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30ヤード以内のアプローチは、カラダよりもクラブを使えば効率がいい|目澤秀憲のゴルフ再構築レッスンVol.5

脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」

2020/12/28 ゴルフサプリ編集部

どのショットも、インパクトゾーンのクラブの動きをイメージすることは、とても大切だという目澤秀憲コーチ。「ドライバー」「アイアン」に続き、短い距離の「アプローチ」のインパクトイメージを教わった。

GOLF TODAY本誌 No.582 178〜181ページより

下半身の余計な動きを極力抑え右手でボールを投げるイメージ

坪井 前号で「少しダウンブローに打つことで、インパクトでは自然にハンドファーストになることが、アイアンの理想のインパクトイメージ」ということを教えていただきましたが、アプローチも同じイメージでいいのでしょうか?

目澤 アプローチは、ドライバーやアイアンのように“打つ”のではなく“ボールを目標に止める”ことが最大の目的ですから、当然違ってきます。

坪井 距離で言うと、どのくらいからイメージを変えるべきなのでしょうか?

目澤 40、50ヤードまではアイアン寄りのイメージがベースになるので、30ヤード以内というところでしょうか。

坪井 具体的に、どんなイメージになるのですか?

目澤 30ヤード以内では、ある程度エネルギーを抑えたいのでハンドファーストのイメージをもつとヘッドが地面に刺さったり、飛びすぎる危険があります。イメージは「シャフト一本程度のわずかな傾き」だけ。ポイントは、それを再現しやすいアドレスを作って、手元の位置をなるべく変えずに、クラブをゆるやかに動かすこと。

坪井 下半身で運ぶイメージではないんですね。

目澤 間違いではないですが、骨盤を回したり腰を切ったりする動きは、エネルギーにつながってしまいます。目的は、あくまでも止めること。少しオープンに構えると、下半身だけでなくムダな動きを抑えられるので、ぜひ今回のポイントを参考にしてみてください。

短いアプローチのインパクトイメージ(30ヤード以内)

“最下点は左肩の下”ハンドファーストはシャフト一本分の傾き

アプローチのインパクトイメージは、シャフト一本くらいわずかに左に傾く程度のハンドファースト。クラブの最下点を左肩の下くらいにイメージしてリリースすると、ロフト通りに当たり、距離感が出しやすくなる。

さらに、ダフリやトップも防ぎたいので、アドレスは、胸をほんの少しだけターゲットに向けて、若干オープンスタンス。すると、インパクトで左肩の高さが変わらず、思うような弾道が出やすくなる。

少しとはいえ、アイアンを打つ時のようなハンドファーストをイメージすると、パワーが出て飛びすぎてしまう。

最下点に合わせてから構えればミスしない

アプローチのアドレスは、まず最下点にヘッドを置き、手元の位置はそのままにしてヘッドだけボールのうしろに移動させるとハンドファーストの構えができる。
テークバックでインサイドに上げすぎると、ハンドファーストが強くなり、最下点が変わってしまう。合わせようとして、腰を使ってしまうとトップやダフリなどのミスを招く。
胸を少しオープンにして構えだけで、少しアウトサイド気味に上がり、意識しなくてもヘッドが適正に上から入る。フォローでは低い位置にクラブが抜けるイメージを持とう。

アプローチの打ち分けは、右手の使い方を変えるだけ!

アプローチで効率よくインパクトするには、フェースローテーションしたり、下半身を切ったりせず、軸をブラさずにクラブを使うこと。上体やクラブが先に動くくらいでちょうどいい。イメージは、右手でボールを下から投げるイメージ。そうすることで、意識しなくても自然にリリースできる。また、少しオープンに構えることで、右手が使いやすくなり、ボールの打ち分けがしやすくなる。それでは、右手の使い方を変えることでできる、3つのアプローチの打ち分け方を教えてもらおう。

ピッチエンドラン

少しオープンに構えて、右手で目標にボールを投げるようにゆるやかにスイングする。キャリーとランの割合をしっかりイメージしよう。

ボールを上げたい時

基本のボール位置より、少し左にボールを置き、ボールをふわりと投げるようなイメージでスイングする。フェースを返さないよう注意。

転がしたい時は

基本のアドレスよりも少しハンドファースト気味に構え、ボールを前に転がしてカップに寄せていくイメージでスイングする。

アプローチのインパクトイメージを完全マスターするたのに最適!「クロスハンドアプローチ」

アプローチのインパクトイメージを正しく理解するには、クロスハンドグリップでの練習が効果的。クロスハンドにすることで、アドレスが傾かず、ハンドファーストが強くなりすぎることもない。スイング中は、左手の甲をフェース面だとイメージし、クラブヘッドと連動して動かせることができれば、いいインパクトができる。右手は使いたいけれど、早くほどきすぎちゃう人、左サイドの使い方がわからない人にも効果的。

①クロスハンドに握り、基本のカタチでアドレスする。 ②早くほどくことができないので、自然にリリースできる。 ③あおり打つこともできないので、フォローも決まる。

坪井ミサトのゴルフ成長日記⑤

アプローチは練習するのが難しい……です

初ラウンドのときに最も難しいと感じたのがパッティングとアプローチでした。そもそも打ち方がまったくイメージできなくて、距離感がどうというレベルにも至らず……。でも、右手でボールを投げるイメージというのは、わかりやすいですよね!練習に取り入れて、アプローチ上手を目指します!

目澤秀憲
めざわ・ひでのり。1991年2月17日生まれ。東京都出身。大学卒業後渡米し、日本に数名しかいない、アメリカのレッスンプロの資格TPI(TitlistPerformanceInstitute)レベル3を取得。河本結のコーチを務める傍ら、アマチュアにもレッスンをしている。日本大学卒業。2021年4月に開催されたマスターズで松山英樹がアジア人初となるマスターズチャンピオンになった際も、サポートメンバーとして松山を支えた。

ナビゲーター
坪井ミサト
つぼい・みさと。1996年10月30日生まれ。奈良県出身。小学生から野球を始める。球速最高107キロ(ミズノ『MAQ』測定)。フィットネスインストラクターの資格を取得。フルマラソン4時間09分の記録ももつアスリート女子。ゴルフは2020年春から始めたばかり。

協力/DO-1 GOLF BY MAB Golf Lab.


脱!万年アベレージゴルファー「ゴルフ リビルド レッスン」

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