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渡邉彩香のフェードで飛ばすスイング大改造【リリース・頭の位置】

昨年のシード落ちから劇的な復活優勝|祝! アース・モンダミンカップ優勝祝!

2020/09/08 ゴルフサプリ編集部

5年振りの復活優勝を飾った渡邉彩香。「昨年まではドライバーが右にも左にも曲がる状態だった」と語る渡邉は、大胆なスイング改造によってスランプを脱出。今回は渡邉彩香本人だけでなく、1年前から指導する中島コーチも取材。その指導にはフェードで飛ばすヒントがつまっていた!

1年前とはスイングが変わりました!

渡邉彩香
わたなべ・あやか
1993年9月19日生まれ。静岡県熱海市出身。14年にツアー初優勝、15年には年間2勝をマークし、日本のトップ選手に成長。その後はスランプに苦しみ、昨年は賞金シードを落としたが、今年は5年振りの優勝で完全復活。大東建託所属。

復活に貢献した1年前からの敏腕コーチも直撃取材!

中島規雅
なかじま・のりまさ
1975年1月29日生まれ。江連忠ゴルフアカデミーを経て、ツアープロコーチとして独立。現在はインドアゴルフスクールビーグル(神奈川県・横浜市)などでもレッスン活動を行っている。実兄もツアープロコーチ。

渡邉彩香がジュニア時代から通っている函南ゴルフ倶楽部で取材。クラブハウス内には優勝した試合の写真や記念品が飾られた特設コーナーがあった。

祝! アース・モンダミンカップ優勝祝!

アース・モンダミンカップ優勝祝!

1 リリース|早いリリースで手でつかまえないスイングに!

中島コーチの助言|とにかくアウトサイド・インに振ろう!

「昨年の夏前に初めてスイングを見たときは手首のタメが大きくて、インサイドからクラブが入っていた。それはドローヒッターのスイング。フェードを打つには手首を早めにリリースした方がアウトサイド・イン軌道になりやすい。だから、この手首の動きを教えました」(中島)

「渡邉選手はフックグリップなので、特にアウトサイド・インに打たないとフェード軌道にならないタイプでした」(中島)
ハーフウェイダウンではすでにフェース面がクローズになっているので、打ち出し直後にはボールが左に飛んで右に曲がるフェードが打てる。

左に曲がるヒッカケのミスが消えた!

元々、私は完全なフェードヒッターだったのですが、ここ数年はフェードの幅を少なくしようとして、ボールをつかまえるスイングになっていたんです。そこで中島コーチから「ドローで行くのか?フェードで行くのか?」と聞かれて「フェードで行きます!」と答えたら、最初に指摘されたのが、手首をリリースするタイミングを早くすることでした。

感覚としては切り返し直後から手首を解く感じです。最初は「こんなのできない!」と思いましたが、続けていくと力強いショットが打てるようになってきました。手首を早くリリースすることで、そこからは体を回すだけでフェースがスクエアな状態でヒットするようになってきたんです。

手首の動きを修正するだけで左に曲がるヒッカケがなくなって、右に曲がるフェードが戻ってきた。オフのタイ合宿でもこのリリースは手の動きが猫みたいなので「ニャーする」と呼んで徹底的に練習しました。

昨年までは、タメを作っていた!

「2014年に初めて全米女子オープン(パインハースト№2)に出場したときに、私のフェードの曲がり幅では狙えないホールが多かった。だから、フェードの曲がり幅を少なくしようとして、ボールをつかまえようとしていた。その結果、タメが大きなスイングになっていたと思います」(渡邉)

「ダウンスイングの軌道を遠回りする感覚に変えました」

「リリースを早くしてからはダウンスイングの軌道を大きくして、少し遠回りするイメージで打つようにしました。昨年まではダウンスイングが縮こまっていて、フォローが大きくなる感じでした」(渡邉)

2 頭の位置|上半身のツッコミ癖を〝頭を残して〟解消

調子が悪いときは、頭が動くので、打球が左右に曲がった

昨年まではボールが右にも左にも曲がっていてボロボロの状態だったのですが、調子が悪くなると私は上半身が突っ込んでしまうスイングになっていたのです。コーチからは上半身が前に出ていないか1打ごとに、チェックしてもらいました。

練習でやったことは、アイアンでティアップしたボールを左手1本で打つことです。体が突っ込んでしまうとティに当たってしまいます。ボールだけを打とうとすると自然と頭を右に残して、左手を動かす癖がつきました。上半身が突っ込むとフォローでは体が前に倒れていたのですが、フォローからフィニッシュでは左足がめくれないようにしっかり立つことで左の壁も出来て、体が突っ込みにくくなったと思います。

インパクトでは右側からボールを見る

インパクトの瞬間には右から斜めにボールを見ている体勢で、ハンドレイトでインパクトするイメージ。

昨年はフォローで上半身が左に移動していた!

中島コーチの助言|足を踏ん張って、左に倒れないように

「昨年まではフォロー以降で左足がめくれていて、右足首も斜めになっていたので、上半身が突っ込んだバランスの悪いフォローになることがありました」(中島)

頭を残すイメージはティアップしてアイアンの片手打ち

ドライバーと同じくらいの高さにティアップして、7番アイアンを左手1本で打つ練習。頭を動かさずに左手の軌道を作れると、頭を残すスイングをマスターできる。

リリースを早くすると、右重心を作りやすい

手首を早くリリースすることで、ダウンスイング軌道もゆるやかな角度になって、頭が残しやすくなる。

タメを作ることで、体が突っ込んでいた!

ハーフウェイダウンでタメがあると、手首と一緒に体が動いてしまうので、体が突っ込んだスイングになりやすい。

写真/Getty Images /LPGA 取材協力/函南ゴルフ倶楽部 インドアゴルフスクールビーグル

GOLF TODAY本誌 No.579 14〜19ページより


渡邉彩香を復活させたフェードで飛ばす4つの大改造(1/2)


(2/2)へ続く(※順次アップします)

●渡邉彩香を復活させたフェードで飛ばす4つの大改造
(1/2):1 リリース / 2 頭の位置
(2/2):3 テークバック / 4 フォロー / 連続写真