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野村タケオのスイングは『グニャグニャ』で生まれ変わる? 練習器具「スイングリード」を試してみた!

2022/05/26 ゴルフサプリ編集部 野村タケオ

スイングリード

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフって凄い数の練習器具がありますよね。ボールが打てるものや打てないもの、素振りで使うものもあれば、アプローチ用、パター用などいろいろ。体に装着するものもあるしね。これだけたくさんの種類があると、いったいどれが本当に効果があるのかってが分からない。もちろんどれも多少は効果があるのでしょうが、使い方を間違っちゃうと全く意味がないんですよね。実は今回、スイングリードという練習器具を試したんだけど、なんと開発者本人から使い方をレクチャーしてもらいながら使ってみました。これがなかなか難しい練習器具なんだけど、けっこう「そうか!」という気付きのあるものだったので、ご紹介します!

撮影/野村タケオ

グニャグニャの素振り用練習器具!

この「スイングリード」という練習器具を開発したのは、蝶ネクタイのレッスンプロでおなじみ(?)今野一哉プロです。なんと開発に4年もかかっているのだとか!

これがそのスイングリード!一応クラブのようにヘッドのような部分とシャフト的な部分、そしてグリップに別れています。

スイングリード
平たい板状のシャフトにグリップとヘッドが付いています。グリップも丸ではなく平べったい。

しかしこれが全部ペラペラ!ヘッドも薄いし、シャフトもただの金属の板みたいな感じで、グリップも丸ではなく平べったい。これはいったいどう使うのか?

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重心を正しく使うための練習器具!

この練習器具はスイング中にヘッドの重心を正しく管理するということを学べるものなんです。ゴルフクラブってヘッドの重心がシャフトの延長線上じゃなく、少し離れたところにありますよね。

アイアンとドライバーでは違う位置にあるし、ドライバーでもヘッドの大きさや形状によって重心位置が違ってきます。その重心位置を感じて、正しく使うことができれば、ストレスのないスムーズなスイングができるというのが今野プロの目指すところなんです。

スイングリード
開発者の今野一哉(こんのかずや)プロとスイングリード。こんなに簡単に曲がっちゃう。

なかなか上手く言葉で説明できなくて申し訳ないのだけど、要は、シャフトの軸線上でヘッドの重心を支えることができれば良いわけなんです。ほら、ナイスショットが出来たときって、スイング中に全くどこにも負荷がかかることがなくスムーズに振り抜けますよね? あれってスイングプレーンとヘッドの重心が上手く重なったってことなんです。そこから重心が外れてしまうと、スイング中にシャフトが変にしなってしまったし、ヘッドの挙動がおかしくなったりするわけです。

このスイングリードはシャフト部分が薄い板になっているわけで、板がしなる方向に力が加わってしまうと簡単にたわんでしまいます。これをスイング中に全くたわまないように動かすことができれば、シャフト軸上でヘッド重心をキープしたまま振れているということになるわけです。平たいシャフトがたわむ=ヘッド重心がプレーンから外れているということなんですね。
四の五の言ってないで、とりあえず振ってみましょう!

これ、たわまないように振れるの?

まずは開発者である今野プロに振ってもらいました。

今野一哉
ほとんどたわむことなく、普通のクラブを振っているようです。

平たいシャフトが全くたわまなくて、まるでカチカチの板のように見えます。めちゃ簡単に振るので、けっこうサクッとできちゃうのかと思いきや・・・。

今野一哉
僕が振るとテークバックからトップ、ダウンスイング、フォローまでグニャグニャになっちゃいました。

はい、僕が振るとグニャグニャ・・・。テークバックでもたわむし、トップではヘッドがたら~んと垂れる。切り返しからインパクト、そしてフィニッシュまでずっとたわみっぱなし。振ってる最中にはずっと手に嫌な抵抗というか、違和感を感じるし。

スイングリードを振って、平たいシャフトがグニャグニャするということは、スイング中にヘッドの重心が管理できていないということ。そうなると、スイング中のいろんな場所でシャフトに負荷がかかったり、スイングプレーンから外れてしまうということなんです。人間は感覚的にそれを補正する動きをしてしまうわけで、その動きがスイングの癖や個性になるわけです。

もちろん、最終的に良いインパクトができれば問題ないわけで、プロゴルファーや上級者でもいろんな癖のあるスイングをする人もいますよね。実際にこのスイングリードをプロゴルファーが振ったとしても、グニャグニャになる人もけっこういると思います。だからってそのプロのスイングが悪いかと言うとそういうわけじゃないですよね。だってそのスイングですごいスコアを出すわけですから。

スイングリード
このクラブの正しい握り方はグリップの真上に左手の親指を置き、右手の人差指と親指がその上になるようにする。左手の親指でクラブの重心を支えられるようにする。

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じゃあスイングリードが上手く振れないスイングでもいいんじゃん!ってことになるわけですが、プロは圧倒的な練習量があるわけなので、個性や癖が強いスイングでも再現性を高くできるわけです。僕たちアマチュアはそこまでの練習量がないので、なるべくならスイング中に補正しなければいけないようなスイングではなく、クラブが素直に気持ちよく動いてくれるスイングを習得したほうが良いと思うんですよ。そのスイングを体感できるのがこのスイングリードってわけです。

たわまないように重心を感じながら振ってみる!

どう振れば平たいシャフトがたわまないように振れるかを考えながら振ってみます。まずアドレスからハーフウェイバックまで。始動の時は多少たわみますが、ハーフウェイバックの時点ではたわまないように。インに引きすぎてしまう人は、ここでシャフトがたわんでしまいます。

スイングリード
(左)シャフトの軸線上で重心を感じながらテークバックできるとシャフトはしならない。(右)重心が管理できていないといきなりたわんでしまう。

そこからトップへ。トップでもフラットすぎる位置や、シャフトクロスなどになってしまうと、当然シャフトはたわむ。

スイングリード
(左)トップでも軸線上で重心を感じられるとシャフトは真っすぐ。(右)クラブが寝すぎてしまったりするとシャフトはたわむ。

切り返しからダウンスイングでもクラブが寝たり、アウトサイドから入ってしまうとシャフトはたわんじゃうんですよ。
そしてインパクトからフォロー、フィニッシュまでもシャフトがたわまないように。

僕的にはインパクトからフィニッシュまではけっこう上手くできるのですが、テークバックからトップ、そして切り返しのあたりで、どうしてもシャフトがグニャグニャしちゃう。そのあたりの動きを確認しながらゆっくり振っていると、だんだんシャフト軸上にヘッドの重心を乗せるという感覚がわかってきます。この練習器具は、そのことがボンヤリでも分かればいいと思うんですよね。

一度はヘッドの重心を感じてみるべき

スイングリードを使って感じる「重心を正しく使う」という感覚。これはゴルフクラブという道具を使うポーツにおいては、とても大事なことだと感じました。上手く振れるか振れないかは別として、ヘッドの重心をどう使えばクラブに負担をかけず、シンプルにスイングできるかということが分かると思います。あとはそれを自分のスイングにどうやって取り入れていくかということなんじゃないでしょうか。

僕の場合はテークバックの意識が少し変わり、切り返しが少しスムーズになったような気がします。それだけでも、このスイングリードを使った意味はあるんじゃないのかな~と思っています。

みなさんも一度スイングリードを振ってみて、クラブの重心を感じてみると、自分のスイングに対する考え方が少し変わるかもしれませんよ。

<取材・文> ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ


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