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「スコアで勝負したい」人は、ロングホール(パー5)で飛ばさない

100切りなんて簡単だ!エージシューターの極意 第5回

2022/03/15 ゴルフサプリ編集部 高橋健二

「スコアで勝負したい」人は、ロングホール(パー5)で飛ばさない

ロングホール(Par5)のティに立つと、「さあ、飛ばすゾー」と気合を入れる人が多いのではないでしょうか?ところがスコアにこだわるのであれば、ロングホールのティショットこそ、フェアウェイキープを重視すべきだという。今回もエージシューターの高橋氏が、納得のスコアアップ術を伝授します。

写真提供/高橋健二

ゴルフの魅力は飛ばすことだが、、、

ゴルフはあらゆる球技のなかで、ボールをもっとも遠くに飛ばせるスポーツです。野球は大谷翔平選手の最長不倒ホームランでも150メートルですし、ハンマー投げもせいぜい90メートルです。でもゴルフは女性やシニアでも200ヤードは飛ばします。たぶん、火薬を動力源とするライフルなどを除き、人間の力でもっとも遠くに飛ばせるのがゴルフであり、ゴルフが今日、世界中に広まったのは、オリンピックの標語にある「より速く、より高く、より遠く」の「より遠く」をもっとも手軽に体現させてくれるスポーツだからではないかと思うのです。

だからゴルファーは競って「飛ばしっこ」をします。その結果、飛ばし自慢のゴルファーの間には変な言葉が当たり前のように飛び交っています。

「いやあ、ちょっと右に飛んで池に入ったけど、最高のナイスショットだったよ」

え、え、池に入ったらミスショットじゃないの?

思わずそんなツッコミを入れたくなるのですが、飛ばし屋を自認する人ほど、こんな表現を当たり前のように使います。

なかには「今日イチのショットが出たから、スコアはもういいや」という人もいます。確かに、ドライバーの飛距離を競うドラコンだけの競技が成立し、ドラコンプロを名乗る人もいるので、スコアは二の次、飛ばしっこ最優先を競い合う楽しみがあることは否定しません。

しかし、しかしですよ。かりに「今日イチのショットが出たから、スコアはもういいよ」という人が、そこまで1オーバーか2オーバーできていたら、そういう言葉を口にするでしょうか。私には、スコアをまとめられない人の苦しい言い訳にしか聞こえないのです。
いや、それで十分満足している、という人はここから先は無視してけっこうです。前述したように、そういう楽しみもあることは私自身しっかりわかっていますので。

距離の長いホールほどフェアウェイキープ

そうではなくて、やはり「スコアで勝負したい」という人は、距離の長いホールほど、距離を抑えてでも「方向性重視」のフェアウェイキープを大事にしましょう。理由は簡単です。距離の長いホールは、「2打目で長いクラブを使える」状況に持っていかないと、スコアを作ることができないからです。

具体的に説明すると、400ヤードのパー4で、ドライバーを300ヤード飛ばしても、林に入れて2打目を横に出すだけだったら、残り100ヤードは3オンですね。池に入れたら、次は池の淵から3打目ですし、OBに入れたら、残り400ヤードからまた3打目を打たなければなりません。

一方、ドライバーショットは200ヤードしか飛ばなくても、フェアウェイにきっちり置いて、2打目を3Wでグリーン手前30ヤードに運ぶことができれば、3打目で寄せワンの確率はウンと高まります。この確率の高さをどう考えるか、それがスコアメイクではものすごく重要なのです。

また、かりにフェアウェイをキープできなくても、浅いラフの前方が開けた場所にティーショットを運んでおけば2打目で長いクラブを使えます。そういう意味では、冬場のいまの季節は、ラフが深くて密生している夏場より、狙いどころが少し広いといえそうです。

短いパー5で飛ばしのワナにはまったドラコン女子プロ

先日、テレビを見ていたら、ドラコン大会の常連とかいう女子プロが、478ヤードのパー5で、「よーし、一発振り回して、バーディーを狙いますか」と、2オン狙いのマン振りに出て左に引っかけ、2打目を前方の木に当てて、3打目がグリーン手前のバンカーで、やっと4オンし、一生懸命マイクに向かって言い訳をしていました。

ドラコン大会の常連女子なら、マン振りしなくても250ヤードくらいは飛ぶでしょうから、フェアウェイに置いておけばラクにバーディが取れたのになと思ったのは私だけではないはず。まあテレビのスタッフに乗せられたのでしょうが、飛ばし屋ならでは罠にはまった好例ですね。

エージシューターもフェアウェイキープを重視

いうまでもなくエイジシューターは、大半が75歳以上のシニアなので、ドライバーの飛距離は200ヤード前後です。それでも80前後のスコアで上がってくるのは、ドライバーが飛ばない分、フェアウェイキープを大事にしているからなのです。

距離の長いホールで大事なのは、飛ばすことではなく、フェアウェイキープして2打目で長いクラブが使えるようにすること。このエイジシューターの極意を胸に刻んでおくと、あなたも楽に80台前半のスコアで上がることができるようになりますよ。

では、どうやればフェアウェイキープができるでしょう。

本稿の2回目にドライバーの練習法を紹介しましたよね。

そう、練習場ではドライバーから打ち始めること。最初はドライバーで100ヤードを真っ直ぐ飛ばし、10球中7~8球真っ直ぐ飛ぶようになったら、次は150ヤードに距離を伸ばし、これも7~8球真っ直ぐ飛ぶようになれば、200ヤードに距離を伸ばす。この練習法をやっておけば、フェアウェイキープは簡単です。

「でもね、そうはいっても、右に池があるときに限って池に入るのよ」

そんな恨み節も聞こえてきそうですが、そういう人にはショットでスコアを崩さない特効薬の呪文があります。その呪文については次回、詳しくご紹介しましょう。

高橋健二/ノンフィクションライター

高橋健二/ノンフィクションライター。1948年生まれ。企業ものノンフィクション「スーパーファミコン任天堂の陰謀」などを多数執筆。趣味はゴルフ。エイジシュート達成者(エージシューター)を100人以上取材し、自身も68歳のとき1度達成している。
なお、エージシューターとは1ラウンド(18ホール)のゴルフで 自分の年齢以下のスコアを出したゴルファーのこと。生涯で達成できるゴルファーは非常に少なく、ゴルファーにとっての究極の目標でもある。


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