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ゴルフと日焼け2|日焼け止めを正しく、賢く使っていますか?

生涯スポーツ・ゴルフと健康「末長くゴルフを楽しむために」|第14回

2022/05/27 ゴルフサプリ編集部

五月晴れや梅雨の晴れ間は、最高のゴルフ日和です。フェアウェイに飛び出して快晴のラウンドを存分に楽しみたいものですが、日焼け対策を忘れると大変なことに…。日焼けを引き起こす紫外線量は5月、6月から夏にかけてピークを迎えます。しっかり予防して、肌もゴルフも、溌剌さをキープしましょう。

弱いものでもたっぷり、こまめにがポイント

使用量が少なすぎると効果は半減以下

前回は、紫外線による日焼けのメカニズムと日焼け予防の重要性について、皮膚科の専門医である松本美緒先生(五反田・サザンガーデンクリニック副院長)にご説明いただきました。

今回は、紫外線をブロックするために絶対欠かせない日焼け止めクリームについて、正しい選び方のポイントを教えていただきます。最初に、ある実験からわかった「日焼け止めあるあるエピソード」をご紹介しましょう。

あるメーカーが、何の指導もアドバイスもせずに被験者に日焼け止めを塗ってもらったそうです。すると、ほとんど全員が日焼け止めクリームを塗る量が少なすぎることがわかったのです。メーカーが推奨する半分以下の量しか塗らない人もたくさんいました。例えば、塗る量が2分の1だと効果は4分の1、4分の1しか塗らなければ効果は16分の1になるということです。

五百円玉大をハーフごとに塗り直す

「日焼け止めは、メーカーが推奨する適正量を塗って、初めて効果が得られます。少なすぎる方がほとんどなので、皆さんしっかり塗ることが大事です。チューブのクリームタイプの日焼け止めなら長さ5センチくらい、液状のローションタイプなら五百円玉大を手にとって塗りましょう。どの日焼け止めも2時間で効果がなくなりますので、2時間ごとに塗り直す心がけも必要です」。

2時間だとハーフのプレーにかかる時間とほとんど同じです。女性は朝家でお化粧の前に日焼け止めを塗っているかもしれませんが、スタート前に塗り直せば、約2時間後にハーフが終わるまでもつ計算です。もともとゴルフ場に着いてから、プレーするときしか日焼け止めを塗らない男性も、できればクラブハウスを出る前に塗ってから行きましょう。

よくティーイングエリアの脇でスタートを待つ間に日焼け止めを塗る方がいます。それだとスタートホールに行くまでの間やパッティング練習をしているうちに日焼けしてしまいますので、ハウス内の洗面所やロッカールームで鏡を見て塗るのがベストです。

塗り終わったら、キャディバッグのポケットに入れたりカートのカゴに入れたりしてコースへ携行しましょう。プレーの進行状況が遅く、2時間経ってまだ1〜2ホール残っているような時は塗り直しができるからです。

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高すぎるSPFはかえって肌の負担になる

「でも、私はSPF50の日焼け止めを使っているから塗り直さなくても大丈夫ですよね?」そんな声も聞こえてきそうです。

昨今、日焼け止めは、ドラッグストアでもコンビニでも売られています。そこで、買うときにいつも迷うSPFについて、選ぶときのポイントを松本先生にお聞きしてみました。

「SPF50でも、20や30と同じ2時間程度で塗り直した方がいいですよ。数字によって大きな効果差はないからです。ご存知のように、SPFは紫外線に当たってから皮膚が赤くなるまでの時間をどれくらい遅くさせられるかの指標として使われています。数字が大きくなるほどその時間が長く紫外線を防ぐ効果も高いとされていますが、実はどの日焼け止めも塗ってから約2時間で効果はなくなってしまうのです。

15以上であれば紫外線のブロック率はそれほど変わりませんので、20でも30でも気にしなくていいでしょう。例えば、SPF50でもサラッとしてのびやすい日焼け止めには紫外線吸収剤が入っていることがあり、紫外線のブロック効果は下がります。

肌に負担がかかってかぶれなどが生じやすく、かえって皮膚のバリア機能が低下してしまうからなのです。ですからSPFは、高すぎるものより20くらいの低めのものを使い、女性だったら後述しますがパウダータイプのファンデーションを重ねる方がよほど高い効果を得られるのです」。

男性にはSPF20のローションタイプが人気

「男性は色のつくファンデーションは使いにくく、日焼け止めだけしか塗らない方が大半だと思います。その場合は、SPF20のローションタイプの日焼け止めが好まれます。初めて使うときは、べとつく感じのするクリームタイプに比べると、さらりとしたローションタイプは汗とともにすぐ流れてしまうように感じるかもしれません。

両者をそれぞれ塗って30分間ランニングをした実験では、クリームタイプは83%、ローションタイプは74%残っていました。意外と汗で流れることなく残ります。べたつく感じが苦手な方はローションタイプを使い、2時間弱で早めに塗り直してもいいですね」。

耳周りを入念に、髪や頭皮も忘れずに!

