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ゴルフが上手い人には怖がりが多い? いやいや、リスクマネジメントに優れているのです
スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.30
コースマネジメントとメンタルはまったく別物と思われがちだが、スコアをうまくまとめるにはマネジメントとメンタルをセットと考えるべきだ。今回はリスクを徹底的に避ける作戦と、目標をどう絞るかの思考がいかに密接につながっているかの例をあげてみよう。
ゴルフトゥデイ本誌590号/74〜75ページより
【マネジメント編】バンカーをとことん避ける作戦でベストルートを発見しましょう!
ゴルフの上手い人はリスク回避を第一に考えている
先日アマチュアの方々とラウンドして気づいたことですが、「バンカーが大の苦手です」と口では言っていても、苦手なバンカーを避けて通る作戦を立てようとしない人がとても多いんですね。調子がいいと90が切れる人でも、バンカーにつかまる回数が多い日は悪戦苦闘して100オーバーということもザラにあります。
ピンの位置が左で、グリーンのすぐ左にバンカーという場面を例にあげましょう。本当はバンカーを避けてグリーンの右半分に運んでおくべきなのに、ピンに真っすぐ打ちたい欲に負けて、強引に狙いにいった結果ミスしてバンカーにつかまったら、次はピンが近い超難度のバンカーショットが残ってしまいます。
ゴルフは欲との闘いとも言いますが、バンカーが嫌いで1回で出せる自信がないのなら、バンカーをとことん避ける作戦を立ててプレーしてみてください。リスクを避けることを第一に考えればスコアをロスしない安全確実なルートが見えてきます。
また、ティショットでも、できるだけバンカーに入れない作戦を立てましょう。ただし、バンカーがベストルートを教えてくれるケースも多いので、その見極めが大事です。
たとえば左ドッグホールなどは、左サイドの曲がり角と逆サイドにバンカーを配置されているケースがよくありますよね。ついバンカーを避けて危険な曲がり角の近くに打ってしまいがちですが、実際にはバンカーの方向に打ったほうがセカンドショットでグリーンを狙いやすくなります。飛びすぎてバンカーに届きそうなら、5番ウッドやユーティリティクラブなどを選択し、バンカーの手前に運んでおきましょう。
このように色々な意味でバンカーを避ける、あるいはバンカーまで届かないクラブを選択するなどのマネジメントを覚えると大叩きがなくなり、自然とスコアアップしますよ。
伊能恵子
(いのう・けいこ)
千葉県出身。男女ツアープロをサポートするプロキャディの第一人者。現在は主に片岡大育のキャディをつとめる一方、リンパセラピストとしても活躍中。
【メンタル編】Q.「どこを狙っていいかわからず、いつも迷ってしまいます」
真ん中を捨てればプレッシャーを背負わなくて済む
私はよくアマチュアの方々にコースの攻め方を教えながらラウンドレッスンをしますが、スコアがなかなかまとまらない人たちは、「そんな狙い方をしたらそりゃ苦しいし、プレッシャーがかかってミスするのも当然だな」というような攻め方に走ってばかりいます。
皆さん、ナイスショットが打てたらラクになると思い込んでいるんですね。フェアウェイに飛べば後がラクだし、ピンの近くに乗ってくれたらもっとラク。そんな理想を描いてばかりいるから、つねにプレッシャーを背負うことになり、結果がともなわなくなるのです。
アマチュアとのラウンドレッスンでは、私はたまに左打ちでプレーします。慣れない左打ちですとダフリやトップ、ヒッカケなどがよく出ますから、ミスしてもOBを打たないとかバンカーに入れないなど、極力プレッシャーがかかない方向に打つんですね。そうすればいつも90台のスコアを出せるわけです。
私は「真ん中をなくす」という考え方の話をよくするのですが、これはティショットでもアイアンショットでも真ん中ばかりを狙わないで、右と左のどっちが安全かを見極めることで自分に余計なプレッシャーをかけなくて済むという内容です。そうすればショットがあまり安定していなくても、自分をラクにする攻め方ができるようになり、メンタルが崩壊しません。
右サイドがOBなら真ん中を捨てて左を狙う。左がOBの場合は右に打つ。左なら左、右なら右。真っすぐ真っすぐ攻めるよりはラクにプレーできるはずです。さらには真ん中をなくす考え方で、コースを対角線で攻めるメリットにも気づきます。結局メンタルはマネジメントの思考と深くつながっているわけで、いかにプレッシャーを背負わないで、いかにラクに攻めるかが決め手なのです。
A.「目標を左か右に絞って自分をラクにしてあげましょう!」
北野正之
(きたの・まさゆき)
1966年5月18日生まれ。93年プロ入り。松原ゴルフガーデン(埼玉県草加市)やサザンヤードCC(茨城県水戸市)などで多くのアマチュアをレッスン。