プレーヤーズ選手権に存在する「不吉なジンクス」とは!?
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.68
今週の米ツアーは準メジャーともいわれるプレーヤーズ選手権である。このビッグトーナメントには、あるジンクスがある。そのジンクスに挑むのが、ディフェンディングチャンピオンのロリー・マキロイだ。
プレーヤーズ選手権に存在する〝不吉なジンクス〟とは!?
プレーヤーズ選手権が創設されたのは1974年のことである。トップクラスの選手が集結するビッグトーナメントだけに、歴代優勝者にはジャック・ニクラウスやグレッグ・ノーマン、フィル・ミケルソンにタイガー・ウッズといった時代々々を代表する選手の名前がずらりと並んでいる。
だが、これまで連覇を果たした選手は誰もいない。主な選手で例を挙げれば、1974年の第1回大会覇者のニクラウスはその後、1976、78年と1年おきに3勝を挙げているが、優勝翌年の順位は18位、5位、33位。ウッズは大会初優勝を飾った2001年の翌年が14位、2勝目を挙げた2013年の翌年は欠場という具合だ。
ディフェンディングチャンピオンの最高順位はニクラウスら3例ある5位。優勝者との最少ストローク差は4打差で、優勝争いにすら加われていない印象だ。
前年優勝者が最後にトップ10に入ったのは2005年アダム・スコットの8位で、もう16年も前になる。2006年以降は16位が最高。予選落ち(棄権を含む)も5回あり、大苦戦している。
昨年は初日終了後に新型コロナウイルス感染拡大の影響で急きょ、中止となったが、ディフェンディングチャンピオンとして臨んでいたマキロイは苦戦していた。パープレーの72にとどまり、コースレコードタイの63をマークした松山英樹から9打差の暫定83位と出遅れていたのだ。
米ツアーでプレーヤーズ選手権が創設された1974年から現在まで継続的に開催されているトーナメントは26大会ある。その中で1974年以降連覇が1回もないのは3大会だけだ。ただし、プレーヤーズ選手権以外の2大会(チャールズシュワブチャレンジとウィンダム選手権)は共に歴史が非常に長く、1973年以前には大会連覇の例がある。プレーヤーズ選手権のように長く開催しているのに1回も連覇がない大会は極めて異例である。
仕切り直しのような形で再度、ディフェンディングチャンピオンとして臨むマキロイが「連覇できない」というジンクスを破れるか、それともジンクスに屈するのか、注目したい。
プレーヤーズ選手権最近10大会の優勝者と翌年成績
年度 | 優勝者 | 翌年成績 |
---|---|---|
2010年 | T・クラーク | 棄権 |
2011年 | K・J・チョイ | 予選落ち |
2012年 | M・クーチャ | 48位 |
2013年 | T・ウッズ | 欠場 |
2014年 | M・カイマー | 56位 |
2015年 | R・ファウラー | 予選落ち |
2016年 | J・デイ | 60位 |
2017年 | キム・シウ | 63位 |
2018年 | W・シンプソン | 16位 |
2019年 | R・マキロイ | ? |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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