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アプローチは背中の軸とアドレス時の三角形をキープ!

PGA初の女性A級ティーチングプロ 中村英美がレクチャーする「100を切るためのお約束!」|第5回

2022/05/14 ゴルフサプリ編集部

アプローチショットはスコアメイクの要。ダフリやトップ、シャンクなどのミスを極力防ぐことが100切り達成の絶対条件だ。「アプローチのような小さいスイングこそシンプルな動きで打つのがベスト。そこで意識してもらいたいのが背中の軸とアドレスで作った両腕の三角形です」と中村英美は言う。100切りに直結するアプローチスイングをしっかりと身につけておこう。

アプローチは背中の軸とアドレス時の三角形をキープ!

グリップエンドをお腹に向けたまま、お腹の小さい回転で打つ

グリーン周りからのアプローチは、ボールを上げてコロがすピッチエンドランをベースに考えればスコアをまとめやすくなります。距離はキャリーとランを足して30ヤードくらいが基準です。そのショットをしっかり練習しておくとミスが減り、ピンの近くに寄る確率がアップします。今回は30ヤードのアプローチを確実に打てるようになるいくつかのポイントについてお話ししたいと思います。

打つ前は目標方向を見ながら素振りを数回繰り返して、必ずショットのイメージ作りをしておきましょう。グリーン上のどの辺にボールを落とせばピンに向かってコロがっていくかを映像でイメージするのです。最初はうまくいかなくても気にしないでください。これを習慣づければ経験値が積めてアプローチがどんどんうまくなります。経験は割と長いのにアプローチがなかなか上達しない人は、ショットのイメージ作りができていないのが一番の原因ではないでしょうか。

打つ前に素振りを繰り返して、ショットのイメージ作りをしておくことが大切。

ショット前の素振りでは背中の軸とアドレス時の両腕の三角形をキープし、テークバックとフォロースルーが左右対称形となるように振りましょう。構えたときの両腕とクラブの位置関係を変えないで、お腹を小さく左右に回転させます。30ヤードくらいの距離なら右腰くらいの高さまで上げて、左腰くらいの高さへと振り抜く感覚ですから、グリップエンドをお腹の方に向けたままお腹を回すイメージ。スイング中に上体が左右に揺れてはダフリやトップなどのミスが生じやすいので注意してください。背中の軸を傾けさせない。両腕の三角形を崩さない。この2つを心がければスイングがシンプルになり、インパクトの正確性がアップします。

スイング中は背中の軸をキープし、お腹の小さい回転でクラブを振る。
背中の軸が左右にブレてはボールを正確にヒットできない。
30ヤードのアプローチはクラブを短く持ち、ボールの近くに立って小さく構える。
グリップエンドをお腹に向けたまま、お腹を右に小さく回してテークバック。これでクラブが適正角度で上がりやすくなる。
お腹を元の位置に戻しながらインパクト。イン・トゥ・インの軌道でボールをとらえるのがベスト。
お腹を左に向けてフォロースルー。ここでもグリップエンドがお腹の方を指す。

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クラブをインサイドに引きすぎると背中の軸を保ちにくく、両腕の三角形も崩れやすい。
クラブをインサイドに低く引きすぎるために極度のアッパー軌道になってしまう人が多いので注意。

ボールを低く上げてコロがすピッチエンドランは手首をなるべく使わないこと。手首をガチガチに固めてもダメですが、両手を柔らかめに握った上で手首を固定しておきましょう。イメージとしてはペンやお箸を持つときと似た感覚です。構えたときの右手首の角度をキープする意識でもいいですが、私の場合は右手の親指の形が変わらないように気を配っています。通常のグリップですと右手首を親指側に軽く折り曲げて、右手の親指と人さし指のツケ根を締めて、この2本でピストルの引き金を引くようなトリガーの形を作ります。この右手親指の形を意識することで構えたときの右手首の角度をインパクトで再現しやすくなります。インパクトで右手首が手のヒラ側に折れてもいけませんが、どちらかといえばインパクトで右手親指が下を向いて右手首が伸びてしまうサムダウンのミスが多いので右手親指の形を意識してみてください。

右手の親指と人さし指でトリガーの形を作って構える。
アドレスの右手親指の形をキープすることを意識してみよう。
アドレスでは右手首が親指側に軽く折り曲げているのがナチュラルな姿勢。
右手親指の形をキープすることで、インパクトでアドレスを再現しやすい。
インパクトで右手の親指が下を向くと右手首が伸びて右手のトリガー形が崩れる。

もう一つ、重要なポイントとしてスイングリズムを取り上げたいと思います。振り子のイメージで左右対称形にスイングできるようになるためにもリズムの一定化につとめましょう。

基本は「イチ」でテークバックして、「ニー」でダウンスイングからフォロースルーへと向かう2拍子です。速く上げてゆっくり下ろしたり、ゆっくり上げて急いで振り下ろしたりしてはいけません。「イチ、ニー」とゆっくりと等速でスイングするのがコツです。でもリズムは腕や手で意識するものではなく、足で整えるものです。実際のアプローチスイングは下半身の動きを小さく抑えますが、両足を軽くバタバタさせるイメージです。左カカトを軽く浮かせてテークバックし、左カカトを着地させてダウンスイング。そして右カカトを浮かせてフォロースルー。これも打つ前の素振りで感じておくと30ヤードのアプローチがきっちり打てるようになりますよ。

スイングリズムは2拍子が原則。テークバックは左カカトを浮かせるイメージで「イチ」で上げていく。
左カカトを着地させる感覚で、「ニー」でダウンスイングし、インパクトを通過。
その流れで右カカトを浮かせるイメージでフォロースルーへと向かう。打つ前の素振りでリズムを感じておくといい。

〈まとめ〉
・スイング中、背中の軸を一定にキープ
・構えたときの両腕の三角形を崩さない
・振り子のイメージで左右対称にスイング
・テークバックでインサイドに引きすぎない
・右手親指の形をキープする意識を持とう
・足踏み感覚でスイングのリズムを整える
・ショット前の素振りでいい感じをつかんでおく

背中の軸をキープして左右対称に振ればアプローチの正確性はアップする!

中村英美
なかむら・ひでみ/群馬県出身。163㎝。法政大学ゴルフ部卒。2015年の関東女子ミッドアマ優勝。フィリピンや台湾でトーナメント出場の経験を積んだ後、ティーチングの道に進む。21年にPGAで女性初のA級の資格を取得。アマチュアレッスンのほか、女子ゴルファーのキャスティング、コンペ・イベント企画を運営するV・J・Golfを主宰。

取材・文/三代 崇
写真/渡辺義孝
協力/栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部


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