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スイング中ビクともしない“我慢強いヒザ”が、大きなパワーと正確なショットを実現!

ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第15回 ヒザのアライメント

2020/12/04 ゴルフサプリ編集部

スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。

今回は、ヒザのアライメントについて紹介する。

PROFILE
竹内弓美子(たけうち・ゆみこ)
京都府出身。キャナリープランニング合同会社代表。日本女子プロゴルフ協会会員(ティーチングプロ資格A級)。アメリカLPGA T&CP クラスAメンバー。日本ピラティス指導者協会(JAPICA)ゴルフピラティス専門コース開発者。ネバダ州立大学公認ピラティス指導者。日本予防医学会会員。これまでに、のべ6万人以上のゴルファー指導に携わる。著書に、『もっと飛ばせる!ゴルフの体幹トレーニング~ゴルフピラティスでブレない軸をつくる』(スキージャーナル社)がある。ゴルフピラティスを活用した著書や講習等によってゴルフビジネスの地位を確立させ、2019年LPGAアワード「ゴルフビジネス賞」を受賞。
★現在、WEBレッスンの準備中(現在、スタジオは閉鎖中)。キャナリープランニング(https://www.canaryplan.co.jp/)のホームページでお知らせします。

「飛距離が出ない」「ショットの精度が低い」「ミスが多い」 ――その原因は、ヒザにあるかも!

いうまでもありませんが、ショットは飛距離も精度も命! いくらスゴく飛ばすことができても、思った方向に適正な距離で打たないと、ゴルファーはコース内を何度も行ったり来たりするはめになります。逆に、方向性はいいけれど飛距離が伸びないのも、困りものです。

そこで、皆さん練習に励むわけですが、「どうしてもスウェーが直らない」「フォローで身体が開いてしまう」という人は、ヒザの動きをチェックしてみてください。ダウンスイングで右ヒザが大きく外に開いていたり、インパクトで左ヒザが後ろに引けていたりしませんか?

そうした症状があると、身体がグラついて軸がブレます。十分な捻転でできず、そのパワーをしっかりボールに伝えることもできません。方向性も距離感も狂って、ボールは明後日の方へ……そうなりたくない! という思いが皆さんを練習場へとさらに駆り立てるわけですが、何十球もひたすらボールを打つ前に、今回紹介するエクササイズをぜひお試しください。
やみくもに練習するよりも、確実に効果的です。

その名もズバリ、【モンスター】というエクササイズです。なぜモンスターなのかというと、実際にやってみればきっと、納得できる思います。フランケンシュタインというかゾンビというか、何となくモンスター的な動きに思えませんか?(笑)

とはいえ、名前のインパクトの割には、地味なエクササイズに見えるでしょう。ところがどっこい、これがかなりハードで、左右の足でそれぞれ1セット行うと息が切れるほどになります。でも、モンスター級の効果は得られますよ。

モンスターのポイントはいくつかあって、まずは、輪にしたセラバンドを常にピーンと張った状態にすること。両足が離れる時も寄せる時も、常に左右の足で引っ張り合いをしてください。ちょっと気を抜くとセラバンドがゆるんでしまうので、くれぐれもご注意を。

セラバンドは足首に引っ掛けますが、セラバンドを引っ張る原動力となるのは、お尻の奥のほうにあるインナーマッスル・中殿筋。骨盤~大腿骨の外側にある筋肉です。お尻を使ってセラバンドをぐいっと引っ張り、足首はあくまでもその接点と考えましょう。

セラバンドの弾性はつまり、スイングにおける捻転のパワーや遠心力の代わりです。
テークバックでは、右足がブレないようにしっかり踏ん張ること。右ヒザが右に流れないよう、グッと我慢する力が必要です。
ダウンスイングでは体重を一気に左足に乗せますが、ここでも左足がその力に耐えられるよう、左足を踏ん張ることが欠かせません。

セラバンドを使うことで、そうしたスイングの動きにも“我慢”できる、強いヒザ(お尻~足)をつくります。

ヒザとつま先が、常に正面を向くようにすることも非常に重要です。特に、【モンスター/前進】の際、つま先が外を向いてガニ股になったり、ヒザが内側に入ってしまったりしては、エクサイズ効果が半減です。
どんな力がかかってもヒザの向きがブレず、正しい方向でキープできるようにしましょう。