SPFは強いものを選ぶ必要はないのですね。むしろ弱くても、しっかり塗ることのほうが大事なようです。露出してしまう部分や日焼けしやすい部分には、しっかり多めに日焼け止めを塗るようにしてください。

「特に念入りに塗りたいのは、耳たぶの上面と耳全体、耳の後ろ、首です。顔をはガードしても油断して首に塗るのを忘れると、顔と首の色が違ってしまうからです。首にシワができると老けて見えるようにもなります。首の後ろもたっぷり塗ってシャツの襟を立てるのもいいでしょう。また、顔よりたくさんの紫外線を浴びてしまうのが頭。

髪や頭皮が日焼けによって老化すると秋口に抜けが増えてしまいますので、スプレータイプの日焼け止めをかけ、紫外線の負担を少なくしたいものです。さらに、気がつきにくいのが手の甲です。若い頃はそうでもありませんが、年齢とともに、特に男性は手の甲にシミが出てくる方が多いようです。とはいえ手はどうしても忘れやすいので、顔や腕に日焼け止めを塗るときは一旦手の甲にローションやクリームを乗せるようにして、最後に両手の甲どうしを擦り合わせるようにして伸ばすといいでしょう」。

男性でこれまで日焼け止めを敬遠していた方でも、ローションタイプなら使いやすく、日焼けをかなり予防することができます。さらに日焼けを防ぐには物理的な防御が最も効果的。日よけ傘、つばの大きな帽子、バンダナタイプのフェイスカバー、サングラス、ネックカバー、長袖シャツまたはアームカバー、両手グローブ、くるぶしまでのパンツなどを用い、できるだけ肌を露出させないことが肝心です。

粒子の細かいパウダーファンデで簡単、完璧!

一方女性の場合、顔には日焼け止めを塗ったあとにファンデーションを塗るのが決め手になると松本先生はいいます。

「女性でも『いろいろ塗りたくないので日焼け止めしか使いません』という人がいらっしゃいますが、それだけだとゴルフのプレー中に浴びる紫外線から顔の皮膚を守ることは難しいと思います。そこで私は、女性の方には、日焼け止めを塗った後パウダーファンデーションを厚めに塗ることをオススメします。パウダーはリキッドタイプのファンデーションなどに比べ、格段に密度が高いからです。また紫外線散乱剤が入っているため、紫外線をしっかり弾いてくれる効果があります。SPFの記載がなくてもSPF20と同程度の効果が期待できます」。

日ごろ皮膚科医として診療に忙しい松本先生ご自身も、日々の生活や外出時にはパウダーファンデーションを愛用され、化粧室に行く時は必ず重ね塗りをして紫外線の日焼けを予防しているそうです。

「サンバーンといって、メラニンが増えて細胞が変化し色素沈着が起きると元の状態にはなかなか戻せません。ですから日々、紫外線をブロックすることでダメージを少なくすることが大事なのです」。

ゴルフのラウンド時は日焼け止めとパウダーファンデーション、普段の生活で『なにかひとつ』ならパウダーファンデーションを使うと、塗り直しの手間もそうかからないので継続しやすそうです。

次回は、日焼け後のケアや紫外線のダメージを少なくする美白のヒントについてお話しいただきます。

【日焼けのまとめ】
(1)日焼け止めの正しい使い方
・適正な使用量
 少なすぎに要注意
 クリームタイプは5センチ
 ローションタイプは五百円玉大
・塗り直し
 各ハーフのスタート前(2時間ごと)

(2)日焼け止めの選び方
・SPF値が違っても効果はほぼ同じ
・SPFは低くてもこまめに塗ればOK
・SPFが高すぎると皮膚に負担がかかる

(3)入念に塗りたいところ
・耳たぶの上面、耳全体、耳の後ろ、首
・頭皮、髪(スプレータイプ)
・手の甲

(4)日焼け防止グッズ
・日よけ傘、つばの大きな帽子、バンダナタイプのフェイスカバー、サングラス、ネックカバー、長袖シャツまたはアームカバー、両手グローブ、くるぶしまでのパンツ

(5)+パウダーファンデーションのススメ
・粒子が細かく、SPF20相当程度の効果がある
・日焼け止めの上に厚めに塗る

取材・文/野上雅子
撮影/JGMA
撮影トーナメント/2020NEC軽井沢72ゴルフトーナメント

松本美緒
サザンガーデンクリニック副院長(東京都品川区)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。順天堂大学病院、文京区慈愛病院、巣鴨皮膚科医院勤務を経て、2008年京成小岩皮膚科クリニック院長、2010年9月から現職。長年にわたり皮膚科一般外来および脱毛症専門外来等に携わる。小児皮膚科、大人のスキンケア、脱毛症、アトピー性皮膚炎、じん麻疹、ニキビ等を専門とする皮膚科のスペシャリスト。幅広い患者さんに丁寧な診察とわかりやすい説明で接し、厚い信頼を得ている。


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