2021年8戦4勝の稲見萌寧はなぜブリヂストンのツアーB XSを使うのか?
2020年JLPGAツアーでも勝率5割!! 世界屈指の飛ばし屋も、タイガーも、みんなツアーBを使っている!!|気になるギア
発売から約1年が経過しているにもかかわらず、ブリヂストンの「ツアーBボール」がずっと売り上げ上位にランクインしているとの話が聞こえて来た。早速調べたところ、凄いことになっていた。
GOLF TODAY本誌 No.586 129〜133ページより
ブリヂストンのボール「TOUR B X」「TOUR B XS」が凄いことになっていた!
2020日本女子ツアー14戦中7勝(公式戦2勝含む)海外メジャー(全米オープン)も制覇
タイガー効果だけではなく実力で勝利と人気を獲得
ブリヂストンのボール、「TOUR B X」「TOUR B XS」ボールは、タイガー・ウッズのマスターズ復活優勝で人気が高まったという話をゴルフショップの店長から聞いていたが、それだけでは終わらなかった。2020年日本女子ツアー14戦中7勝、さらに、世界屈指の“飛ばし屋”デシャンボーも彼女たちと同じボールを使用して全米オープン制覇という実績を残していた。
タイガーはボールを選ぶ時に「自分が空中にイメージした“窓”にショットが通って行くか」を基準にしているという。自称「ゴルフ化学者」のデシャンボーは高濃度の食塩水にボールを浮かべ、テストした結果ツアーBボールは偏芯がなく最も高精度だから選んだという話も伝えられている。そんな彼らの眼鏡にかない、数多くの勝利に貢献した実績こそが、そのパフォーマンスが超一流であることの証明なのだ。
2021年も快進撃中!!「TOUR B X」「TOUR B XS」の2020年、主な戦績を振り返る
稲見 萌寧【ツアーB XSを使用】
ツアーB XSの風に強い弾道と高速グリーンでもピンを狙えるスピン性能が気に入っていると言う稲見萌寧。2021年は「明治安田生命レディス」を皮切りに2週連続優勝を含む4勝をマーク。JLPGAツアー2020-21シーズンの勝利数を5に、ツアー通算勝利数を6に伸ばしている。
ブライソン・デシャンボー【ツアーB Xを使用】
あれだけのロングヒッターが、日本の女子プロと同じボールを使用し、しかもどちらも全く問題なく、好成績を上げていることが、いかにツアーBが高性能なボールなのかを証明している。
タイガー・ウッズ【ツアーB XSを使用】
ナイキがゴルフギアから撤退した後、クラブはテーラーメイドと契約したが、ボールはツアーBを選択。以後ずっとツアーBを使用し続けている。
古江 彩佳【ツアーB XSを使用】
「風に負けず安定した弾道で狙ったところへ打って行ける」とツアーBボールを評価。2020年初優勝を含む3勝はこのボールがあってこその結果なのだろう。
原 英莉花【ツアーB Xを使用】
2020年は国内公式戦2勝というこれまでで最高の年。人気に負けない実力を発揮。「イメージ通りの弾道で飛ぶ、スピン性能を信じて狙って行けるからピンデッドに攻められる」とボールの性能に満足。
渡邉 彩香【ツアーB XSを使用】
ドライバーに苦しんだ果ての、5年ぶり復活優勝には、ボールの性能も一翼を担っているはず。
ジェイソン・デイ【ツアーB XSを使用】
2021年から用具契約フリーとなったジェイソン・デイはツアーB XSを使用中。アプローチのスピン性能がその理由だと言われている。
ツアーBはバーディ量産ボールだ!
バーディ量産ボール!? ツアーB X・XSボールの気になる実力を試打で確認
Wedge&Putter〔どちらも高性能。ショートゲームではあまり差を感じない〕
ウェッジではどちらもフェースに喰いつき感がありイメージ通りの高さとスピードで飛んで行くから狙ったところに打てます。スピンはXSが少し多くなります。パターではタッチを出しやすい適度に軟らかな打感でコロがりの差はありません。
Iron〔直進性に優れるX、スピンコントロール性の高いXS〕
両者の差を大きく感じます。Xはつぶれるけれど弾き感があるのでストレートボールを打ちやすく距離もちょっと伸びます。XSはフェースに張り付くようにつぶれるので弾道&スピンコントロール性が抜群。
Driver〔ドライバーの飛距離を求めるならツアーB X〕
XとXSを打ち比べるとXのほうが5ヤードくらい飛ぶ感じです。ただしXSが飛ばないというのではなく、XSも飛びますが、、Xはさらに飛ぶということです。また、打感はXSのほうがソフトです。
ツアーB XとXSは【ショートゲームでの性能差を感じない】ところがすごい!!
試打評価でドライバーやアイアンでは打感や弾き感、スピン量に差があるのにウェッジとパターでの差は、ほとんどないというところがツアーB X・XSの最大の特徴と言えるだろう。
これまでは、ドライバーで弾き感やソリッド感のあるボールはショートゲームも同様だった。単純に言うと、ドライバーで飛ぶボールはショートゲームの打感も硬めで弾きが強い。ショートゲームでソフトなボールは、ドライバーの飛距離が劣るという二者択一だった。
しかし、ショートゲームの性能が変わらなければ、ドライバーの飛距離を生かすならX、アイアンの切れで勝負するならXSというように、自分のプレースタイルに合わせてボールを選べば自分の得意なショットを生かしてスコアを出しやすいということになる。この特性が2020年のツアーBボールの戦績の源ということだ。
ツアーB X・XSはここが凄い!
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衝撃の大きいショットではコアとインナーカバーの反発力で高初速に!
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衝撃の小さいショットでは、カバーが衝撃を吸収してゆっくりと飛ぶ。
フルショットとアプローチで初速性能が変わる大発明!
ツアーB X・XSボールに採用されているカバーには衝撃吸収材が配合されている。飛ばしたいのだから「衝撃吸収材」なんて、通常ならばボールにはタブーの素材。あえてこれを使ってしまったところが大発明と言える。カバーが吸収できる衝撃は限界があるからカバーで吸収される分はボール内部の反発力を上げればトータル飛距離は変わらない。衝撃の小さいアプローチやパターでは、ボールの初速が落ちてコントロールしやすく、しかも打感もソフトになるという仕掛けが「リアクティブウレタンカバー」なのだ。
ツアーB X・XSは飛ばしたいときには「高初速」、寄せたいとか入れたいときには「低初速」が得られる魔法のようなボールだった。
テスター
田所嵩瑛
(たどころ・たかあき)
1998年生まれ、茨城県出身、サザンヤードCC所属。小学6年でゴルフを始め、2016年研修生となり、2019年プロテストに一発合格を果たした、気鋭の若手プロ。
撮影協力/サザンヤードCC(茨城県)