クラブがどう動いてボールに当たるのか? “インパクトゾーン”を強くイメージしよう|目澤秀憲のゴルフ再構築レッスン Vol.3
脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」
いま、最も注目されている指導者の一人、目澤秀憲コーチが“脱・アベレージ”への近道を指南。前号までの「セルフチェック」で、自分のカラダを知った後にするべきことは“インパクト”をイメージすることだという。
目澤秀憲
めざわ・ひでのり。1991年2月17日生まれ。東京都出身。大学卒業後渡米し、日本に数名しかいない、アメリカのレッスンプロの資格TPI(TitlistPerformanceInstitute)レベル3を取得。河本結のコーチを務める傍ら、アマチュアにもレッスンをしている。日本大学卒業。2021年4月に開催されたマスターズで松山英樹がアジア人初となるマスターズチャンピオンになった際も、サポートメンバーとして松山を支えた。
ナビゲーター
坪井ミサト
つぼい・みさと。1996年10月30日生まれ。奈良県出身。小学生から野球を始める。球速最高107キロ(ミズノ『MAQ』測定)。フィットネスインストラクターの資格を取得。フルマラソン4時間09分の記録ももつアスリート女子。ゴルフは2020年春から始めたばかり。
正しいインパクトを意識すればやるべき修正点が見えてくる
坪井 セルフチェックでカラダヘの意識を高めたあと、スイングを再構築するためには、なにから始めればいいですか?
目澤 インパクトイメージをもつことです。ゴルフスイングにおいて大事なことは、ターゲットにボールを飛ばすために高さや方向、どう曲げるのかをコントロールすることです。そして、それを司るのがインパクト。自分が打ちたい球筋に対して、インパクトのイメージができているかどうかが、上達のカギになると思います。
坪井 クラブがボールに当たる瞬間をイメージする?
目澤 当たる瞬間だけではなく、その前後、いわゆるインパクトゾーンをイメージしたほうが、カラダを回す方向や手の通り道、スイングプレーンを自然に考えられるようになります。
坪井 それは、たとえばドライバーとアイアンなど、クラブによって変わるものですか?
目澤 もちろん違います。ドライバーならややアッパー、アイアンならややダウンブローが基準。ですが、アベレージゴルファーは、その差を明確に作れていません。ドライバーが得意な人は、アイアンもドライバー寄りのスイングになりがちだし、アイアンが得意な人はその逆だったり、ずれている人が多い。インパクトイメージの違いドライバーでは、スイングプの効率が悪くなる。結果、飛距を明確にしないと、うまく打てないことが多いんです。
坪井 なるほど、では正しいインパクトのイメージを教えてください。
目澤 はい。まずはドライバーからお教えしましょう。
ドライバーの正しいインパクトゾーン[その1 入射角]
プレーンの最下点の少し先“ちょっとアッパーブロー”が正解
ドライバーでは、スイングプレーンの円の最下点のちょっと先が、クラブがもっとも走るポイント。つまり、ちょっとアッパーブローでヒットするのが正解だ。軌道の最下点がボールのちょっと左側にあるとイメージすると、アッパーブローで打ちやすくなる。
反対に、ボールの上からクラブが入るダウンブローで打つと、クラブが最も走るポイントからズレてしまい、インパクトの効率が悪くなる。結果、飛距離ロスはもちろん、力みやダフリなどのミスも出やすくなる。
× ダウンブローに打つと球が上がらない
クラブの最下点が打点より後に来るダウンブローだと、スピン量が多くなり、すぐに球が落ちて飛距離が出ない。
× アッパーすぎてもスピン量が増える
アッパーに打ちすぎるといわゆるすくい打ちのようになり、球が上がりすぎて飛距離が出ない。
ドライバーの正しいインパクトゾーン[その2 軌道]
ターゲットより少し右に、プレーンをイメージすると飛ぶ
ドライバーのインパクトイメージで入射角同様に大切なのは、インパクトゾーンでのクラブの軌道。ちょっとアッパー気味のインパクトでもっとも効率よく当てるには、プレーンが少し右を向き、フェースがプレーンに正対したとき。ムダなスピンがかからず、飛距離も方向性もアップする。“ターゲットよりちょっと右に振り出す”イメージをもつといい。
プレーンを真っすぐイメージするとスライスしがち
アマチュアに多いスライス系は、軌道がアウトサイドインとなりインパクトではフェースが開きがち。結果、スライスになる。インパクトでフェースが左を向いてもボールは左に出てスライスになる。
プレーンの方向を変えることで、球を打ち分けよう
(脱!スライス)アベレージにありがち!“インパクトでフェースが開く”を3ステップで解決
万年アベレージに多い、ドライバーでのスライス。自分では真っすぐ振っているつもりでも、入射角や軌道をみると、なるべくしてスライスしている人がほとんどだという。
そこで、スライサー代表として、坪井ミサトをモデルにレッスン。グリップと体重移動、そしてインパクトイメージを変えただけで、すぐに結果に結びついた。
ウィーク気味のグリップから、左手を、球がつかまりやすいストロンググリップに修正。グリップを変えるだけで、自分の弱点をカバーすることもできる。
右への体重移動が大きすぎると(いわゆるスエー)、ダウンで左に体重を乗せるのが難しくなり、インパクトでフェースが開きがちに。右に乗るのではなく、右腰を後ろに引くイメージで回転してカラダの内側でパワーを受け止める。そうすれば、ダウンで左に乗りやすく、フェースは開かないで下りてきて、球を強く押すことができる。
入射角はアッパーながら、インパクトのポイントが左すぎて軌道が左に向いていたためスライスに。ボールを少し中に入れ、右に打ち出す軌道をイメージすることを指導。
入射角、フェースアングル、クラブの軌道すべてが改善。飛距離は約20ヤードもアップ!スライスによる飛距離ロスが大きく解消された。
坪井ミサトのゴルフ成長日記③
アドレスの重要性を実感しました
1ヶ月ぶりに目澤プロコーチに見ていただきましたが、アドバイスされたことはなんとひとつ!アドレスでした。たしかに、ボールと体との間隔、ボールの位置が間違っていたらどんなにいいスイングをしても意味がないですよね(汗)。次までに正しいアドレス、ボール位置を覚えようと思います!
協力/ドゥワンゴルフアカデミー
GOLF TODAY本誌 No.580 176〜179ページより