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スイングバランスを合わせても「同じ振り心地」には絶対にならない

「飛距離の階段」ナゼ作れない?―「バランス理論」の盲点|第1回

2022/03/31 ゴルフサプリ編集部 戸川 景

他のスポーツとは異なり、飛距離を打ち分けるために10数本のクラブを用意するのがゴルフ。
それらをほぼ「同じ振り心地」にする、という目的で採用されているのが「スイングバランス理論」だが、果たして本当に正しい考え方なのだろうか?

文/戸川景

同じバランス数値でも「振り心地」が変わる理由

「スイングバランス」とは、単純に言うと「長いものは軽く、短いものは重くする」という考え方。振り心地が似る、同じリズムとテンポで振りやすくなるというが、クラブヘッドの構造上、この考え方はナンセンスだ。

クラブヘッドはルール上、パター以外は「重心距離」がある。たとえば同じ長さ、同じパーツ重量で揃えればバランス自体は一致するが、「重心距離」が違えば振り心地はまったく変わってしまう。

また、ドライバーのようにヘッドMOI(慣性モーメント)の大きさが大きく異なれば、当然フェースコントロールも含め、振り心地は違ってくる。

では、アイアンセットで番手ごとの重心距離とヘッドMOIを均一に揃えたら(ほぼ不可能だが)? それでも実際の動的モーメントが揃うことはない。つまり「なんとなく長いほうが軽いと同じ感じになるかな」ぐらいの目安であり、この時点ですでに1g単位でバランスを合わせることに意味はない、と言える。

「打ちたい飛距離」から逆算でスペックを考えると

ユーザーも、実はバランスはあまり意味がないことに気づいていると思う。ドライバーが長尺化した結果、他の番手とバランス的にも総重量的にも合わなくなってきたが、それでもプレーには支障がない。バランスだけでなく、カーボンシャフトのUTとスチールシャフトのアイアンという、シャフト重量が40gも違うものを組み合わせても普通に使えている。

そもそも、異なる距離に運ぶクラブの振り心地を揃える必要があるのだろうか。たとえば弓矢なら、遠くへ飛ばす弓と近くを狙う弓はまったく異なる。ゴルフクラブの場合でも、遠くへ飛ばすには動的モーメントを大きくし、近くを狙うには動的モーメントを抑えたほうがコントロールしやすいはず。

その意味で、レングスの長短を変えることは有効だが、短くするほどヘッドを重くするのは逆効果。ヘッド重量は番手ごとに変えない、または差異を抑える。つまりバランスを度外視するほうが正解ではないだろうか。


「飛距離の階段」ナゼ作れない?―「バランス理論」の盲点

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