〝プレーファスト〟ゴルフラウンドで守るべきマナーのコツ
重箱の隅、つつかせていただきます|第24回
スイング、ゴルフギア、ルールなどなど……。ゴルフに関わるすべての事柄の“重箱の隅”をゴルフライター・戸川景が、独自の目線でつつかせていただくコラムです。
Text by Hikaru Togawa
Illustration by リサオ
GOLF TODAY本誌 No.602/106ページより
ゴルフマナーとの〝付き合い方〟とは?
ゴルフではマナーが大事、と言われるが、ルール全般を覚えるほど難しいことではない。他者に迷惑をかけない、不快な思いをさせないということなので、社会的な通念とほとんど変わらない。つまり、常識人ならわざわざ身に着ける努力は必要ないと思う。
ただ、ゴルフ場でマナーを実行する〝特別な手段〟のいくつかは、覚えなくてはならない。ラウンドで一番大事になるのは〝プレーファスト〟だろう。
他者がプレーを楽しむ時間を奪わない、という考え方が根本にある。そのために必要な〝手段〟は、他者を急かしたり、自分が焦って走り回ったりすることではない。
クラブを3本持って移動、カートにスムーズに乗り込む、グリーンでスコアをつけない等は、合理的な行為なので一度経験、注意されたら納得してすぐに覚えられるはず。
厄介なのは、正しいやり方と時間の使い方がわかりにくい以下の3つだろう。
①旗竿の抜き差し
②目土
③ボールマーク直し
①の旗竿は、どのタイミングで付き添うか、自分のプレーとの兼ね合いでバタバタすることもあったと思うが、3年前のルール改定後はほぼ立てっぱなしとなったので、ことさら検討する必要もなくなったと思う。
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②の目土は、バンカーならしよりいい加減にしているプレーヤーは多いと思う。というのも、基本的にキャディさん任せであり、いざセルフプレーで目土袋を持って移動しても〝芝を削った後に土を埋める〟という行為に慣れていないと思うからだ。
プレーファストを意識するせいか、スコップでドサッと目土を落としてそのまま、というのをたまに見かけるが、それはダメ。目土するのは、芝の修復はもちろんだが、大命題は〝後続のプレーヤーがディボット跡につかまって、打ちづらくなることを防ぐ〟ことだ。となれば、目土を山盛りにするなどは言語道断。足で踏んで、靴跡が残らないようにサッと払うくらいがちょうどいい。
実は、マナーは〝雑にこなす〟のがオススメだと思っている。たとえば洗面台を使ったら、手を拭いた後のタオルでサッと台の周りの水気を拭き取る、というマナーがあるが、この〝サッと〟という感覚が大事なのだ。
懇切丁寧に水気を完璧に拭き取る必要はない。時間をかけることもない。この感覚を、ゴルフマナーにも取り入れる。そのほうがスムーズにこなせるはずだ。ただし〝雑にこなす〟には押さえるポイントが必要。
目土の場合は〝踏みならす〟は外せないように、③のボールマーク直しも〝手早く周辺の芝を刺す〟という行為に慣れてほしい。普段から〝へこんだ芝面を直す〟ことに慣れているわけではない。
最初は時間をかけすぎて、次第に急いで〝雑にこなせるようになる〟と思う。ボールマーク直しは〝パットの打球が蹴られない〟程度に直せば必要十分。それを手際よくこなすには、通常の2本足のグリーンフォークではなく、1本足のもの、もしくはロングティを使うのがオススメだ。ボールマークは打球が芝面をへこませているのではなく、周辺に芝土を押し退けているだけ。だからボール跡の底を持ち上げるのはNGで、周辺からかき集めて戻すのが正しい。その際、2本足のグリーンフォークは刺してから軽くひねると効率的に芝土を寄せられる半面、根を切って芝草を枯らす原因にもなりやすい。その点、1本足だと周辺をサクサク刺すだけで、適当にボール跡が埋まるし、根は切れない。〝雑にこなす〟には最適なのだ。パターでならすのも含め、1つ8秒くらいで直せればスマートだと思う。
戸川景(とがわ・ひかる)
1965年3月12日生まれ。ゴルフ用具メーカー、ゴルフ誌編集部を経て㈱オオタタキ設立。現在、ライターとしてゴルフのテーマ全般を手掛けている。
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