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アプローチショットの種類と打ち方

人気プロコーチ・大西翔太がわかりやすく解説!

2021/09/24 ゴルフサプリ編集部

アプローチショットといってもグリーン周りの状況によって、ボールを低くコロがしたり、高く上げたりなど様々なテクニックの使い分けが要求される。「でもスイングが大きく変わるわけではありません。ボールの位置を変えるだけでいろいろな打ち方ができますよ」と大西翔太コーチ。だれでも簡単にマスターできるというシンプルアプローチのポイントを解説してもらおう。

アプローチショットの種類と打ち方

アプローチショットの種類

最初にアプローチショットの種類について説明しましょう。アプローチショットには次の4つの打ち方があります。

・ピッチエンドラン
・ランニングアプローチ
・ピッチショット
・ロブショット

ピッチエンドランはアプローチの基本的な打ち方で、ボールを上げてコロがすショットです。ボールからグリーンエッジまで10ヤード、グリーンエッジからピンまで20ヤードといった場面で20ヤードくらいのキャリーでグリーンに乗せて、10ヤードくらいコロがすという具合です。

ランニングアプローチはボールがグリーンの近くにあり、ボールを低くコロがしてピンに寄せたいときに用います。ボールからグリーンエッジまで3ヤード、グリーンエッジからピンまで20ヤードという場面などはキャリー5ヤード、ラン18ヤードのイメージで打ちます。キャリーでピンの近くに落としてもいいのですが、なるべく低くコロがす方が距離感が合いやすく、ミスヒットが少ないといえます。

ピッチショットはボールを上げて止める打ち方です。ボールからグリーンエッジまで20ヤードとやや遠めで、グリーンエッジからピンまで10ヤードといった場面ではランを少なく抑える必要があります。こんなときはキャリー25ヤード、ラン5ヤードのイメージで打ちます。

ロブショットもボールを上げて止めるテクニックですが、ピッチショットはスピンで止める感覚なのに対してロブショットの場合はボールの打ち出し角をさらに高くして、ピンの真上から落とすイメージとなります。スピンをあまりかけず、ボールの高さで止めるという感覚です。ボールがラフにあって、ピンが手前側やグリーンが下っているときなど、とっておきのワザとして用いるショットです。

4つのショットの打ち方がまったく違うように思うかもしれませんが、実際はボールの位置を変えるだけで、スイングはそれほど変える必要はないのです。ピッチエンドランはボールをスタンスの中央に置き、ボールを右足のツマ先の前に置けばランニングアプローチ、左足のツマ先の前ならピッチショットという具合に簡単に打ち分けられます。ロブショットはピッチショットの構えからスタンスをオープンにして、フェースを開きます。

ピッチエンドランはアプローチウェッジ、ランニングアプローチはピッチングウェッジや9番アイアン、ピッチショットとロブショットではサンドウェッジという具合に打ち方によってクラブを使い分ける方法もありますが、ボクとしてはどのショットもサンドウェッジを使うことをオススメします。サンドウェッジ1本で4つのアプローチを打ち分けられるようになると、状況対応力やそれぞれの状況にマッチしたショット能力が早く身につくからです。

もっとも多く用いるピッチエンドランはスタンスの中央にボールをセット。スタンスはスクエアのままでOK。
ランニングアプローチのボールの位置は右ツマ先の前。サンドウェッジのロフトが立ってボールを低くコロがせる。
ピッチショットのボールの位置は左ツマ先の前。サンドウェッジのロフトが増えてボールが高く上がりやすくなる。
ロブショットはピッチショットのアドレスからスタンスをオープンにして、フェースを開いた構えを作る。

アプローチ【1】(ピッチエンドラン)の打ち方とドリル

ボールを上げてコロがすピッチエンドランは狭めのスタンスで立ち、ボールをスタンスの中央、つまりカラダの中心線上にセットします。アドレスの姿勢を真正面から見ると両腕とクラブが大文字のY字となるように構えます。これでサンドウェッジのロフト角どおりに構えることができます。

