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ゴルフクラブの「グルーブ(溝)」について考える

深読み! ギアカタログ|今回のテーマ【グルーブ】

2022/01/07 ゴルフサプリ 編集部

深読み! ギアカタログ|今回のテーマ【グルーブ(溝)】

ゴルフはプレーヤーの技術だけでなく、使っている道具の良し悪し、そして選び方が結果を大きく左右するスポーツだ。この連載では、そのゴルフギアについて深く深〜く「深読み」した話を紹介していく。今回は「グルーブ(溝)」について深読みする。

GOLF TODAY本誌 No.595/146〜147ページより

ロフト角25度以上はルールで形状を規制されている

ロフト角25度以上はルールで形状を規制されている

フェースとボールの間に挟まる異物を排除するのがグルーブ(溝)の役目。ラフでの性能に制限をかけるため、ルールでの規制が生まれた。

フェースの溝の基本的な役目は排水機能

クラブフェースのグルーブ(溝)の機能といえば、まずウェッジやアイアンのスピン性能を〝高める〟ためのもの、と考える人は多いだろう。

だが、本質的には〝減らさない〟ため、が正解。というのも、スピンがかかるのはグルーブの有無ではなく、ボールに当たるフェース面の平らな部分の摩擦力が効くからだ。実際、フェースとボールの間に何も挟まらない状況なら、溝なしのウェッジでもスピンはしっかりかかる。

溝の主な役目は、排水機能にある。雨や草が含む水気を取り込み、溝の両端から排出する。ボールとの間に挟まる細かい芝草や、土なども同様に接触面から逃がす。これがなければ、たとえ晴れの日でもラフからはドロップやフライヤーのミスだらけになるだろう。

近年、ドライバーはフェースに溝がないモデルが増えてきたが、その理由は反発機能を高めるための、フェースの薄肉化が要因だ。フェースが割れる危険性を回避するため、溝を入れなくなったわけだ。

代わりに、焼き付け塗装でスコアラインを入れて構えやすくしたり、極細の溝をミーリング加工で入れたりしているが、本来の溝の機能は期待できない。雨の日にはドロップしないよう、タオルでこまめに拭くなど、注意が必要だ。

さて、スピン性能を〝高める〟ことがないのであれば、なぜルール規制があるのか。大元を辿ると、85年登場のピン『アイ2』ウェッジによる〝角溝〟論争が発端だ。

ツアープロの間で、明らかにラフからのショットでスピン量を〝確保できる〟と話題となったのだ。

ショットの正確性に対する恩恵を高めるため、ラフに打ち込んだら相応の難しさがなければならない、クラブでやさしくしすぎてはいけないという観点から、溝の形状に規制を設け、機能を制限する流れが始まったわけだ。

現在は、2010年施行の規制に則ったクラブがルール適合とされているが、一般ゴルファーまで適用されるのは2024年から。下図に示したように、角溝(Uグルーブ)といってもエッジが丸く、溝内の容量が小さければ、ルール適合となる。

ルール規制はエッジ部分

元々は鍛造のVグルーブが主流だったが、鋳造やミーリング加工で角溝(Uグルーブ)がウェッジの定番に。現在はエッジの丸み、幅、断面積のサイズ、間隔など細かい規制がある。

ウェッジに新発想 マイクログルーブ

フェース面の摩擦力を高めるために、現在では打面エリアにレーザー加工などで細かい溝や薄い凹凸のあるプリントを施したモデルが増えつつある。もちろんルール適合だ。

パターもグルーブに注目

パターは、グルーブの形状が接触面を変化させるため、エネルギーの伝達も変化する。インサート素材とともに、打感や打音などのフィーリングのバリエーションを広げている。

スピン性能は溝より接触面の工夫に移行

溝のルール規制が厳しくなっているにも関わらず、最近のウェッジのスピン性能はかなりレベルアップが見られる。その一番の理由は、ボールの変化によるものだろう。プロ仕様ボールのカバー材の主流がウレタンに移行したことで、アプローチなどの低いヘッドスピードでもフェースに食いつきやすくなったことが大きい。硬いサーリンはともかく、昔のバラタも軟らかかったはず、と言われそうだが、実は〝引っかき〟に対する強度が圧倒的に違うのだ。

以前は、角溝ウェッジで打つとカバーがささくれることが結構あったのだが、覚えているだろうか。角溝のエッジが削るわけだが、削れるということはボール自体の回転量は増えない。つまり、フェース面を滑っているのとほぼ同じなのだ。

ウレタンは滅多にささくれない。これは角溝のエッジが鋭さを減らしたからではなく、ウレタン特有の粘りと復元力があるからだ。とはいえ、ウレタンカバーは厚くしたり、よりソフトに仕上げてしまうと、反発性能が落ちて飛ばなくなってしまう。

そこで、カバーに衝撃吸収材を配合したり、コーティングを改良することで、飛距離性能は落とさずに、アプローチでのフェースとの接触時間を高め、摩擦力をアップさせているモデルも登場している。ウェッジ自体も、溝ではなく接触面に細かい加工を施すことで、接触面積を増やす工夫が現在の主流となりつつあるようだ。

さて、ルール規制はロフト角25度以上のクラブに適用される。それ以下のクラブでは、スピン性能には影響がない、という判断だろう。だが、パターは別。近年、フェースに機能的な溝を採用しているモデルが増えているが、溝幅が広く、深いものには、溝の間隔などルールのガイドラインが適用される。

パターの溝には、打球に順回転がかかり始める時間を短縮し、無回転スライドゾーンを減らしてラインに乗せやすくする意図があるようだが、実は打感や打音などのフィーリングに影響する要素のほうが大きい。選ぶ際には試打が必須だろう。

文/戸川 景 イラスト/Mercury


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