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100切りに「オール5」のプレーなんていらない。「オール3」の出来でOK!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第1回

2022/04/16 ゴルフサプリ編集部

中村英美

いいスコアで回りたいのに結果はいつも100オーバー。それでも楽しければいいけど、もっといいスコアで回れたらハッピー度100倍だ。そこで豊富なアマチュアレッスンの経験を持つ中村英美に、100切りを早く達成するためのコツをレクチャー願った。第1回目はプレーの心構えについてのアドバイス。

100切りに「オール5」のプレーなんていらない。「オール3」の出来でOK!

一発の完璧なショットを追求するのではなく、大きなミスを減らすことが肝心

皆さん、こんにちは。ティーチングプロの中村英美です。私はアマチュアゴルファーのラウンドレッスンをさせて頂いていますが、ゴルファーの方々の沢山の笑顔に触れることができ、ティーチングプロとしての幸せを感じています。一方で100が切れないと悩んでいる方が少なくありません。一人でも多くの悩みを解決する手助けをしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

私が考えるゴルフのよいところは、次の3つです。

・フィギュアスケートや体操などほかのスポーツと違って、ミスをしてもいい
・相手がいるスポーツではないので、瞬間的な判断が求められるわけではない
・ショットごとの状況判断に時間をかけることができる

特に一番目の「ミスをしてもいい」という思考を持つことが重要なポイントです。100がなかなか切れないという人たちは、「いいショットを打たないと、いいスコアが出せない」、「ミスしたら100が切れない」と思い込んでしまう傾向がよく見られます。こうした先入観が大きなプレッシャーとなり、手かせ足かせになってしまうのです。

100切りの絶対要素は一発のナイスショットを打とうとするよりも、まずは大きなミスをできるだけ少なく減らすことです。100点満点のショットを打とうなんて考えないで、0点のショットを打たない。OBを打ったら0点ですが、50〜60点くらいのショットならOK。フェアウェイの中央に飛ばなくても、次のショットでグリーンの方向に打てればどこにいっても合格と割り切りましょう。「ちょっとくらいミスをしてもいい」と考えれば気持ちが随分とラクになるはず。自分のミスを許せない人はメンタル的にもネガティブになりやすく、よいことはありません。

中村英美
ティショットはフェアウェイならどこでもOKと気楽に考えて打とう。
中村英美
自分のミスを許容することも100切りの大事な要素だ。

アプローチ&パットのショートゲームがうまくなれば90台のスコアはすぐ出る

ゴルフはコースをいかに攻略するかのゲーム性があり、ショットをどこに打ちたいのか、そのためにはどのクラブを使うのかなど、コースに対しての状況判断が求められます。最高のショットを打つことばかり頑張る人はフェアウェイの真ん中やピンしか見ません。結果的にミスしてしまうと、リカバリーがとても困難な状況に追い込まれてしまうことになりやすい。OBがあるホールなら徹底してOBを避けるとか、バンカーが苦手ならバンカーを避けて通る作戦を立てるなど、リスクを避けて安全第一のプレーを心がけましょう。

中村英美
ゴルフはターゲットスポーツ。どこを狙って打つかを明確に決めよう。
中村英美
ピンを攻めるよりも、リスクを避けて通るマネジメントがスコアロスを防ぐ。

そして、もう一つ100切りの絶対要素となるのは、自分の距離を正確に知っておくことです。多くのゴルファーは「ドライバーが250ヤード飛んだ」、「7番アイアンが160ヤード飛んだ」などと自慢したがりますが、これは自分の距離の過信にすぎません。最高の当たりが出れば250ヤード以上飛ばせても、大スライスでOB、ヒッカケやチョロといった結果がよく出てしまうようではスコアロスにつながります。

ご自身の平均的な飛距離を理解し、その距離をコンスタントに打てるようになることを目標にしてください。アイアンも同様で、各番手の平均距離を練習で把握しておきましょう。注意したいのはボールが最後に止まった場所までの距離を見るのではなく、空中を飛ぶキャリーの距離を把握しておくこと。ショットの結果を見て、「クラブ選択を間違えたかな?」とか「ちょっと小さかったかな」などと口にする人がよくいますが、自分の距離の過信がジャッジメントのミスを引き起こしているのです。

中村英美
飛ばせるようになることが練習ではない。各番手の自分の平均距離を知るのが100切りのための本当の練習だ。
中村英美のクラブセッティング
中村英美のクラブセッティング 1W、3W、5W、4UT、5UT、5〜9I、PW、AW、SW、PT。女子プロにしては珍しくアイアンは5番から入れている。このセッティングを参考にするのもいいだろう。

プロたちのようにパープレーで回るのが目標なら「オール5」のプレーが求められるけれど、100切りを目指すなら「オール3」くらいのプレーでも大丈夫。そこでボギーを自分のパーと考えてプレーしましょう。パー4ホールなら3打目でグリーンオンして2パットでOK。「ボギーでいい」と思えば多少ミスしても気持ちの上で余裕が生まれますし、無理に攻めなくていいからプレッシャーをあまり背負わなくて済みます。ただし、きっちりとボギーで上がるには、アプローチとパットのミスを減らすことも肝要です。100が切れない人はロングショットの練習が中心で、アプローチとパットの練習はあまりやりません。ショートゲームの重要性を再認識して、90台のスコアを早く達成してくださいね。

中村英美
アプローチはスコアメイキングの重要なショットだ。ロングショット以上にミスを少なく抑えたい。
中村英美
ロングパットはアプローチ感覚でカップの近くに寄せることが先決だ。
中村英美
ウェッジやパターの練習を多くやる人は早く90台のスコアを出せるし、どんどんスコアアップする。

〈まとめ〉
・「ミスをしてもOK」と気持ちをラクにしよう
・50〜60点くらいのショットをできるだけ継続する
・自分の距離を正確に把握しておく
・リスクを避けるコースマネジメントを覚える
・ボギーを自分のパーと考えてプレーする
・アプローチとパットの練習量を増やそう

いいショットを打つよりもリスクを避けて通れば100がすぐに切れます!

中村英美

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部

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