ピッチエンドランでは両腕とクラブが大文字のY字となるように構える。

スイングに関しては腕や手を使わず、お腹の回転主体でクラブを振ることが最も重要なポイント。アドレスの両腕とクラブのY字の形が変わらないようにお腹を左右に回すだけですから、自分でクラブを振るというよりもお腹の回転でクラブが振られるといった感覚です。スイング中に頭が上下左右に動かないように、構えたときの前傾軸をしっかりキープしてスイング軌道の安定を目指しましょう。

構えたときのグリップエンドとお腹の間隔をキープしてテークバック。腕や手は何もしないで、お腹を右に回転するだけのイメージだ。
お腹を元に戻してインパクト。アドレス時の手首の角度をキープすることが大切なポイント。
お腹を目標方向に向けてフォロースルー。お腹を回せば腕やクラブが勝手についてくるという感覚だ。
アドレスの前傾軸をキープして、お腹を左右に回そう。この基本はどのアプローチも一緒。

ピッチエンドランの練習ドリルは、両手を5〜10センチほど離してクラブを持つスプリットハンドドリルが効果的です。左手をお腹の前にセットし、お腹を左右に回転させることで正しい動きが体感できます。アドレス時のグリップエンドとお腹の間隔が変わらないようにスイングするコツや、手首の角度をキープして腕や手首の無駄な動きを封じ込む感覚がつかめます。

両手を5〜10センチ離してグリップするスプリットハンドドリル。腕とカラダの同調感のマスターに役立つ。
左手をお腹の前にキープしたまま、お腹の回転主体でスイングしよう。

アプローチ【2】(ランニングアプローチ)の打ち方とドリル

ボールを低くコロがしてキャリーよりもランを多く出したいランニングアプローチは、ボールを右足のツマ先の前にセットするだけで、スイング自体はピッチエンドランとほぼ一緒です。ボールを右寄りに置くと両腕とクラブが小文字のy字の構えとなり、フェースが立ってきます。ロフト角が58度とすれば50度くらいとなり、ボールの打ち出し角が低くなるのです。

ボールを右足のツマ先の前に置き、両腕とクラブが小文字のy字となるように構える。ロフト角が減るのでボールを低い角度で打ち出せる。

キャリーが少なめとなるぶん、小さいスイングで打ちますが、構えたときのグリップエンドとお腹の間隔をキープし、お腹の回転主体でスイングすることが大切です。テークバックが必要以上に大きくなりすぎたり、インパクトで手首をコネたりするのはNGです。

キャリーを抑えるぶんスイングは小さくなるが、お腹の回転主体でスイングする大原則は変わらない。
クラブを大きく振り上げすぎたり(左)手首をコネて打ったり(右)してはグリップエンドとお腹の間隔が変わって軌道がブレてしまう。

ランニングアプローチのオススメ練習ドリルはクロスハンドドリル。右手と左手を通常と反対にして持つことで手首の角度をキープしやすくなり、フォロースルーでクラブヘッドを低く出す感覚がつかめます。左手の甲とフェース面を同調させて、ボールを低くコロがすイメージも浮かびやすく、ランニングアプローチの上達に役立ちます。

ボールを低くコロがすイメージを強調するには、クロスハンドドリルが最適。ハンドファーストにも構えやすい。
アドレス時のハンドファーストの形をキープしてインパクト。フォロースルーはクラブヘッドを低く出すイメージだ。
ボールを低くコロがしたいときに、両手をコネてクラブヘッドを持ち上げてしまうのは絶対にNG。

アプローチ【3】(ピッチショット)の打ち方とドリル

ボールを高く上げて止めるピッチショットはランニングアプローチとは真逆で、ランよりもキャリーを多く出したいアプローチです。打ち出し角を高くするためにボールを左ツマ先の前に置きますが、こうすると右腕とクラブがほぼ一直線の逆y字の構えとなります。ロフト角が58度とすれば、フェース面が寝ることで65度近くまで増えてボールが高く上がりやすく、スピンもかかりやすいのです。キャリーを多く出すぶん、スイングが大きくなりますが、スイングの基本ポイントはピッチエンドランと変わりません。

