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2020東京五輪・出場メンバーから見えた、男女選手の五輪への温度差とは!?

「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.92

2021/08/22 ゴルフサプリ編集部

男女ともアメリカ勢の優勝で幕を閉じた東京五輪ゴルフ競技。出場選手のデータを男女で比較すると明らかな相違があった。そこから読み解けるのは五輪に対する温度差である。

出場メンバーから見えた、男女選手の五輪への温度差とは!?

男女間で大きな違いがあったのは世界ランキング上位者の出場数である。競技が行われた時点での世界ランキング20位以内の選手数は男子が7人だったのに対して女子は倍以上の16人だった。

男子は出場予定だった1位のジョン・ラームと6位のブライゾン・デシャンボーが新型コロナウイルスの陽性反応が出たため欠場となるパプニングもあったが、それ以前にダスティン・ジョンソン、ティレル・ハットン、ルイ・ウェストヘーゼンといった20位以内の面々が辞退を表明。前回のリオデジャネイロ大会同様に多くの上位陣を欠く形となってしまった。

一方で女子は世界ランキング20位以内で出場資格を持っていた選手が16人だった。つまり、出場資格があった選手は全員が参加したわけで、出場しなかった4人は1カ国あたりの「枠」の関係で出たくても出られなかったのである。稲見萌寧は「ベストメンバー」がそろった中で銀メダルを手にしたわけだ。女子はリオデジャネイロ大会でも出場資格のあった上位陣は辞退者ゼロだった。

メジャー優勝経験者の人数でも男子が6人だったのに対して女子は16人と3倍近い数。リオデジャネイロ大会に続いて2大会連続出場した選手の数では男子が9人、女子は27人と圧倒的な開きがあった。これらのデータを見ると、男女の間に五輪に対する大きな温度差が存在することは否定できないだろう。

ゴルフ同様にプロのツアーが確立しているテニスが五輪競技に採用されたのは1988年のソウル大会だった。当時、男子は世界ランキング上位選手が軒並み欠場したのに対して、女子は多くの有名選手が参加していた。現在のゴルフと同じような状況だったのである。

テニスはその後、男子もトップクラスが数多く参加するようになり、五輪競技として定着した感がある。五輪競技としてのゴルフにどれだけの重要性があるかは意見が分かれるところだろうが、世界的な普及という視点から考えれば五輪の影響は決して小さくはないはず。3年後のパリ大会、男子のトップクラスはどれだけ参加してくれるのだろうか。

東京五輪ゴルフ競技出場者データ

男子 女子
世界ランキング20位以内 7人 16人
メジャー優勝経験者 6人 16人
2大会連続出場者 9人 27人


文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。

撮影トーナメント/東京2020オリンピック
撮影/渡辺義孝



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