R&Aは「SUSTAINABILITY」を重視
SDGsとゴルフ|第3回
SDGsとは,Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、17のゴール・169のターゲットから構成されている。
SDGsの主要なキーワードである「SUSTAINABILITY(持続可能性)」。世界のゴルフ界においても、優先事項の高いテーマとして議論されている。ゴルフの総本山ともいわれるR&A(royal and Ancient Golf Club of St'Andrews)のホームページを見ると、「SUSTAINABILITY」という文字が目立つところに掲載されている。
GOLF TODAY本誌 No.592/101ページより
持続可能な社会のためにやるべきこと
R&Aは「SUSTAINABILITY」が重要な優先事項と宣言
世界のゴルフルールを決定するに当たって指導的な役割を果たしたり、全英オープン、全英アマなどの世界的な競技を主催しているR&A。そのホームページを開くと、グローバルナビゲーションにはSDGsでお馴染みのキーワードがある。「SUSTAINABILITY」だ。
クリックすると概要を説明するページにリンク。「SUSTAINABILITYがゴルフの重要な優先事項である」という冒頭の文章から始まり、ゴルフ事業は「自然を保護し、コミュニティに利益をもたらし、資源を保全するものでなければなりません」と明確に書かれている。さらに、ゴルフにおける「SUSTAINABILITY」の課題として「自然」、「コミュニティ」、「資源」の3つの側面から解説している。
2017年に日本でR&Aがサスティナビリティ(SUSTAINABILITY)セミナーを開催
R&Aが提唱する「SUSTAINABILITY」の考え方は、日本にも伝わっている。2017年3月、R&Aサステナビリティセミナーが横浜カントリークラブで開催。ゴルフ場関係者など200人を超える方が受講した。
セミナーではR&Aやゴルフ環境団体の講師からゴルフコースの設計や改造、メンテンナンスにサスティナビリティを組み込む方法の概要が示された。
また、ゴルフをよりシンプルに、より楽しくプレーできるようにするためのルールの簡素化(2019年より実施)、地域とゴルフの関わり方などについても様々な事例を交えて説明された。
日本のゴルフ、ゴルフ場では「SUSTAINABILITY」への動きが加速中
「SUSTAINABILITY」の動きは、日本のゴルフ界にも浸透中だ。例えば神奈川県の大箱根カントリークラブでは、ホームページで「SDGsの取組みについて」というページを公開。R&Aのサスティナビリティに関する指針を元に行ったというコース管理の事例や生物多様性に配慮したメンテナンスについて写真付きで紹介している。
また以前は地域住民から「近くて遠い」とも言われていたゴルフ場だが、最近はコースを一般開放するイベントが増加。高齢者にゴルフ場を開放して認知症予防に役立てたり、子供たちに開放して芝滑りやスナッグゴルフなどで楽しんでもらうなどすることで、地域社会から感謝される存在となっているゴルフ場も少なくない。
この「SUSTAINABILITY」の取り組みはまだまだやれることがあるはず。ゴルフやゴルフ場を次世代へ引き継ぐために、ゴルフを愛する我々ゴルファーにとっては今後も考えていきたいテーマだ。
北村 収
1968年東京都生まれ。ゴルフ雑誌(ALBA)編集部、ゴルフダイジェスト・オンライン メディア部門に所属後、2011年に株式会社ナインバリューズを設立。ゴルフ分野を中心に、取材・執筆・編集からソーシャルメディア、web、Eコマースの企画運営まで総合プロデュースを手掛ける。
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