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足裏の拇指球・小指球・かかとの3点で地面を踏む! これが安定したスイングと大きな飛ばしをつくる‼

ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第14回 足の裏

2020/11/27 ゴルフサプリ編集部

スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。

今回は、足の裏について紹介する。

PROFILE
竹内弓美子(たけうち・ゆみこ)
京都府出身。キャナリープランニング合同会社代表。日本女子プロゴルフ協会会員(ティーチングプロ資格A級)。アメリカLPGA T&CP クラスAメンバー。日本ピラティス指導者協会(JAPICA)ゴルフピラティス専門コース開発者。ネバダ州立大学公認ピラティス指導者。日本予防医学会会員。これまでに、のべ6万人以上のゴルファー指導に携わる。著書に、『もっと飛ばせる!ゴルフの体幹トレーニング~ゴルフピラティスでブレない軸をつくる』(スキージャーナル社)がある。ゴルフピラティスを活用した著書や講習等によってゴルフビジネスの地位を確立させ、2019年LPGAアワード「ゴルフビジネス賞」を受賞。
★現在、WEBレッスンの準備中(現在、スタジオは閉鎖中)。キャナリープランニング(https://www.canaryplan.co.jp/)のホームページでお知らせします。

左右の足の体重移動だけでなく、それぞれの足の裏で起こる体重移動についても考えよう

あなたは普通に立っている時、足の裏のどのあたりに重心がかかっていますか? かかと寄りの人、つま先寄りの人、親指側の人などいろいろかと思いますが、理想は親指のつけ根のふくらんだ部分・拇指球、小指のつけ根のふくらんだ部分・小指球、かかと、これらの3点に均等に体重が乗ることです。

体重は拇指球、小指球、かかとの3点にバランスよくかける。すると、結局は足裏の中心にある土踏まずあたりに重心がくる。

そのように立ってみると違和感があったり、ちょっと難しく感じたりする人もいるでしょう。でも、これが最も姿勢が安定する体重のかけ方です。つま先の1点だけで体重を支えるより、足裏の3点で支えたほうが安定感が増すのは当然ですよね。

スーパーでレジを待っている時や歯ブラシの時など、何気なく立っている時もこの感覚を意識してください。
ゴルフの時は言わずもがなです。

「アドレスでは、足で地面をつかむように」というイメージから、シューズの中で足の指をギュッと丸めている人がたまにいますが、これは大間違い。
左右の拇指球・小指球・かかとの3点に均等に体重をかけ、足の指1本1本を地面に押し付けるようにするのが正解です。

スイングが始動すると、拇指球・小指球・かかとでできる三角形の中で重心移動が起こります。テークバックでは右足の拇指球からかかとへと体重がかかり、切り替えしたあとは左の拇指球・小指球・かかとに体重がバーンと乗って、インパクトでは跳ね上がるような動きになるので重心が抜けたような状態になる。

ただし、ここで大事なのが、どの段階でも拇指球・小指球・かかとの3点で地面を踏んでいること。拇指球に重心が移動しても、小指側が浮いたりしてはいけません。

とはいえ、普段つま先やかかと側に体重をかけて立っている人が、ゴルフの時だけ足裏の3点に均等に体重をかけようとしても、それは難しい話です。 1~2秒間というスイングの最中にはやること・意識することがてんこ盛りですし、足裏のことよりボールを打つことで頭がいっぱいになってしまいますよね。

本来スイング前は、素振りをしながらさまざまな情報をまとめてシンプルなイメージをつくり、いざ打つ時は、何も考えないほうがスムーズなスイングにつながります。
だからこそ、日々の練習が欠かせません。

そこで紹介するのが、以下の2つのエクササイズです。

両足で行うスクワットはご存じでしょうが、それだと足裏の3点を意識しようとしても、何となくごまかして回数をこなせてしまいます。しかし、【シングルレッグ・スクワット】は片足立ちに近い状態で行うので自分の足裏の状態に直で向き合うことができ、身体がグラつきやすいためバランスを取ろうと集中力も高まります。

【シングルレッグ・スクワット+ツイスト】は、【シングルレッグ・スクワット】に上体をひねる動作を加えたエクササイズです。
足裏の3点に体重をかけることだけでなく、上体の捻転、跳ね上がるような動作も入った、実際のスイングに近い動きになります。クラブを使うことで、背骨に対する肩のラインも確認可能です。
上体をひねる際も足裏の3点で地面をしっかり踏めているか、しっかりチェックしながら行ってください。捻転の動きだけに集中してはいけませんよ。

グラグラする人は要注意! 片足に全体重をかけて行うスクワット

■【シングルレッグ・スクワット】
1.左足を少し後ろ引き、右足に体重を100%かけて立つ。左足は身体を支える程度。つま先は真っすぐ正面に向ける。
2.背骨をスッと伸ばし、上体を軽く前傾させる。へそは背骨に引き込み、お腹を凹ませる。骨盤底筋も締めて引き上げ、お腹とお尻の筋肉で骨盤を支える。
3.手を腰にそえ、鼻から息を吸ってスタンバイ。
4.鼻から息を吸いながら、右ヒザを軽く曲げる。この時、右足裏の拇指球・小指球・カカトのすべてに体重が乗るようにすること。
5.口から息を吐きながら足裏で地面を押して、ヒザを伸ばす。これをリズムよく、1セット10回繰り返す。
6.左足でも同様に10回行う。

