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ボール投げドリルで正しいリリースのタイミングを覚えよう!

吉本 舞の“ゴルフ上達の近道”を教えちゃいます! 第4回

2020/11/21 ゴルフサプリ編集部

ゴルフがあっという間にうまくなれるコツを、吉本舞がわかりやすくレッスンするシリーズ。今回はテニスボールやクッションを使ってリリースのタイミングを覚える練習法をレクチャーする。「カラダの早い開きを抑えられて、ボールに向かってしっかりとパワーをぶつける感覚がすぐにつかめますよ」と吉本はいう。

パワーのベクトルをボールにぶつけるイメージで振り下ろす

正しいリリースとは、ボールを地面に投げつける感覚だ

ここでいう「リリース」とはダウンスイングからインパクトに向かって手首をほどいてクラブヘッドを加速させる動きのことです。第2回目で紹介したクッション叩きを思い出してください。ボールの代わりにクッションをクラブで叩こうとすれば、自然と手首やヒジなどの関節が柔軟に使えて、クラブヘッドを加速させることができますよね。

ところが実際のショットでは、地面にあるゴルフボールに対してフェース面をきちんと当てようという意識から、インパクト前に手首をリリースするタイミングが早くなりやすい。「ボールを上げたい」という心理も働いて、すくい打つような動きなってしまう人がすごく多いんです。

リリースのタイミングを覚える練習法としては、ボール投げドリルがオススメです。あまり危なくないように、テニスボールや小さめのゴムボールを使うといいでしょう。7番アイアンのショットを打つときのボールの位置をしっかり認識しながら練習をするために、地面にボールを置いておくとグッドです。ボールの位置はスタンスの中央が目安となります。

そして右手にボールを持ち、地面に置いたボールよりも右側に向かって思い切り投げつけましょう。右腕をそっと振り下ろす程度ではダメ。地面に向かって「思い切り振る」のです。腕をしっかり振り下ろすには地面のボールに当てるよりも、ボールの右側に向かって振り下ろすくらいがベスト。やってみると実感できますが、地面に向かってパワーをぶつけるイメージで腕を振り下ろすと、その流れで右腕が自然に目標方向へと振り抜かれます。ゴルフスイングって目標に対してクラブを振り抜いているように見えますよね。でも実際はパワーのベクトルをボールに向けてクラブを振り下ろすことがとても重要で、フォロースルーやフィニッシュはその延長であり、結果なのです。

第2回で紹介したクッション叩きのようにクラブヘッドを加速させて打つ感覚が、適正なリリースのタイミングにつながる。
テニスボールか、小さめのゴムボールを用意して練習しよう。
実際のショット練習と同じように地面の上にボールを置く。そして右手にボールを持ってバックスイング。
クッション叩きの感覚で手首やヒジを柔らかく使ってダウンスイングする。
地面に置いたボールの右側に向かってボールを思い切り投げつけよう。
地面に投げつけた勢いで右腕はフォロースルーの方向に自然に振り抜かれる。
実際のショットでもボールを地面に投げるイメージで振り下ろすのが正解だ。
ボールが真上に跳ね返るくらいの腕振りで、リリースのタイミングを覚えよう。

腕を真下に振り下ろすだけで勝手にフォロースルーへと振り抜ける

大きなフォロースルーで振り抜くために、重いものを目標方向に放り投げるイメージを大事にしている方も多いと思います。それは否定しませんが、最初から目標方向を意識してクラブを大きく振ろうとすると、ダウンスイングでカラダが開いたり、顔が早く目標を向いたりしやすい点に注意。右カカトが早く浮いて下半身が緩んでしまいやすく、ボールにパワーのベクトルを向けるのが案外難しいのです。

その点、地面に置いたボールより右側に向かって腕を振り下ろすイメージでダウンスイングすれば、両足が地面についたままの「ベタ足」に近い体勢が作れます。そして、カラダの開きも抑えられてボールにパワーを効率よく伝えることができます。とくに胸をできるだけ開かないで腕を振り下ろす感覚をつかんでください。胸を真下に振り下ろすだけでヘッドスピードがアップしますから、あとはクラブが進みたがる方向にまかせるだけでフィニッシュまで振り抜けます。

私が多くのゴルファーをレッスンしているスタジオでは、クッション投げドリルも体験してもらいます。これはテニスボールの代わりにクッションを両手で持ってアドレスの体勢を作り、トップの位置へと上げて自分の右足よりも外側に思い切り投げつける練習です。ダウンスイングでカラダが早く開いてスライスがよく出る、飛距離がなかなか伸びない、ボールに合わせるように打つためリリースのタイミングがうまくいかない、などといった悩みを訴える方はクッションを目標方向に放り投げるような動きとなっています。右足の前に投げる練習を数回繰り返すだけでカラダの動きが改善されて、パワー効率のいいスイングがすぐに身につきます。自宅の部屋でもすぐにできますから、スイングで悩んだらぜひやってみてくださいね。

ボールを目標方向に投げるイメージではダウンスイングでカラダが早く開きやすい。正しい動きに見えても、実際はパワー効率がよくないスイングになる。
クッション投げドリルもリリースのタイミングを覚えるのに効果的。
クッションを両手で持ち、アドレスの姿勢を作ってからバックスイングする。
この場合も右足よりも外側に投げつけるのがコツ。下半身がベタ足に近い体勢となり、体の開きが抑えられる。
クッションを思い切り投げた後は両腕が勝手にフォロースルーに向かい、カラダが回転する。
クッションを目標方向に投げようとするとカラダが早く開きやすい。
カラダを回すだけでは下半身から力が抜けてパワー効率が低下してしまう。

最後に動画でチェック

右手に持ったゴムボールを地面のボールよりも右側をめがけて思い切り投げつけよう。胸を開かずに腕を振り下ろす感覚がつかめる。

※動画はBGMが流れますので音量にご注意ください。

吉本 舞
よしもと・まい/佐賀県出身。USLPGA Teaching&club Professionalの資格を取得。ゴルフの楽しさを多くの方に伝えたく、敏腕カリスマコーチ森守洋に師事。現在は東京ゴルフスタジオ(三鷹市)で多くのアマチュアをレッスン。一人一人の悩みに寄り添い、丁寧でわかりやすい指導で大人気。Instagramにてゴルフレッスンやゴルフウェアコーディネートなど更新中。@maiyoshimoto_

取材・文/三代 崇
写真/富士渓和春
協力/武蔵丘ゴルフコース



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