考えがち。でも一番大事なのは、「どんな球を打つか」のイメージ作りだ。将棋のように戦略的な思考を働かせることで状況にマッチした判断力が身につき、スコアは自然とアップする。

ゴルフトゥデイ本誌579号/114〜115ページより

【マネジメント編】アプローチは必ず打つ前にイメージ作りをしましょう

バンカー越えでも高く上げなくていいケースだってある

グリーン周りからのアプローチは色々な状況がありますが、トーナメントプロの場合はイメージが出来上がっていて、自分の得意な球で攻めるケースがほとんど。転がしたほうが確率は高そうでも、キャリーでピンの近くに落とすほうがイメージが出やすいという選手もいます。上げるべき場面で転がす選手はさすがにいませんが。

とはいえ青木功さんが昔、「ゴルフはゴロフだよ」と語っていたように、アプローチの基本はやっぱり転がしです。多くのアマチュアが苦手とするバンカー越えの場面を考えてみましょう。「ここは上げましょうね」といわれても強さなどの加減がわからず、強く打ちすぎてオーバーしたり、インパクトが緩んでザックリしやすいところですよね。でも高さをある程度出す必要はあっても、ピンの位置がグリーンの奥だとしたら?
グリーンの面を広く使えるのでAWやPWを使ったピッチエンドランもアリですし、SWで打つよりはよっぽど簡単です。このようにキャリーでバンカーをクリアするだけで、あとは転がせる状況が案外多いもの。ピンが手前側ならプロにとっても難しい状況ですから、欲を出さずにピンを3〜5メートルくらいオーバーしてもOKと割り切りましょう。

プロたちはアプローチを打つ前にグリーンの傾斜を見て、グリーン上のどの辺にボールを落とせばどのくらい転がるかのイメージ作りを必ずしています。そして出球の高さもイメージし、ショットの際は落とし場所に集中して打ちます。

アマチュアの人たちが距離感をつかめないのはピンしか見ないから。どのクラブを使って、どんな球でグリーン上のどの辺に落とせばグリーンの傾斜に乗ってピンに近づいていくか。こんな具合に飛んでいく球を映像的にイメージしましょう。その通り打てるかどうかは別にして、ショット前にアプローチのイメージ作りをする習慣づけが大事なんですよ。

アプローチの基本は転がし。バンカー越えでもピンの位置が奥ならグリーンの面が広く使える。AWやPWを使ったピッチエンドランで寄せるイメージを組み立ててみよう。

伊能恵子
(いのう・けいこ)
千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。

【マネジメント編】Q「練習場でもミスが出るとすぐカッカしてしまいます」

自分をダメ出しばかりしていては上手くならない

ゴルフが上手くなりたくて練習場に来ているのか、単にストレス解消のつもりで来ているのか、練習の目的が曖昧な人がとても多いように思います。ご質問の「練習場でもミスが出るとすぐカッカしてしまう」というのは、おそらく上手くなりたい一心で練習に励んでいるけど、思うような成果があげられずに、自分自身が腹立たしくなるということでしょう。こうしたタイプは実際のプレーでもミスが出ると、すぐに頭に血がのぼる傾向があるといえそうです。

さて練習するときですが、実は心の状態で練習の効果がかなり変わるものです。練習場はスイングの技術を磨く場所といえども、メンタルがかなり重要な要素を締めています。

私のお客さんで80歳の女性ゴルファーがいて、その方が先日エージシュートを達成しました。昨年81で回ったことがあり、「惜しかったですね」と話していたのですが、その日はワンハーフ回って39、39、39という見事なスコアでした。

女性のエージシュートもすごいのですが、その方の練習を見ていると、自分を褒めまくっています。ちょっと曲がっても「いい球が打てたわね~」とか、ダフリが出ても「今はフィニッシュがとれたわね~」などと自分に語りかけて、気持ちよく球を打っているのです。自分のできた物事にちゃんと目を向けることができているわけです。

ところが、ほとんどのゴルファーは練習していて、自分のできなかった部分ばかりに目を向けて落ち込んでいます。自分にダメ出ししていても良いことは何もありません。結果が同じショットでも、「今のは当たりが薄かったな」とネガティブに考えないで、「体の動きは結構良かったぞ」とポジティブにとらえるようにしましょう。

自分のできたことを褒め続けることでスイングのリズムや体の動きが自然に良くなり、どんどん上手くなっていきます。

A.「自分を褒める練習をすればどんどん上手くなります!」

練習するときのメンタルも重要。自分のできたことに目を向けて練習すると気持ちが前向きになり、スイングがどんどん良くなる。練習の成果が上がって、上達に直結するのだ。

北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。


スコア80台でラウンドするためのゴルフ学

 VOL.18(前回)へ VOL.20(次回)へ

シリーズ一覧へ