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橋本真和のスイング立て直しレッスン|堀琴音・淺井咲希

不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!注目のツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方

2021/12/08 ゴルフサプリ編集部

不調になったら、ミスが出始めたら、このレッスン・ドリルで復活!
優勝したあの女子プロ・男子プロに教えたとっておきのポイントをGOLFTODAY読者だけに公開!

GOLF TODAY本誌 No.594 50〜55ページより

橋本真和のスイング立て直しのポイント・1<堀 琴音のケース>

振り子のイメージで左右対称にストローク!

パットのストロークは振り子の原理でヘッドを動かすだけでいい。左右対称のストロークが理想的だ。

ストローク軌道の最下点近くでインパクトする

2021年の開幕前に、堀琴音選手のコーチをしている森守洋プロの合宿に参加させて頂いたとき、堀選手のパットを見て欲しいということで幾つかアドバイスをしました。

本人も「手が動きづらい」「テークバックでどう上げていいかわからない」と悩んでいたのですが、よくよく見ると極端なくらいアッパーブローに打っていたのです。

ショットもそんな傾向があって、ヘッドをインサイドに低く引きすぎて、ストローク軌道の最下点がボールよりもかなり手前で、ヘッドが上昇し、減速しながら当たっていました。そうなるとロフト角が増えて当たるからコロがりが弱くなるし、ボールが跳ねてしまうケースもありました。

堀選手には動画も見せて、「ストロークの円弧が左右対称形になっていないから、振り子のようにストロークしよう」と伝えました。

修正点はテークバックでヘッドをもう少し高く上げることと、フェースの開閉を少なくすること。ボールケースを使った練習などで、振り子式ストロークのマスターに努めました。

堀琴音はアッパーに打ちすぎるため、ストローク軌道の最下点はボールの9センチくらい手前になっていたという。
パットはややアッパーに打つのがベスト。そこでストローク軌道の最下点がボールの1センチ手前となるように修正した。
インサイドに低く引きすぎるとフェースの開閉が強くなって、ボールのコロがりが安定しにくい。

ボールケースを利用してストローク軌道を修正

ボールを1個ケースの中に入れてシャフトに固定させる。
ケースの面がラインと平行となるように構える。
パターヘッドを見ないで、ケースの平面をラインと平行に動かすのがコツ。

フェースの開閉を抑えるには、テークバックでインサイドに引きすぎないこと。正しいストロークを体感するにはボールのケースをシャフトに固定し、ケースの面を平行に動かす練習が効果的。振り子のイメージで振れるようになる。

橋本真和のスイング立て直しのポイント・1<淺井咲希のケース>

シャフトが直線に動けばフェースが開閉する!

コレがパットの真相!
橋本真和が淺井咲希らツアープロたちに推奨しているパット練習マット。ストローク軌道は直線ではなく、緩やかな曲線を描くのが正解だ。フェースが軽く開閉して見えるが、実際はストローク軌道に対してスクエアに保たれている。これはどんなパターにも当てはまることだ。

シャフトに角度があるからヘッドは軽い曲線を描く

淺井咲希選手も堀琴音選手と一緒でもともとパットは上手いのに、正しい動きを理解していないために、どうしていいか分からなくなってしまうという感じでした。そこで、淺井選手のコーチの黒宮幹仁君と相談して、淺井選手にはシャフトの動きとフェースの動きの関連性を細かく説明しました。

ポイントは「シャフトは直線、フェースは開閉」です。プロでもラインに沿ってヘッドを真っすぐ動かすのが正しいと信じ込んでいる人が多いのですが、ストロークを3Dで立体的に考えれば間違いであることが理解できるはずです。

パターのシャフトには傾きがあるから、フェースが軽く開閉しながら緩やかな曲線を描きます。でもシャフトは構えたときのシャフトプレーンに沿って直線に動かすのが大正解。

ピン型のパターも直進性が高いといわれるマレット型のパターも、実際のストロークは軽い円軌道です。そしてフェースは開閉して見えるけれども、ストローク軌道に対してどこまでもスクエアなのです。

ココがポイント!

シャフトの角度が垂直ならヘッドは完全に真っすぐ動くが、パターには70度くらいのライ角があり、スイングプレーンが傾いている。シャフトはスイングプレーンに沿って直線に動かすのが正しい。そしてヘッドは軽い曲線を描く。
フェースの開閉を意識して、ストローク軌道の曲線がきつくなるのはNG。
「真っすぐ」をカン違いしてストレートに動かすとフェースが開いて当たる。

橋本真和のスイング立て直しのポイント・3<堀琴音と淺井咲希に教えたこと>

グリップエンドとみぞおちを連動させる!

パターのグリップがみぞおちとつながっているとイメージ。そしてグリップエンドとみぞおちを一緒に動かしてストロークする。
グリップエンドがみぞおちから離れては、軌道がブレてしまう。
みぞおちがストロークの支点にならないと、ミスパットを招く。

クロウグリップならシャフトを平行に動かしやすい

パットはショットと比べて、かなり小さいスイングで打ちます。だからこそですが、ヘッドの細かい動きばかりに目がいくと、どう振ればいいのか悩んでしまいやすいものです。

そこでボクはプロたちにも、「グリップエンドがみぞおちについていて、グリップエンドとパターを一緒に動かすイメージがいいよ」とアドバイスしています。

腕とパターがお腹の前についていて、お腹を左右に回すだけといったシンプルなストローク。振り子のように支点をできるだけ動かさない感覚です。

また堀琴音選手も淺井咲希選手も、写真を見てもわかるようにクロウグリップに握っています。独特な握り方といえますが、右手の甲をラインと平行に動かしやすいのが一番の利点です。右手をピストンのように真っすぐ押すイメージを出しやすいため、ヘッドの動きをあまり深く考えず、シャフトを直線的に動かすことに意識を集中できます。合理的な握り方ですから、クロウグリップに握る選手が増加傾向です。アマチュア方々も、も一度試してみる価値アリだと思います。

ココがポイント!

右手の指先の腹をグリップに軽く添えて、右手甲をラインと平行に近い角度にセットするクロウグリップ。こうすると右手甲の面を直線に動かしやすい利点がある。
右手の甲を回転させてはフェースの開閉がきつくなり、クロウグリップの長所を生かせなくなってしまう。
フェースをスクエアにセットしてから右手をクロウグリップに握り直す堀琴音。
淺井咲希も最初は両手のひらを揃えるように握ってからクロウグリップにしている。

堀 琴音
ほり・ことね(ダイセル)1996年3月3日生まれ、徳島県出身。163㎝。21年から好調をキープ。17年以来のLPGAツアーチャンピオンシップ・リコー杯の出場も決めた。

淺井咲希
あさい・さき(小杉CC)1998年6月13日生まれ、兵庫県出身。151㎝。2019年のCATLadies2019でツアーは通優勝を達成。勝みなみ、渋野日向子と同じ黄金世代の一人。

コーチ

橋本真和
はしもと・まさかず
1984年10月17日生まれ。三重県出身。ゴルフテクノロジーに精通し、CAPTOによるパッティング解析や弾道解析、3D解析のコーチとして多数のツアープロやアマチュアをサポートしている。最先端をいくパットレッスンに定評。

写真/Getty Images 取材協力/鎌ヶ谷CC


ツアープロコーチが教える!スイングの立て直し方

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