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ベン・ホーガン 左のミスを消し切るプッシュフェード

アイアンが際立つ!強い”決め球”の作り方[第5回]

2022/02/26 ゴルフサプリ編集部

弱いスライスと力強いフェードはどこが違うのか?「インサイドからしっかり叩けるかどうか」と森プロ。インサイドから振ったらフック、ドローになりそうだが、ホーガン流の“プッシュフェード”なら可能になるという。

GOLF TODAY本誌 No.595 73〜77ページより

「つかまえる押しむ」がホーガン流パワーフェード

カット打ちではエネルギーのロスが大きい

本当のフェードはドローより飛ばないことはない、と森プロ。

「ホーガン流のフェードは、曲がり幅の少ないスライスではなくて〝絶対左に行かないストレート〟です。つかまりすぎない要素を取り入れて、しっかり打つことでパワーを伝えられます」

逆に、アプローチやバンカーショットのように、フェースを開いてカット軌道で打つような、飛ばさない要素は必要ないという。

「インパクトゾーンで、いかにロフトを立てて押し込めるかを考えます。そうすることでフェースが返る動きを遅らせたり、打ち出しを低くしたりすることで、飛距離もラインも出しやすくなります。このホーガン流の動きを明確に表現しているのが、フェードのレジェンド、リー・トレビノです」

トレビノといえば、オープンな構えからのプッシュフェードが持ち球。シニア入り後も切れ味鋭いショットで大活躍していた。

左手のたぐりみよりも、右手のひと押しでスナップ動作をわずかに遅らせることで、トゥがヒールをいすよりも、ロフトが立ってインパクトしやすくなる。

オープンアドレス+プッシュでフェードを極めたトレビノ

プッシュフェードの条件①右肩を下げる
ダフリを誘発する悪い動きと思われがちだが、手元を低く押しむには必須。手元が先行する限り、ヘッドは手前には落ちない。
プッシュフェードの条件②左手を被せる
左手がフックグリップだと、インパクトエリアで手元を低く動かしながら、押し込みとたぐり込みのバランスが取りやすい。

プッシュフェードの条件③オープンに構える
手元を低く動かしてロフトを立てるには、左サイドを開いたオープンな構えがベター。トレビノの場合、肩や腰の向きもオープンで揃えていた。

<左へのミスを消し切る>押し込むプッシュでラインに打ち出す

左に引っぱらない8の字ループが有効

「外上げ+内下ろし」でカット要素を解消
左へ引っぱる要因の大半は、カット軌道によるもの。インサイドから振り出す軌道を身に着けるドリルとしては、アウトサイドに振り上げてインサイドから下ろす、8の字ループ軌道でプッシュを打つのが有効だ。

ループ軌道なら確実にインサイドから押し出せる

ホーガンの“プレーン乗り換え”を具現化したトレビノの“ループ”
ホーガンがカット打ちを防止するイメージとして提唱した、ダウンでよりインサイドから振り下ろす“プレーン乗り換え”。ホーガン自身のループはわずかだったが、トレビノは30度近いオープンアドレスに従って振り上げ、明確なループ軌道で飛球線に対してインサイドから振り下ろした。

プッシュ狙いはライン出しに一石二鳥

ショットのコントロールでは、インパクトで当てて終わりが一番ダメ、と森プロ。

「パワーロスだけでなく、フェースコントロールも効かなくなります。ヘッドを加速し続けて打ち抜くイメージが大切です」

だが、ヘッドを走らせようとすると、体や手元の動きを止めてしまい、左に引っかけるミスも起こしやすい。

「プレッシャー下でも、確実に引っかけない手段としては、わざとプッシュアウトを打つことです。ボール位置をわずかに右に寄せ、インサイドから打ち抜くプッシュ狙いなら、しっかり叩いて飛ばしながら、フェースを返す動きも抑えられます。

このプッシュ狙いを、オープンアドレスでライン出しに応用したのがトレビノです。現代の名手、ダスティン・ジョンソンやジョン・ラームも同じ系統のフェードヒッターですね」

Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)

アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

ホーガン アナリスト
森 守洋(1912~1997)

ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

イラスト/久我修一 取材協力/東京ゴルフスタジオ


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