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プロ2年目でメジャー2勝目!準備力でパットを改善したコリン・モリカワのメジャー2度目のノーボギーV
世界の杉ちゃんが診る|今月の一打
プロキャディー・ゴルフ解説者の“世界の杉ちゃん”こと、杉澤伸章氏が海外メジャー現地からレポート! 今回はコリン・モリカワがメジャー2勝目を飾った『全英オープン』を解説。
GOLF TODAY本誌 No.591/71ページより
練習ラウンドは「ボールを打たずにコースを歩いて」入念チェックしたコリン
今年の「全英オープン」は練習日から最終日まで試合会場のロイヤルセントジョージズGCにいましたが、実は練習日から気になっていたシーンがありました。それは練習ラウンドのときに、コリン・モリカワ選手がボールを打たずにキャディと一緒にコースを歩きながら、入念にコースチェックをしていたことです。選手はラウンドしながら(ボールを打ちながら)コースを回るのが普通ですが、モリカワ選手はコースの隅々までチェックしながら、ボールを打たずに歩いていました。
それが印象に残っていたのですが、試合が始まってモリカワ選手が優勝争いに加わると、用意周到に準備をしていたショット、アプローチ、パターが徐々にハマり出す展開になりました。彼は決して自分のプレーでコースをねじ伏せるスタイルではなくて、コースに合わせて自分を調整するのが上手い。だから、初日、2日目、3日目、そして最終日とラウンドを重ねるほどプレーが良くなっていく。「全英オープン」も最終日はノーボギーでしたが、メジャー初優勝を飾った昨年の「全米プロ」も最終日はノーボギーでした。
ショットの貢献度とパーオン率はツアー1位
PGAツアーの部門別データでパーオン率とストロークゲインド ティトゥグリーン(スコアに対するショットの貢献度)は、ともに1位!
ギャラリーに愛された性格
1日に3万2000人前後のギャラリーを入れた「全英オープン」。紳士的でスマートなプレーをするモリカワには大歓声が送られていた。
ノーボギーでプレーできた最大の要因はパッティングです。最終日をトップでスタートしたウーストヘーゼンは惜しいパーパットを外してスコアを落としていきました。モリカワ選手は元々、「パターに難あり」という選手でしたが、「全英オープン」の最終日は4番、6番、15番でいずれも3メートル前後の難しいパーパット、さらに10番では5メートル近いパーパットを危なげなく沈めました。初日から比べると、最終日は明らかにグリーン上でのライン読みや距離感に自信を深めた雰囲気でした。
そういった準備が出来るからこそ、「全英オープン」も「全米プロ」も初出場初優勝の快挙を達成できたと思います。
日系4世のスーパーエリート
カリフォルニア出身のモリカワは日系4世。超名門のカリフォルニア大学バークレー校を卒業したスーパーエリート。
史上初! メジャー2試合で初出場V
昨年の「全米プロ」に続き、今年の「全英オープン」も初出場で初優勝。メジャー2大会で初出場初優勝を飾ったのは史上初の快挙。
最終日は1打差リードでスタートしたウーストヘーゼンを逆転して、スコアを伸ばしてきたスピースに2打差をつけて優勝。
杉澤伸章(すぎさわ・のぶあき)
1975年7月5日生まれ。02年から丸山茂樹の専属キャディとして米国ツアーを転戦。13年には宮里優作のキャディを務め、「日本シリーズ」での初優勝にも貢献。現在はゴルフ中継番組のレポーターとしても活躍。
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