結構キツイ⁉ お尻の筋肉を使って、セラバンドを引っ張りながら歩くエクササイズ

■【モンスター/前進】
1.セラバンドの両端を結んで短めの輪にしたら両足首にかけ、脚を腰幅に広げて立つ。つま先は真っすぐ正面に向ける。
2.背骨をスッと伸ばし、ヒザを軽く曲げて上体を軽く前傾させる。へそは背骨に引き込み、お腹を凹ませる。骨盤底筋も締めて引き上げ、お腹とお尻の筋肉で骨盤を支える。
3.ヒジを曲げて、身体の正面で軽く腕を組む。腕はワキから少し離す。 肩はリラックス。
4.鼻から息を吸ってスタンバイ。
5.口から息を吐きながら、左足を左ななめ前に大きく1歩踏み出す(★POINT参照)。
6.両足の間隔を保ったまま、右足を真っすぐ前に1歩踏み出す。
7.次は、右足を右ななめ前に1歩→左足を真っすぐ前に1歩。これで1セット。リズムよく、10回繰り返す。

★POINT
・お尻の筋肉(中殿筋)を使って足を踏み出すこと
・両方のヒザとつま先は、常に正面を向くように
・セラバンドは、常にテンションがかかっている状態をキープ
・拇指球・小指球・かかとの3点で地面をしっかり踏むこと

足をななめ前に踏み出した時、ヒザとつま先の向きに注意。常に前を向くのが正解。
ヒザやつま先が内側や外側を向かないように(写真左)。また、セラバンドをゆるませてはダメ。

■【モンスター/横歩き】
1.【モンスター/前進】の「4」まで同様に行う。
2.口から息を吐きながら、左足を左真横に大きく1歩踏み出す(上記★POINT参照)。
3.右足を左真横に1歩踏み出し、左足に近づける。この時も、セラバンドにテンションがかかっている状態をキープ。リズムよく、左に10歩進む。
4.次は、同様に右に10歩進む。

カニ歩きの要領で、真横に歩いていく。

“上体の捻転の動きをプラスすると、より効果的!

【モンスター】はなかなかハードなエクササイズですが、さらに難易度を上げたい人は、さらに上体の動きをつけましょう。

身体の正面で腕を組むのではなく、両手を鎖骨の前あたりでクロスさせ、ゴルフクラブが両肩に当たる位置でシャフトを押さえます(クラブはなくても構いませんが、あったほうが肩の縦回転・側屈が意識できます)。

【モンスター/前進】でも【横歩き】のどちらでもいいのですが、足を左に踏み出した時は右側に、右に踏み出した時は左側に上体をひねります。この時、しっかり体重移動をしながら進んでください。

注意点は、捻転と同時に体重移動をすること。上体をひねってから体重移動……ではNGです。また、前に踏み出している足と、ひねった上体~頭で拮抗する力、バネのような捻転差も意識しましょう。

グッとレベルが上がりますが、実際のスイングに必ずや活きていきます!

【おさらい】ゴルフピラティスって何?

健康的にゴルフを楽しむための体幹トレーニングで、効率的なスイングをマスター!

ゴルフピラティスとは、ネバダ州立大学のドリー・ケラベス教授と、私(竹内)が共同で開発したプログラムです。ゴルフピラティスのすべてのエクササイズはゴルフにつながっており、スイングを効率的に行うための身体作りを目的としています。

ゴルフピラティスの主な効果

体幹が鍛えられる

ゴルフピラティスは正しい姿勢や呼吸法をキープすることで身体のコアの筋肉に働きかけ、柔軟性が高く、ケガのリスクの少ない身体を作ります。

スイングを再現性の高い、シンプルなものに変える=安定感が増す

ゴルフピラティスを行うことで身体が正しく使えるようになると、余計に複雑になっていたスイングがシンプルで効率のいい動きになります。動きがシンプルであれば再現性が高くなり、スイングは安定します。これが、“効率のよい美しいスイング”です。

ケガを予防する=長くゴルフを楽しむことができる

ゴルフピラティスで骨格を本来あるべきポジションに戻し、正しい身体の使い方を習得しましょう。ケガのリスクが減り、長くゴルフが楽しめる身体になります。

MODEL PROFILE
宮谷優理(みやたに・ゆり)
京都府出身。職業は歯科医師。速水歯科医院(滋賀県)副院長。「竹内先生にご指導いただき、ゴルフ歴は半年ほど。まさに面白くなってきたところです」

写真/作田祥一
撮影協力/ロイ・マーケティングデザイン


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