朝の練習グリーンではロングパットで距離感を養う!藤田寛之が教えるグリーンの読み方&打ち方
第3回 ライン読みとタッチを合わせる
パットのラインはグリーンのスピードに応じて、大きく変化する。それを事前に把握してスコアアップにつなげよう! 今回はライン読みとタッチを合わせるポイントを解説。
GOLF TODAY本誌 No.588/126〜129ページより
10メートル以上のロングパットで距離感を養う
パットのラインというのは、一つではありません。ボールの曲がり方(切れ方)は同じアンジュレーションでも、強く打つなら小さく、ジャストタッチなら大きくなります。もちろん、上りと下りでも異なります。
そのライン読みと自分のタッチを合わせるには、グリーンのコンディション、とりわけ「スピード」をつかむことが先決。スタート前の練習グリーンが、その最大のチャンスです。
私の場合、ボールを3個用意し、10メートル以上のロングパットから始めます。カップを狙い、ボールが自分のイメージどおりにコロがるのか、スピードが速いのか遅いのかを感じながら打ちます。そしてラインを往復したり、グリーンを1周したりして、そのコースのスピードをつかむことが大切。ここで距離感を養っておけば、ラインをイメージしやすくなる上に、3パットのミスを確実に減らすことができます。
10メートル以上のロングパットで、スピードをチェック。カップを中心とした大きな円の中にボールが集まるまで、ターゲットを変えながら練習を行う。
ラインを往復したり、グリーンを1周したりして、タッチを磨くことが重要。さまざまなラインを打つことで、そのコースのコンディションがわかる。
カップの入り口を定めて最後のひとコロがりまで鮮明にイメージしよう
スタート前にグリーンのスピードをつかんだら、そのスピード感を体に残したまま本番に臨みましょう。コースでは、上りや下りなどの状況を的確に判断した上で「打つ強さ」を決め、傾斜の度合いによって「カップの入り口」を定めます。
カップを時計盤に見立て、例えば、上りのフックラインなら「5時」、下りのスライスラインなら「8時」というように、カップの入り口を設定。ボールのコロがりを頭の中にしっかり描きます。 カップインするまでの最後のひとコロがりまで鮮明に描くことが大事。こうしてイマジネーションを働かせることで、タッチが合うようになります。
傾斜だけでなく、打つ強さによっても「カップの入り口」が変わるため、それを明確にして、カップインするまでのボールのコロがりを鮮明に描く。
同伴競技者のコロがりを観察する
グリーンのスピードをつかむためのもう一つのチャンスは、同伴競技者のパット。打ち方ではなく、ボールのコロがりをよく観察し、より多くの情報を集めよう。
ラインの延長線上とアドレスの位置で素振りを行う
ライン読みとタッチが合わないという人は、頭に描いたイメージが体にうまく伝わっていないことが考えられます。そこで次の方法を試してみましょう。
まずラインの延長線上に立ち、ボールのコロがりを頭に描きながら素振りを行います。ボールからカップへと目線を動かしつつ、カップインするイメージを高めます。
次にアドレスの位置に回り込み、もう一度同じ作業をします。つまり、打つ前に「2か所」で素振りを行うことで、脳からの指令を体(指先)に繰り返し伝えるのです。
長い距離のときは、カップを見ながら素振りをするだけでも、体が自然に反応し、距離感がよくなりますよ。
上達の秘訣
ラインは「自力」で読む!
キャディがいても、自分の力でラインを読み、失敗を含めた経験を積み重ねることが大事。ラインを毎回キャディに訊く人は、読む能力が身につかず、上達しない。
藤田寛之
ふじた・ひろゆき
(葛城GC)
1969年6月16日生まれ。168㎝、70㎏。福岡県出身。ツアー18勝。年齢を重ねるごとに勝ち星を増やし、40代で12勝をマーク。2012年には年間4勝を挙げて43歳にして初の賞金王に輝いた。23年連続で賞金シード入り。得意クラブはパター。
取材協力/葛城ゴルフ倶楽部