ボールを左ツマ先の前に置き、右腕とクラブがほぼ真っすぐの逆y字のアドレスで構える。ロフト角が増えて打ちだし角が高くなる。
ピッチエンドランの延長のイメージでスイング。腕や手は何もしないで、お腹の回転でボールを打つことが大切だ。

ピッチショットの練習ドリルは、クロウグリップドリルが最適です。クロウグリップの「クロウ(Claw)」とは鷹などの鋭くて曲がったカギ爪や、カニのはさみなどを表わし、クロウグリップは右手をカニのはさみのような形を作り、グリップに手を添えて握るスタイルをいいます。このように握ることで構えたときの手首の角度をキープしやすくなり、右手に力が入りすぎることもなくスイングに柔らかさが出てボールの高さを出しやすくなる効果があります。

右手をグリップに軽く添えるように持つクロウグリップドリル。右手に力がまったく入らず、スイングに柔らかさがでる。
スイング中に腕をネジったり、フェースを返したりしないでインパクトする感覚がつかめる。

アプローチ【4】(ロブショット)の打ち方とドリル

ロブショットはラフが伸びていたり、グリーンが速くて止まりにくいなどタフなコースセッティングのときにプロたちがよく使うテクニックです。ボールの位置はピッチショットとほぼ一緒ですが、フェースを開くことで58度のロフト角が70〜75度近くなり、ボールの打ち出し角がさらに高くなります。ランはほとんど計算せず、キャリーでピンをデッドに攻めるイメージです。オープンスタンスに構えるのはアウトサイドインの軌道でボールをとらえやすくするためと、大きなフォロースルーで振り抜きやすくするためです。

オープンスタンスに構えて、フェースを開くことでボールの打ち出し角がさらに高くなる。
ピンまでの距離でスイングの大きさが変わるが、ピンが近くても思い切りよくスイングする気持ちが必要だ。

ロブショットに効果的な練習はハイティアップ打ちドリルです。LやLLなどのゴムティを使ってボールを高めにティアップし、ボールの下にクラブヘッドを通してボールをクリーンに打つ練習です。鋭角に打ち込んでゴムティだけを打ってしまうダルマ落としでも、ボールを下からすくい打ってもダメ。フェースを開いて構え、できるだけゴムティに触れないようにボールをクリーンヒットし、ボールがフワッと舞い上がれば合格です。フェースを開いているのだから大きく振っても飛ばないと考えて、思い切りよくスイングするのがコツです。

ティアップを高くし、クラブヘッドをボールの高さまで浮かせて構える。実際のロブショット同様、フェースを開こう。
ボールの下のゴムティになるべく当てないで、ボールだけをクリーンにヒットするのがポイントだ。

〈アプローチの種類と打ち方のまとめ〉

・アプローチショットにはピッチエンドラン、ランニングアプローチ、ピッチショット、ロブショットの4つがある。
・ボールの位置を変えるだけで、スイングはなるべく変えないのがシンプルアプローチのコツ。
・構えたときのグリップエンドとお腹の間隔をキープし、お腹の回転主体でスイングすることが大原則。

ボールの位置を変えるだけで、スイングは変えないのがコツ

4つのアプローチのそれぞれの構え方を覚えればアプローチが簡単!

※動画はショット音が流れますので音量にご注意ください。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/静ヒルズカントリークラブ


大西翔太
大西・翔太/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアの育成に尽力する一方で、青木瀬令奈のコーチもつとめる。21年は宮里藍 サントリーレディスオープンで、青木の4年振りツアー2勝目に貢献した。メンタルやフィジカルの知識も豊富。女子ツアープロの大西葵は実妹。



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