PGAツアーで日本ツアー勢がFW キープ率ワンツーフィニッシュ!!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.69
2月に行われたWGCワークデイ選手権の部門別データを見ると、日本ツアー勢がフェアウェイキープ率で1、2位を占めていた。それも、日本ではめったにお目にかかれないような数字で。そこで日米のフェアウェイキープ率はどれほど差があるのか、調べてみた。
PGAツアーで日本ツアー勢がFW キープ率ワンツーフィニッシュ!!
昨年の日本オープンチャンピオン、稲森佑貴が初めてアメリカ本土のトーナメントに挑んだWGCワークデイ選手権。順位こそ48位だったが、フェアウェイキープ率は89.29%という非常に高い数字を残して、5年連続フェアウェイキープ率1位の精度を大舞台でも証明した。
ところが、この数字で部門2位。さらに上をいく選手がいたのだ。
その選手は、オーストラリアのブラッド・ケネディ。そう、日本ツアーを主戦場にしているケネディだ。昨年はコロナ禍で来日できなかったが、豪州ツアーで好成績を収めてWGCの出場権をつかんでいたのだ。
ケネディのフェアウェイキープ率は91.07%。4日間でフェアウェイを外したのは、たったの5回だけだった。
稲森もケネディもティショットを曲げることが少ない選手だが、それにしても数字がすごすぎる。昨シーズン(2019年)の日本ツアーでのフェアウェイキープ率は稲森が69.39%(1位)でケネディが59.91%(12位)だから、日本での平均よりはるかに高い数字を叩き出したわけだ。
その理由は日米のコースの違いに他ならない。アメリカのコースのフェアウェイは日本よりはるかに広いからだ。
下に過去5シーズンの日米両ツアーの平均フェアウェイキープ率を掲載しているが、米ツアーはすべて60%台で日本ツアーはすべて50%台。差は歴然としている。
飛距離はどうかというと2019年を例に挙げれば米ツアーの平均は293.9ヤードで日本は287.5ヤードだから米ツアーのほうが6.4ヤード飛んでいる。単純に考えれば飛距離が出るほどフェアウェイキープ率は下がるものだが、米ツアーのコースは飛ばし屋のティショットをしっかり受け止めるだけのフェアウェイ幅があるということだ。
最後に、日本ツアー一番の飛ばし屋、チャン・キムも出場していたので、彼のフェアウェイキープ率も紹介しておこう。それは75.0%で19位というなかなかのものだった。ちなみに2019年の日本での数字は51.0%で部門78位だった。
日米両ツアー過去5シーズンの平均フェアウェイキープ率(2015〜19年)
シーズン | 米ツアー | 日本ツアー |
---|---|---|
2015年 | 61.72% | 54.73% |
2016年 | 60.16% | 55.02% |
2017年 | 60.55% | 53.55% |
2018年 | 61.42% | 55.00% |
2019年 | 62.33% | 53.92% |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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