★POINT
・片足立ちの時のように、体重は前に出した足裏に100%かける
・ヒザを曲げる時、内側に入らないよう注意
・呼吸を忘れないように

足やヒザがグラついてしまう人は、スイング中も足やヒザがグラついているはず! 左右差も意識しながら行おう。
ヒザを曲げる時は、その向きに注意。ヒザは、真っすぐ前に向けた足の、薬指と同じ方向を向くように。若干外側に感じるかもしれないが、お尻の筋肉にも働きかけるのでより効果的。

地面に圧を加えるように踏みしめる! スイングの動きを入れた片足スクワット

■【シングルレッグ・スクワット+ツイスト】
1.両手を鎖骨の前あたりでクロスさせ、クラブが両肩に当たる位置でシャフトを押さえる。
2.上記の【シングルレッグ・スクワット】の「1~2」と同じように立つ。
3.鼻から息を吸ってスタンバイ。
4.口から息を吐きながら右ヒザを軽く曲げると同時に、上半身を右にひねる。この時、右足裏の拇指球・小指球・カカトのすべてに均等に体重が乗るようにすること。
5.口から息を吐き続けながら足裏で地面を真上から押し、ヒザを真っすぐ伸ばすと同時に、身体を左側にひねる。これを1セット10回繰り返す。
6.左足でも同様に10回行う。

★POINT
・体重は前に出した足裏に100%かける
・ヒザを伸ばす時は、足裏全体で地面を押して跳ね上がるような意識で行う
・骨盤から上半身を動かして、おへその向きを右~左と変える
・肩の縦回転・側屈を意識すること。肩に当てたシャフトの延長線上が、つま先の約20cm先を指すようにする
・【シングルレッグ・スクワット】と同様、ヒザの向きに注意

身体を右にひねる時、右足の拇指球が浮きがちなので注意。

“足裏のセンサー”の機能を呼び覚まそう

今回のエクササイズで、「自分はかかと寄りに体重をかけやすい」「頑張って意識しないと、足裏の3点に均等に体重が乗らない」「拇指球がめくれやすい」「小指側に体重が逃げやすい」など、新たな気づきがあった人もいるのではないでしょうか。体重のかけ方だけでなく、足の指や足全体にも目を向けてみてください。最近は足の指をうまく動かせない人や、足の指の握力が弱い人も少なくありません。

足の裏は地面との唯一の接点ですが、現代社会において足裏からの情報は、ほとんど意識されなくなりました。地面の傾斜・状態や身体のバランス(重心)を察知する“足裏のセンサー”は、退化しているといえるでしょう。

そのセンサーの働きを取り戻すためにも、2つのエクササイズを続けてください。やがて、足の裏がペタっと吸い付くような感覚が生まれます。すると、ゴルフシューズを履いていてもコースの起伏やバンカーの砂の硬さ、芝の状態などが感じられるようになっていくはずです。

その感覚が養われるとたくさんの気付きや発見があり、ゴルフが一層面白いものになっていきますよ。

【おさらい】ゴルフピラティスって何?

健康的にゴルフを楽しむための体幹トレーニングで、効率的なスイングをマスター!

ゴルフピラティスとは、ネバダ州立大学のドリー・ケラベス教授と、私(竹内)が共同で開発したプログラムです。ゴルフピラティスのすべてのエクササイズはゴルフにつながっており、スイングを効率的に行うための身体作りを目的としています。

ゴルフピラティスの主な効果

体幹が鍛えられる

ゴルフピラティスは正しい姿勢や呼吸法をキープすることで身体のコアの筋肉に働きかけ、柔軟性が高く、ケガのリスクの少ない身体を作ります。

スイングを再現性の高い、シンプルなものに変える=安定感が増す

ゴルフピラティスを行うことで身体が正しく使えるようになると、余計に複雑になっていたスイングがシンプルで効率のいい動きになります。動きがシンプルであれば再現性が高くなり、スイングは安定します。これが、“効率のよい美しいスイング”です。

ケガを予防する=長くゴルフを楽しむことができる

ゴルフピラティスで骨格を本来あるべきポジションに戻し、正しい身体の使い方を習得しましょう。ケガのリスクが減り、長くゴルフが楽しめる身体になります。

MODEL PROFILE
宮谷優理(みやたに・ゆり)
京都府出身。職業は歯科医師。速水歯科医院(滋賀県)副院長。「竹内先生にご指導いただき、ゴルフ歴は半年ほど。まさに面白くなってきたところです」

写真/作田祥一
撮影協力/ロイ・マーケティングデザイン